展覧会川端 実展
川端 実展
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国公立美術館連携企画展として開催きれた本展は、1958年に渡米して以来35年間、アメリカ美術界の中で異彩を放つ活動を続けてきた川端実(1911~)の作品の全貌を紹介する展覧会である。
1934年に東京美術学校油画科を卒業後、光風会会員として活動し第二次大戦前に渡欧経験も持つ川端は、終戦後、フオーヴイズムからキュビズムの影響を受けた作品を制作し、独自の抽象的画風を確立した。自然形態を基礎においた彼の表現主義的な抽象絵画は、日本国際美術展や現代日本美術展などで注目され、1951年の第1回サンパウロ・ビエンナーレ展の日本代表にも選ばれた。アメリカの抽象表現主義の活動が最後の輝きを放っていた1958年に渡米した川端は、同年開催された第2回グッゲンハイム国際展に「リズム(風)」を出品し、大胆な筆触と密度の高い画面が注目され個人彰名誉賞を受賞した。1960年にベテイ・パーソン画廊で開催された米国での最初の個展は、大きな反響を呼び、川端はアメリカ抽象表現主義の画家の一人と評価されるまでになった。
以後、川端は今日までニューヨークを舞台に活動し独自の抽象作品の制作を続けてさたが、特に1980年代中頃からの作品は色彩の鮮やかさと画面の力強さを増し、アメリカの美術界でも再び注目を集めている。本展は、35年にも及ぶアメリカでの質の高い制作活動にも関わらず、日本ではまだ十分に知られていない川端実の作品の全体像を紹介すると同時に、東西両洋の相克を超えて抽象画に新たな展開を追求してきた川端芸術の到達点を確認しようとするものであった。
- 国公私立美術館連繋企画展
- 共催
- 大原美術館
- 会期
- 4月7日~5月10日
- 入場者数
- 総数13,067人(一日平均421人)
- 出品目録
作品名 | 制作年 | 技法 |
---|---|---|
裸婦と鏡 | 1951 | 油彩、カンヴァス |
ガラス工場 | 1952 | 油彩、カンヴァス |
ガラス工場 | 1954 | 油彩、カンヴァス |
不安な歯車 | 1954 | 油彩、カンヴァス |
リズム 茶 | 1958 | 油彩、カンヴァス |
リズム | 1958 | 油彩、カンヴァス |
作品B | 1959 | 油彩、カンヴァス |
作品B | 1961 | 油彩、カンヴァス |
強烈な赤 | 1961 | 油彩、カンヴァス |
挽歌 | 1961 | 油彩、カンヴァス |
緑の軌道 | 1965 | 油彩、カンヴァス |
赤い蛇行 | 1967 | 油彩、カンヴァス |
菱形B | 1967 | 油彩、カンヴァス |
菱形 | 1967 | 油彩、カンヴァス |
赤い角度 | 1968 | アクリリック、カンヴァス |
オリーブ | 1970 | 油彩、カンヴァス |
赤の中のフォルム | 1972 | アクリリック、カンヴァス |
青の中のフォルム | 1972 | アクリリック、カンヴァス |
黒の中のフォルム | 1973 | アクリリック、カンヴァス |
緑の中のフォルム | 1973 | アクリリック、カンヴァス |
灰色の五角形 | 1973 | 油彩、カンヴァス |
オレンジ、ブルー、グレー | 1973 | アクリリック、カンヴァス |
統一体No.10 | 1974 | 油彩、カンヴァス |
灰色のフォルム | 1974 | アクリリック、カンヴァス |
紫のフォルムB | 1974 | 油彩、カンヴァス |
統一体No. | 1976 | アクリリック、カンヴァス |
統一体No. | 1976 | アクリリック、カンヴァス |
統一体No. | 1976 | アクリリック、カンヴァス |
統一体No. | 1976 | アクリリック、カンヴァス |
統一体No. | 1976 | アクリリック、カンヴァス |
統一体No. | 1977 | アクリリック、カンヴァス |
作品名 | 制作年 | 技法 |
---|---|---|
ひだNo.3 | 1978 | アクリリック、カンヴァス |
統一体A | 1980 | 油彩、カンヴァス |
長方形黒 | 1981 | アクリリック、カンヴァス |
長方形青、緑 | 1981 | アクリリック、カンヴァス |
長方形茶 | 1981 | アクリリック、カンヴァス |
長方形赤 | 1982 | アクリリック、カンヴァス |
長方形緑 | 1982 | アクリリック、カンヴァス |
長方形から A・黒 | 1983 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ黒 | 1984 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ濃紫 | 1985 | アクリリック、カンヴァス |
衣のイメージA | 1985 | アクリリック、カンヴァス |
衣のイメージB | 1985 | アクリリック、カンヴァス |
緑衣のイメージ | 1986 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ赤 | 1987 | アクリリック、カンヴァス |
黄衣のイメージ | 1987 | アクリリック、カンヴァス |
黒衣のイメージ | 1987 | アクリリック、カンヴァス |
黒い門のイメージ | 1987 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ黄 | 1987~88 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ緑 | 1989 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ赤 | 1989 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ黒 | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ青と黒 | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ緑と紅 | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ金 | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ黄と金 | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
作品A | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
作品B | 1991 | アクリリック、カンヴァス |
門のイメージ赤 | 1992 | アクリリック、カンヴァス |
スクェアからNo.3 | 1973 | 鉛筆、パステル、紙 |
七角形から | 1974 | パステル、紙 |
スクェアからNo.6 | 1975 | 鉛筆、パステル、紙 |
作品名 | 制作年 | 技法 |
---|---|---|
スクェアから No.7 | 1975 | 鉛筆、水彩、紙 |
六角形から | 1976 | 鉛筆、パステル、紙 |
名作を着る | 1989 | 水彩、コラージュ、紙 |
茶色の門 | 1989 | 水彩、パステル、紙 |
日本の線 | 1989 | パステル、紙 |
黒い門 | 1989 | 水彩、パステル、紙 |
無題No.1 | 1989 | 水彩、パステル、コラージュ、紙 |
無題No.2 | 1989 | 水彩、スプレイペイント、紙 |
無題No.3 | 1989 | 水彩、紙 |
無題No.4 | 1989 | 水彩、紙 |
三つのフォルム | 1990 | 水彩、紙 |
青いフォルム | 1990 | 水彩、紙 |
灰色のフォルム | 1990 | 水彩、紙 |
無題 | 1990 | 水彩、紙 |
フォルム A | 1990 | 水彩、スフレイペイント、紙 |
フォルム B | 1990 | 水彩、紙 |
フォルム C | 1990 | 水彩、紙 |
衣のイメージ赤 | 1990 | 水彩、紙 |
フォルムⅩ | 1991 | 水彩、コラージュ、紙 |
- 新聞雑誌関係記事
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新聞記事
読売:4月9日、4月11日(夕刊)(安黒正流)
朝日:4月11日(吉村良夫)
京都:4月18日(藤 慶之)
日経:4月21日
産経:4月20日
毎日:4月23日 - 雑誌記事
三彩:1992年4月号
芸術新潮:1992年春号
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