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展覧会現代美術の神話 -ソナベント・コレクション-ジャスパー・ジョーンズからアルゼルモ・キーファーまで

現代美術の神話 -ソナベント・コレクション-ジャスパー・ジョーンズからアルゼルモ・キーファーまで

 イリアナ・ソナベントは、現在ニューヨークに画廊を経営しているが、彼女が30年にわたって収集した現代美術のコレクションは、1950年代後半から現在に到る現代美術の歴史を知る上で貴重な存在となっている。

 ソナベントがパリに初めて画廊を開いたのは1963年のことであるが、当時、欧米間の現代美術の交流は今日ほど活発ではなく、特にヨーロッパ側に未だアメリカの現代美術を低く評価する傾向があった。そのような状況の中で、ソナベントはジャスパー・ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインらの作品展(個展)をパリで開催し、ヨーロッパのアーティストや批評家たちとの交流を積極的に促して、彼等アメリカのアーティストたちが、ヨーロッパで正当な評価を受ける上で、重要な役割を果たした。1970年代に入ると、ソナベントはニューヨークにも画廊を開き、アメリカのミニマル・アート、コンセプチュアル・アートを紹介する一方、ヨーロッパの現代美術をアメリカに紹介する仕事にも精力的であった。イタリアのアルテ・ポーヴェラの作家ヤニス・クネリス、マリオ・メルツ、ジルベルト・ゾリオら、またクリスチャン・ボルタンスキーの初期の作品、アンゼルム・キーファーなどのドイツの新表現主義の作品なども、彼女の手でいち早くアメリカに紹介された。1980年代以降も、ハイム・スタインバック、ジェフ・クーンといったネオ・ジオやシミュレーション・アートなど尖鋭的なアーティストを取りあげ、彼等の表現の場を提供しつづけている。

 本展では、1950年代後半から今日までの、各時代を網羅するソナベント・コレクションの中から、57作家の115点が選ばれて展示された。なお、この展覧会は本館のほか、東京・池袋のセゾン美術館、仙台・宮城県近代美術館、福山・ふくやま美術館で展観された。

