京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

017 アウグスト・マッケ《公園で読む男》

ラインラント地方出身で、デュッセルドルフの芸術アカデミーと工芸学校に学ぶ。フランツ・マルクと知り合い「青騎士」に参加。ロベール・ドローネーのオルフィスムから影響を受け、キュビスムの理知的な構成的画面と鮮烈な色彩を咀嚼した作風を展開。日常的な題材を好み、安定した構図の中に各モチーフが短く軽い筆致で描かれた本作では、新聞を読む男性と周囲の自然との統一的空気感が、マッケ特有の穏やかさをもって表現されている。第一次世界大戦勃発のわずか一ヶ月後、従軍したシャンパーニュ地方の前線で27歳の若さで戦死した。

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