045 アウグスト・ザンダー《菓子職人》
アウグスト・ザンダーは1920年代から新即物主義の芸術家たちとの交流を深め、さまざまな職業や社会階層の人々の肖像写真を撮影し、体系的に分類するプロジェクト「20世紀の人間たち」に着手する。本作では白い仕事着に身を包み道具を手にした菓子職人が、威厳のある面持ちでカメラを見据えている。客観的な眼差しで捉えた肖像写真のアーカイヴによって、社会や時代の全体像を提示しようと試みたザンダーの仕事は、戦後のベッヒャー派をはじめ後進のアーティストたちに大きな影響を与えた。