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京都国立近代美術館・京都造形芸術大学共催 公開講座
ピエール=ミシェル・マンゲル「芸術家はあまりに多く存在しすぎるのか?」
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京都国立近代美術館・京都造形芸術大学共催 公開講座
ピエール=ミシェル・マンゲル「芸術家はあまりに多く存在しすぎるのか?」
2008年6月8日(日)午後2時〜午後4時(午後11時から整理券配布)
京都国立近代美術館1階講堂 聴講無料、定員100名
※フランス語、逐次通訳付き
題目
芸術家はあまりに多く存在しすぎるのか?
Y a-t-il trop d’artistes ?
芸術に関する職業を分析してみると、ひとつの謎にぶつかる。似通った社会階級、教育レベルで募集されている職業と比べ、芸術家の収入は平均的に少ないにも関わらず、就労人口の増加と比較して芸術家は急激に増加している。また、苦しい収入にもかからず、キャリアを諦める芸術家は意外に少ない。いかなる時代であっても、芸術史には制作者があふれていたと記録されている。それは、芸術界での競争、そして新しいものの創生や価値づけを取り巻く不安定性につきもののメカニズムに関わるのか?絶えざる比較やランキングといった「名声のトーナメント」(ヒットパレードや文学賞、オスカー、オークション記録など)などによって、市場のシステムが芸術家間の才能の格差を拡大、誇張しているのか、考えておく必要があるだろう。さらには、文化的財の交換や商業化の新しい形態の拡大(インターネット上の売買、Peer to Peer型の交換、直接的な交渉による制作者と作品間に積み重ねられた知識)によって、芸術家同士が正面からぶつかるような競争することなく、多様化した享受者層にたどり着く芸術家が増えてきたことも考慮すべきだろう。今回の講演では、この「定員超過」の不均衡が生まれた諸原因を分析し、そしてなぜ芸術界では他の比較しうる業界に比べて成功の不平等性が顕著に見られるのか、さらにはなぜそうした不平等に対して寛大なのか検討したい。
講師: Pierre-Michel MENGER (ピエール=ミシェル・マンゲル)氏
1953年生まれ。フランス国立科学研究センター主席研究員、フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)教授のほか、労働と芸術の社会学に関する研究所所長などを兼務し、いくつもの研究分野の最前線で活躍。哲学者であると同時に、社会学者、経済学者でもある。すでに芸術市場の構造、柔軟性に富んだ、新しい労働スタイルの出現(不定期労働のケース)、文化政策の諸相、作品の評価などに関する多数の著作を刊行している。精緻かつ刺激的な分析を展開することで定評があり、芸術のデモクラシーの裏側や芸術に対する支援の無力さについて、マス・メディアが作り出したステレオタイプに揺さぶりをかけている。
- 主催
- 京都造形芸術大学 通信教育部芸術学研究室
京都造形芸術大学 芸術表現・アートプロデュース(ASP)研究室
京都国立近代美術館 - 協力
- 日仏会館
- お問い合せ
- 京都造形芸術大学ASP研究所・近藤
TEL 075-791-9296
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