MoMAK Films 2019 オリンピック記録映画特集 ――より速く、より高く、より強く 2020年2月15日(土) ・16日(日)
2020年夏のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催に先立ち、歴代のオリンピック記録映画を特集します。
4年ごとに世界の注目を浴びるこのスポーツの祭典ですが、その姿が初めて映画のフィルムに収まったのは、金栗四三ら日本の代表団が初参加した1912年のストックホルム大会でのことです。1930年に国際オリンピック委員会(IOC)が各大会の記録映画作りを義務づけると、以降は大会ごとに公式映画が作られ、また非公式にも優れたドキュメンタリー作品が生まれました。
オリンピック記録映画は、各競技の歴史や名アスリートたちの活躍を見る楽しみに満ちているだけではありません。それと同時に、レニ・リーフェンシュタール、市川崑、クロード・ルルーシュ、篠田正浩、イム・グォンテク、カルロス・サウラといった世界的な監督たちの活躍の場にもなり、映画芸術にとっても挑戦の機会となってきました。
MoMAK Filmsでは、国立映画アーカイブで特集上映された23作品から厳選した「これを見れば東京オリンピックが数倍楽しめる(はず?)」4作品をお届けします。
- 主催
- 京都国立近代美術館(MoMAK)
国立映画アーカイブ(NFAJ) - 特別協力
- オリンピック文化遺産財団
- 協力
- 日本オリンピック委員会
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
料金 |
1プログラム 520円(当日券のみ) ※中学生以下無料 ※心身に障がいのある方と付添者1名は無料(要証明)。 ※当日に限り、本券でコレクション展もご覧いただけます。 |
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定員 |
先着100席 入場券は1階インフォメーションにて販売します。1回目の上映開始1時間前より当日分のすべての作品の整理番号つき入場券を販売、開場します。各回入替制です。 |
会場 | 京都国立近代美術館 1階講堂 |
2.15
sat. 14:00-16:06
1936年 第11回夏季オリンピック ベルリン(ドイツ)大会
後世に多大な影響を与えた映像への賞賛と、芸術と政治をめぐる問題の提起で今日なお評価の揺れる最も有名なオリンピック映画のひとつ。『美の祭典』と併せて「オリンピア」二部作として完成された。古代ギリシア精神の継承をイメージ化した長いプロローグに始まる本作は、開会式と、十種競技以外の陸上競技種目を中心に構成されている。二部作でヴェネツィア国際映画祭作品賞を受賞し、日本では1940年に公開された。撮影はハンス・エアトルほか50名近くが関わっている。
監督 | レニ・リーフェンシュタール |
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音楽 | ヘルベルト・ヴィント |
登場する主なアスリート | ジェシー・オーウェンス(男子100走、走幅跳び、4×100リレー)、孫基禎、アーネスト・ハーパー、南昇竜(マラソン)、田島直人、原田正夫、大島鎌吉(三段跳び)、西田修平、大江季雄(棒高跳び)、イルマリ・サルミネン、村社講平(10000走)、吉岡隆徳、鈴木聞多(男子100走)、ラルフ・メトカフ(男子100走、4×100リレー)、ルッツ・ロング(走幅跳び) |
2.15
sat. 16:30-19:30
1964年 第18回夏季オリンピック 東京(日本)大会
1940年の開催中止を乗り越えてアジアで初の開催となった東京大会の記録。アスリートたちの心の裡に迫ろうとする姿勢と工夫、一場面に複数のキャメラを動員する撮影態勢など、総監督市川崑ならではの創意が全篇を貫き、完成するや「芸術か記録か」の論争を巻き起こした画期的な作品。使用されたカメラは103台、撮影フィルムの長さは約40万フィート(約74時間)、携わったスタッフは総勢556名と伝えられる。カンヌ国際映画祭で国際批評家賞を受賞した。
