京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

031 マックス・ベックマン《恋人たち》

ドレスデン芸術アカデミーとヴァイマール大公立美術学校で学び、ベルリン分離派に参加。第一次世界大戦従軍後は、表現主義的作風に転じ、キュビスムから刺激を受けた堅牢な構図に鋭い筆致と激しい色彩で、戦争の悲惨な情景や大都会の混乱した風俗、荒廃した人間性を生々しくも象徴的に描いて、新即物主義を代表する作家となる。 本作では、蝋燭の光に照らされた挑発的な女と言い寄る紳士が、画面奥の人物と作品を見る者の視線が交錯する中に描かれ、「売り物の愛」がその実態だとわかる。

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