展覧会『日本画』の前衛 1938–1949
『日本画』の前衛 1938–1949
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山岡良文《作品》1940年
「日本画」の戦前・戦後の世界にあって、これまでほとんど触れられてこなかった「前衛」活動に焦点をあてます。1938年に結成された歴程美術協会を中心に、前衛「洋画」とのかかわり、「バウハウスと日本画」といった意外なテーマなど、激動の時代にあって未知の「日本画」表現をさぐろうとした画家たちの果敢な動向を探ります。
- 会期
- 2010年9月3日(金)~10月17日(日)
※ただし、9月20日(月・祝)と10月11日(月・祝)は開館
9月21日(火)と10月12日(火)は休館 - 開館時間
- 通常の開館時間
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) - 金曜日の夜間開館日
午前9時30分~午後8時(入館は午後7時30分まで) - 休館日
- 毎週月曜日
- 主催
- 京都国立近代美術館
東京国立近代美術館 - 観覧料
当日 | 前売り | 団体(20名以上) | |
---|---|---|---|
一 般 | 850 | 700 | 600 |
大学生 | 450 | 350 | 250 |
高校生、18歳未満 | 無料 | 無料 | 無料 |
※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
※前売券の主な取り扱い
チケットぴあ(Pコード:764-294)
ローソン(Lコード:52862)
ほか主要ガイド、コンビニエンスストアなど
関連イベント
講演会
■「日本画のアヴァンギャルド 戦前から戦後へ」
講師:菊屋吉生氏(山口大学教授)
日時:9月26日(日)午後2時から3時30分まで
会場:京都国立近代美術館1F講堂
定員:100名(聴講無料、当日午前11時から受付にて整理券を配布します)
コンサート
Ipso facto「シュパンヌンク・電子と和の緊張」
日時:9月24日(金)午後6時から
会場:京都国立近代美術館1Fロビー
定員:先着150席(無料)
演目:Celebrated Air (J.S.Bach), Vocalise (Rachmaninoff),
Ave Maria (Gounod)
ほかIpso facto 実験的作品集より
演奏:Ipso facto
船田奇岑ーTheremin (テルミン)
RAKASU PROJECT. ーKeyboard, Computer
西田彩ー Computerized Guitar
+
島村聖香ー邦楽囃子・打物
岡本大祐・喜田葉大・谷澤昇希ー映像・協力(京都精華大学)
電子音楽ユニットIpso factoによるテルミン(1919年ロシアで発明された世界初の電子楽器)と電子音楽、邦楽囃子・打物のコラボレーション
[Ipso factoについて]
船田奇岑(Thereminist、絵師 出品作家・船田玉樹子息)、RAKASU PROJECT.、西田彩を中心メンバーにさまざまなインターフェイスを駆使して有機的な事象と無機的な存在を関連づける電子音楽ユニット。
ワークショップ
日時:10月9日(土)午前10時から12時まで
会場:京都国立近代美術館1F講堂及び3F展示室
内容:展示室で印象に残った作品を1点選び、参加者全員で語り合い、
展覧会についての理解を深めます。
対象:小学生と保護者の方々、定員20名。
(参加無料、ただし保護者の方は観覧券が必要、先着順。
参加希望の方は前日までに美術館にお申し込みください)
指導:山野英嗣(当館学芸課長、本展覧会企画者)、朴鈴子(当館研究補佐員)
MoMAK Films @ home
[戦前の前衛を中心とする日本映画上映]
日時:10月9日(土)・10日(日)14時~
作品:「鏡 SPIEGEL」(貴志康一監督、1933年)
「荻野茂二監督作品」ほか
会場:京都国立近代美術館1F講堂
料金:1プログラム500円
主催:京都国立近代美術館、東京国立近代美術館フィルムセンター
企画協力:冨田美香、川村健一郎(立命館大学映像学部准教授)
「『日本画』の前衛 1938-1949」展について
平成22年度特別展として、「『日本画』の前衛 1938-1949」展が開催の運びとなりました。この展覧会は当館終了ののち、下記のとおり、年が明けて東京国立近代美術館と広島県立美術館にも巡回いたします。
京都国立近代美術館:2010年9月3日(金)-10月17日(日)
東京国立近代美術館:2011年1月8日(土)-2月13日(日)
広島県立美術館 :2011年2月22日(火)-3月27日(日)
・展覧会開催への経緯
わが国の近代美術史を語る上で、もっとも興味深い動向のひとつとして、いわゆる「前衛」表現活動の誕生があげられます。その「前衛」活動については、これまでもっぱら同時代のヨーロッパ・アヴァンギャルドの影響とその受容という視点で語られてきました。しかしながら、1999年に当館で開催した「日本の前衛 Art into Life 1900-1940」展(翌年には、規模を縮小して「前衛の対話」のタイトルでベルリンのバウハウス資料館にも巡回)では、ヨーロッパからの直接的な影響や受容といった従来のとらえ方にとらわれるのではなく、わが国での「前衛」意識確立の温床となっていたに違いない20世紀初頭の明治美術における動向にも注目しながら、その自律的展開について検証しようと試みました。具体的には、展覧会の導入部に「明治美術への一視点」として、黒田清輝を中心とする「白馬会」が主催した展覧会に、当時のアール・ヌーヴォーのヨーロッパ・ポスターも多数展示されていたことや、浅井忠の工芸図案などを手がかりに、様式化、装飾化そして平面化など「抽象」表現への道さえ開く造形処理の核心が秘められていたのではないかと問いかけました。さらに「バウハウスと日本」のかかわりにも注目し、ヨーロッパ・アヴァンギャルドの一翼をになっていた造形にも、翻ってわが国の伝統表現とも一脈通じるような感性の表出が見られるのではと、具体的にヨハネス・イッテンの実践などを取り上げました。興味深いのは、近代デザインの源流として、これまでモダニズムの脈絡から語られてきたバウハウスの造形にさえ、墨筆を用いた流動的な描写や東洋絵画的な空間把握、さらには日本の伝統工芸品を模したとさえ思われるような工芸品制作が行われていたことなど、まさに「東西文化」のハイブリッド(異種混合)な造形の宝庫として、「前衛」をキー・ワードに数々の実例が浮かび上がってくるのです。そしてこの展覧会では、最終章に「未完の前衛」として、「日本画『前衛』の葛藤」と題した項目を設定し、ここで「前衛」日本画へのバウハウスの影響について、若干の実作品をもとに検証しました。今回の「『日本画』の前衛 1938-1949」展は、ほぼ10年を経て、
この「日本画『前衛』の葛藤」の章を大規模に再考する試みにほかなりません。
それではこれから、本展覧会を構成する各章について、図録や会場パネルに掲示する解説文を紹介し、この展覧会について理解を深めていただければ幸いです。
- 広報資料
- チラシ PDF(1.37MB)


- 巡回
- 東京国立近代美術館 2011年1月8日 (土) - 2月13日(日)
広島県立美術館 2011年2月22日(火) - 3月27日(日)
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