会期
1991年1月5日(土)~2月11日(月)
入場者数
24,399人(一日平均739人)
共催
毎日新聞社
出品目録
作家名 作品名 制作年
ヴィト・アコンチ ラーニング・ピース 1970
部屋の中へジグザグに入り込み、政略上の往還を支えることができる、2ないし3体の構造 1979
ジョヴァンニ・アンセルモ 方位 1967-70
小さなねじれ 1968
ジョヴァンニ・アンセルモ 架台 1969
アルマン ジム・ダインのゴミ箱 1961
タイプライターの無限性、モンキーの無限性、そして時の無限性=ハムレット 1962
ジョン・バルデッサリ 芸術以外のすべてのものはこの絵画から一掃されている、如何なる概念もこの作品には挿入されていない 1966-68
恐怖を学び始めた者の物語 1982
デオルク・バゼリッツ うずくまる裸婦 1977
ベルント&ヒラ・ベッヒャー 給水塔によるタイポロジー 1972
給水塔によるタイポロジー 1972
アシュリー・ビカートン ガガグ 1986
メル・ボックナー 分離の原則:ラインツ・アングルズ・イン 1973
分離の原則:ニューヨーク・リーディング 1972
分離 1983
クリスチャン・ボルタンスキー 小さなナイフの製造、1970年6-9月(ケースNo.1) 1970
小さなナイフの製造、1970年6-9月(ケースNo.2) 1970
ペーター・ベンメルス 無題 1983
マルセル・プロータース フランス女性の大腿骨 1965
クリスト 梱包された雑誌 1962
手押し車 1963
ジム・ダイン 1961
もくろまれた静物 1962
ジリ・ゲオルク・ドコウピル モマ(ニューヨーク近代美術館) 1986
グッゲンハイム 1986
キャロル・ダンハム 無題 1987
ペーター・フィシュリ&ダヴィド・ヴァイス 樹根 1987
モロッコ風クッション 1987
犬用餌皿 1987
人間の内奥 1987
ダン・フレーヴィン 無題(渦巻く桃色の風の「革新者」に奉ぐ) 1966-68
ギルバート&ジョージ ブラック・チャーチ・フェース 1980
彼ら 1986
ピーター・ハリー 昨日、今日、明日 1987
白い監房と接続回路 1987
アントニウス・ヘッケルマン 1983
ニジンスキー 1984-85
ヨルク・インメンドルフ 永遠の茶色のシャツ 1983
ジャスパー・ジョーンズ 白の上の旗 1954
グレーの標的 1958
ナンバー8 1959
ドナルド・ジャッド 無題 1966
無題 1967
アンゼルム・キーファー 橄欖山 1980
ジェフ・クーン 2段に配列された掃除機:新型のフーヴァー・コンヴァーティブルと新型のシェルトン・ウェット/ドライ 1981-87
ラビット 1986
ヤニス・クネリス 無題 1983
アネット・レミュー 荒れ地 1987
バリー・ルヴァ 3つの均等な空間に分散する6つの領域、各々の領域は5つの円を内包する、その円は中心点と接点を通過する距離によって印され、それらに内接する…… 1974
ロイ・リキテンスタイン エディ・ディプティック 1962
非=具象II 1964
ジョン・マックラッケン 無題 1970
無題 1970
ピエロ・マンゾーニ 空気体 1959
マリオ・メルツ 馬の劇場 1966
君を隠すオブジェ 1968
ワックスとゴム 1968
ロバート・モリス スウィフト・ナイト・ルーラー 1963
サムシング・エルス 1963
キャビネットの内側に錠をおろしておく 1963
ナイン・ファイバーグラス・スリーヴス 1967
無題 1980
無題 1984
ブルース・ナウマン 月面に書かれたがごとき私の名前 1968
ラン・フロム・フィアー/ファン・フロム・リアー 1972
アルバート・オェーレン タオルを持つ自画像 1984
クレス・オルデンバーグ ロースト・ビーフ 1961
ジャイアント・アイスクリーム・コーン 1962
こぼれ落ちるオムレツ 1964
ジュリオ・パオリーニ 虚飾の館 1981-84
A.R.ペンク 人間V 1981
ベイルートの攻囲と占領2 1982
ミケランジェロ・ピストレット ビエンナーレ66 1966
アンヌ&パトリック・ポワリエ 碑文 1973
ロバート・ラウンシェンバーグ インテリア 1956
マジシャンII 1959
1963
ジェームス・ローゼンクイスト バルコニー 1961
マリオ・スキファーノ モダン・タイムス 1962
デ・キリコに 1962
リチャード・セラ 無題 1968
キース・ソニア ライト・スクェア 1968
ダニエル・スペーリ ヴェラの裁縫箱 1960
セザンヌの林檎 1962
ハイム・スタインバック ウルトラ・レッドNo.1 1986
ヒロシ・スギモト(杉本博司) カリブ海、ジャマイカ、1980年 1980
ヒロシ・スギモト(杉本博司) 太平洋、オレゴンI、1985年 1985
日本海、隠岐I、1987年 1987
サイ・トゥオンブリー 無題 1956
青い部屋 1957
マイヤー・ヴァイズマン 聖書台 1986
ミラー 1987
アンディ・ウォーホル フラワーズ 1962
キャンベル・スープの缶 1965
ポートレート、イリアナ・ソナベント 1973
ポートレート、イリアナ・ソナベント 1973
ウィリアム・ウェグマン 嵐の夜 1972
トム・ウェッセルマン 海景No.14 1966
テリー・ウィンタース ロウザシー、4 1983
ルーメン 1984
ロバート・ヤーバー 床に倒れた男 1985
ジルベルトト・ゾリオ 椅子 1966

新聞雑誌関係記事
新聞記事
毎日/12月6日、12月24日、1月5日、1月14日(夕)~1月22日(夕)(中村敬治ほか)作品紹介1月23日~1月26日(河本信治・永井隆則)、1月24日(夕)「在り続ける“もの”」(辻 成史)
日経/1月26日
読売/1月10日
京都/1月12日
産経/1月17日
朝日/6月6日(夕)
雑誌記事
芸術新潮 1990年5月号
BT 1990年7月号 Vol.42 No.625
美術の窓 1990年6月号
三彩 1990年6月号
アートセンター・ニュース 1990年5月号

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