京都国立近代美術館

ルートヴィヒ美術館展
20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

012 エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー《ロシア人の女》

ドレスデン工科大学建築科に学び、1905年にヘッケル、シュミット=ロットルフ、フリッツ・ブライルとともに芸術家集団「ブリュッケ(橋)」を結成。仲間との共同制作を通じ、強い輪郭線や鮮烈な色面、荒々しい筆触で対象を描き出す表現主義と呼ばれる新たな地平を切り開いた。ベルリン移住後は、大都会の情景や街路を行き交う人々を鋭角に引き延ばした形態で描いて独自の様式を完成させ、その特徴は本作の縦長の形態や対比的な色彩そして装飾的構図にも明らかだ。マグデブルクのカイザー・フリードリヒ美術館旧蔵の本作は、1937年にナチに接収され「退廃芸術」展で展示された。

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