※途中10分間の休憩有り
総監督・脚本 | 市川崑 |
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脚本 | 白坂依志夫、谷川俊太郎、和田夏十 |
撮影 | 宮川一夫、林田重男、長野重一、中村謹司、田中正 |
美術 | 亀倉雄策 |
編集 | 江原義夫 |
録音 | 井上俊彦 |
音楽 | 黛敏郎 |
解説 | 三國一朗 |
登場する主なアスリート | ヴェラ・チャスラフスカ(女子体操)、遠藤幸雄、鶴見修治、小野喬、山下治広、早田卓次、ボリス・シャハリン(男子体操)、猪熊功、アントン・ヘーシンク、神永昭夫(柔道)、日本代表チーム、ソ連代表チーム(女子バレーボール)、三宅義信(重量挙げ)、渡辺長武、吉田義勝、上武洋次郎(レスリング)、桜井孝雄、ジョー・フレイジャー(ボクシング)、円谷幸吉(10000走、マラソン)、アベベ・ビキラ、ベイジル・ヒートリー、君原健二(マラソン)、ビリー・ミルズ、ラナトゥンゲ・カルナナンダ(10000走)、依田郁子(女子80ハードル)、ボブ・ヘイズ(男子100走) |
2.16
sun. 14:00-15:52
1968年 第10回冬季オリンピック グルノーブル(フランス)大会
競技が後景に退くのも辞さず、オリンピック開催中のグルノーブルの街をまるごと描こうとした異色作。会期中に開かれていたイベントの出演者として、シルヴィ・ヴァルタン、ジョニー・アリデイらの姿が見られ、ベジャールのバレエ公演の模様も映る。監督のひとりレシャンバックは、アメリカの風物を捉えた記録映画『アメリカの裏窓』(1960)の監督。アルペン滑降のコースを滑走しながら撮影しているのは、60年冬季大会のアルペン競技にドイツ代表として出場し、のちに007映画などのスキーシーン演出も手掛けるウィリー・ボグナー。1969年日本公開。
監督 | クロード・ルルーシュ、フランソワ・レシャンバック |
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脚本 | ピエール・ユイッテルヘーヴェン |
撮影 | ウィリー・ボグナー、ジャン・コロン、ギイ・ジル、ジャン=ポール・ジャンサン、ジャン=ピエール・ジャンサン、ピエール・ウィルマン |
編集 | クロード・バロワ |
録音 | ジャン=ルイ・デュカルム、クロード・ジョヴェール |
音楽 | フランシス・レイ |
登場する主なアスリート | ジャン=クロード・キリー(男子アルペン)、ペギー・フレミング(フィギュア女子シングル) |
2.16
sun. 16:10-17:27
1976年 第12回冬季オリンピック インスブルック(オーストリア)大会
俳優J・コバーンが案内役として登場し、ボブスレーやバイアスロンを体験しながら冬季競技の魅力を伝え、プログレバンド「イエス」のリック・ウェイクマンによる電子音楽が、流線型のウェアが本格化した大会にふさわしい未来的なタッチを付け加える。監督は『バーニング』(1981)のトニー・メイラム。フィギュア金メダリストペアの後ろに映る女性コーチは、のちに荒川静香や浅田真央も育てるタチアナ・タラソワ。1977年日本公開。
監督・脚本 | トニー・メイラム |
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撮影 | アーサー・ウースター |
録音 | コリン・チャールズ、クライヴ・ウィンター、ピーター・デボイス |
音楽 | リック・ウェイクマン |
出演・解説 | ジェイムズ・コバーン |
登場する主なアスリート | カール・シュナーブル、アントン・インナウアー、ヨッヘン・ダンネベルク(ジャンプ90m級)、イリーナ・ロドニナ&アレクサンドル・ザイツェフ、タイ・バビロニア&ランディ・ガードナー(フィギュアペア)、フランツ・クラマー、ベルンハルト・ルッシ、フィリップ・ルー、アントン・シュタイナー(男子滑降)、ロジ・ミッターマイヤー(女子回転) |