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京都精華大学表現研究機構主催
  「ポピュラーカルチャーおよび表現に関する研究交流推進プロジェクト」
  第1回研究会

お知らせ

京都精華大学表現研究機構主催
  「ポピュラーカルチャーおよび表現に関する研究交流推進プロジェクト」
  第1回研究会


ポピュラーカルチャー研究の趣旨と基本方針
ポピュラーカルチャーおよび表現に関する研究交流推進プロジェクトについて

テーマ:「カフェ」
第1回研究会では、ポピュラーカルチャーが生成し、ポピュラーカルチャーによって生成される〈場(トポス)〉の象徴としての「カフェ」について論じ、現代社会の思潮であるポピュラーカルチャーに通底する社会的背景に迫ります。

日時:
2007年7月7日(土)午後1時〜5時

場所:
京都国立近代美術館1階講堂

聴講料・定員:
聴講無料、先着60名
※一般来聴歓迎

主催:
京都精華大学表現研究機構

共催:
京都国立近代美術館

発表者:
村田麻里子 (京都精華大学人文学部社会メディア学科)
ウスビ・サコ(京都精華大学人文学部文化表現学科)
岩本真一  (京都精華大学人文学部社会メディア学科)

コメンテーター:
佐藤守弘(京都精華大学デザイン学部)

ポピュラーカルチャー研究の趣旨と基本方針:

  1. 「ポピュラーカルチャー」をキーワードとして、現代文化に共通する〈何か〉をとらえることがねらいです。
  2. ポピュラーカルチャーが生成され、生成する〈場〉や〈空間〉を取り上げ、具体的に〈何か〉を探り出します。
  3. 「ポピュラーカルチャー」という対象だけを定めて、研究テーマおよび方法は各研究者の専攻に立脚して自由に選び、マンガ・アニメーション・デザイン・ファッション・芸術・音楽・映像・写真・建築・文芸・ホビー・レジャー・スポーツ・メディア…など現代文化を多角的に研究します。
  4. ワークショップ「研究者とアーティストのコラボレーション」により、現代文化の諸相を楽しく、わかりやすく提示します。
  5. ポピュラーカルチャー研究にふさわしい柔軟な思考をもつ本学の若手研究者を中心にプロジェクトを構成、外部研究機関の研究者を交えて、より幅の広い、奥行きの深い研究をめざします。
  6. 本プロジェクトの研究者は下記のとおりです(50音順)。
座 長 山折哲雄  (宗教学者)
研究者 石田あゆう (桃山学院大学社会学部)
井上雅人  (京都精華大学人文学部文化表現学科)
今井隆介  (花園大学ほか)
岩本真一  (京都精華大学人文学部社会メディア学科)
ウスビ・サコ(京都精華大学人文学部文化表現学科)
瓜生吉則  (明治学院大学ほか)
小松正史  (京都精華大学人文学部社会メディア学科)
佐藤卓己 (京都大学大学院教育学研究科)
佐藤守弘  (京都精華大学デザイン学部)
申 昌浩  (京都精華大学人文学部社会メディア学科)
高橋伸一  (京都精華大学人文学部文化表現学科)
手島英貴  (京都精華大学教育推進センター)
前田 茂  (京都精華大学人文学部文化表現学科)
増田 聡  (大阪市立大学大学院文学研究科)
村田麻里子 (京都精華大学人文学部社会メディア学科)

ポピュラーカルチャーおよび表現に関する研究交流推進プロジェクトについて:

〈なぜポピュラーカルチャーなのか〉
     ここでポピュラーカルチャーと言う場合、二つのことが前提となっています。第一は、概念としても、範疇としても、それが明確に規定されたものとは全くなっておらず、現状としてはあくまで“なんとなくポピュラーカルチャーというもの”という具合に措定されるものでしかないこと、第二に、にもかかわらず、ポピュラーカルチャーというものが今日の社会の文化状況に於いて、きわめて重要な位置を占め、大きな意義を持ち、単に文化に対してのみならず経済や産業、そして技術の在り様、また更に歴史状況にまで広く大きな影響を与えているということ、——この二点です。
     この二点を前提とし、次の点をはっきりと意識して研究会をはじめようとしています。即ち、ポピュラーカルチャーというものがきわめて広汎な人々によって支えられ、担われ、推進され、広められ、人々の日々の生活、人々の成長や世代間の交流・衝突などに固く結び付いている、というよりむしろその中に深く浸潤しているのだという点です。
     2007年版『イミダス』、『現代用語の基礎知識』、『知恵蔵』のいずれにも用語項目として採録されていないこの“ポピュラーカルチャー”を研究対象とするのは、それが現代社会に於いてきわめて大きな存在であるにもかかわらず、まったく曖昧なままで、未だ明確に定立されていないというその現状からです。この茫漠たるものを学術研究の対象とすることはいかにも冒険であり、悪くすると研究会が方向を見失い、無残な失敗に終わる可能性が明かにあります。しかし私たちは、ポピュラーカルチャーを巡る曖昧で、否定的な現状が、むしろ生き生きとして積極的な、自由な研究を可能にするものでもあると考えています。明確な定説が未だ確立せず、大きな権威が存在しないことが、こうした〈自由〉を与えてくれているわけですし、当研究会の活動そのものがより明確なポピュラーカルチャーが何であるのかを鮮明にすることになると考えます。
     今日の社会について考えようとするとき、ポピュラーカルチャーというものを抜きにしては何事も考えようがないことは随分以前から解っていたことでしたが、これまではポピュラーカルチャーのある部分に研究を限定するとか、異なる領域から迂回的にポピュラーカルチャーに接近するといった方法で研究がなされてきました。しかしそろそろポピュラーカルチャーそのものを問うことが求められているようです。当研究会はこの問いを一本の筋として措いた上で、参加する各研究者が自らの専門分野から自由に研究をすすめていく場として設定されます。

〈なぜ、京都精華大学なのか〉
     本学は人文学部と芸術系諸学部とが並存するところに最も大きな特徴があります。しかもいずれもそれぞれに於ける純粋な学、つまり純粋な人文学、あるいは純粋芸術(学)を追究してきたのではなく、むしろより大衆に向って開かれたものを生み出そうと創立以来努めてきた歴史があり、それなりの成果もまたあげてきました。このことは、今日の文化状況に密着し、かつそれを反映し捉えようとしてきたことを示しています。そしてこの中心的な思潮こそがポピュラーカルチャーであったわけです。本学がこうした歴史を踏まえ、今後社会的に意義のある活動を展開していくことができるとすれば、ポピュラーカルチャーそのものを問う活動を抜きには考えられません。そしてこの活動をもっともうまく担える本学の組織として表現研究機構があります。当機構は大学がその外部と接触する一場面に位置し、本学研究者と外部研究機関研究者との交流・連携・共同研究の〈場〉として機能してきました。ここに本学当研究機構が、ポピュラーカルチャーを主たる研究テーマとする研究会を設立し運営する現実的な基盤があり可能性があるのです。

企画展及びコレクション・ギャラリーのご観覧料は別途であることをご了承下さい。


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