京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

070 アレクサンドル・ロトチェンコ《水への跳躍》

ロトチェンコは1920年代から30年代にロシア構成主義がジャンルを越えて展開する中で主導的な役割を果たした。特に写真においては、俯瞰や魚眼レンズを多用した独特の遠近法と短縮法、ダイナミックな対角線構図、クローズアップ、光と影の活用など、カメラという工業製品の機能を最大限に生かすことで、独自の視覚言語を確立し、人間の新たな視覚を提示しようと試みた。まるでボールのように宙を舞う、飛び込み競技の瞬間を切り取った本作では、空を背景として被写体を際立たせるモンタージュ的手法がとられている。

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