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展覧会安井曽太郎展

安井曽太郎展

 本展は、京都が生んだ近代画壇の巨匠安井曽太郎の25周忌を迎える記念の年に当り、郷里京都において久方ぶりの大回顧展を開催し、安井芸術再認識の機会としようとしたものである。安井曽太郎の誠実無垢の温かい人柄については早くから定評があったが、その人柄に根ざした全くけれん味のない温かくひたむきな仕事は、いわゆる写実の本道に立って日本人の感性を尽くしたものであり、近代日本洋画の堅実で健康な大道を指示するものであったといえよう。安井芸術こそ、日本洋画の信頼すべき範例を形勢したと見るべきであろう。

 安井曽太郎は明治21年中京の木綿問屋に生まれ、当時京都洋画のすぐれた指導者であった浅井忠の門に入り、生涯を通じての友人となった梅原龍三郎とともに研鑽に励んだ。その後、2人は相前後して渡仏するが、安井はやがてアカデミー・ジュリアンの優等生として頭角をあらわし、同時にミレー、ピサロ、セザンヌらの影響を受けながら、独自の手堅い進路を開拓した。大正3年帰国後は、新生二科会の中心作家となり、洋画壇のホープとして目覚ましい活動をつづけ、昭和時代に入ると、風景に、静物に、肖像に、多くの秀作、佳品を次々と発表した。昭和10年には帝国美術院会員に挙げられ、やがて一水会の創立会員となったが、このころ以後、わが国の洋画壇に安井、梅原時代という歴史的な一時代を築いたことは印象的な事実であった。昭和27年に、梅原と並んで同時に文化勲章の栄に輝いたことも、当然の経過であった。

 今回の展覧会は、安井芸術の出発から展開・成熟の全過程を約150点の代表作によって構成した。安井芸術の本質・風格を理解する好機として、多くの鑑賞者を集めた。

会期
3月3日(土)~4月8日(日)
入場者数
総数 226,724人(1日平均899人)
共催
京都新聞社
出品目録
題名 制作年 材質 寸法(cm)
粟田口風景 1905 油彩・キャンヴァス 32×45
自画像 1906 油彩・板 31.8×21.8
村の女 1908 油彩・キャンヴァス 42×33
田舎の寺 1909 46.3×55
静物寺 滞欧作 55×46
パンと肉 1910 31.8×39.7
縫物をする女 1912-13 55×46
1911 33×40.7
春の家 48.7×59.5
裸体
女の顔 1912 35×27
裸の女 72×59
カーネーション 1912 油彩・キャンヴァス 46×55.5
黄色い甕 55.5×46
巴里の縁日 73×59
自画像 1913 45×36.7
山間の小さき町 1913 46×55.1
縫物をする若き女 74×61
黒き髪の女 80.5×116.5
孔雀の女 1914 86.5×116
水浴 126×192.7
下宿の人々 54.8×45.7
夫人の像 c.1918 26.8×22
樹蔭 1919 129.5×160.3

題名 制作年 材質 寸法(cm)
臥せる裸女 1923 油彩・キャンヴァス 45×54.5
黒き髪の女 1924 87×114
裸女 1925 81×65.2
京都郊外(柿) 1925-26 45×54
京都郊外 60.3×72.5
初夏 1927 112.2×87
画室 1926 128.8×160.5
桐の花咲く庭 1927 52.7×63.8
宇治黄檗風景 46×54.8
小菊 1928 55.8×46.7
ホテルの庭 1929-30 48.6×59.2
婦人像 1930 115.2×87.5
多賀風景 1930 66.5×81
薔薇 c.1930 46.1×38.2
女の顔 1931 40×31.8
外房風景 97×204
52.5×46
薔薇 59.5×48.8
薔薇 1932 63×52
十和田湖 63.8×79.5
奥入瀬(春) 1933 40×50
薔薇 60.5×48.5
雉子 39.5×47.5
モデル 117×90
金蓉 1934 93.4×71.2
玉虫先生像 50.5×42.5
T先生の像 1934 油彩・キャンヴァス 91×72
犬吠岬の夕 18.9×23.6
薔薇 66×50
薔薇 1935 61×46
裏盤梯の初秋 40×80
松と睡蓮 23×46
鵜原風景 97×131
松島の残雪 1936 10×30
腰かけるモデル 1935 40×27.8
秋の奥入瀬 1936 52.4×63.2
本多先生の像 92.5×74
薔薇 55×45.5
庭の雪 1937 47.5×54.5
須美徳寿廟 29.3×64.5
人形 20×17
深井英五氏像 94×77
少女像 42.5×67
実る柿 c.1937 44.3×63.5
承徳喇嘛廟 1938 60×77.5
薔薇 69.8×75.8
松原氏像 1937-38-44 40.5×25.8
福島慶子夫人像 1939 88×66
長与又郎博士像 73.2×60.3
霞沢岳 1938-39 76.5×93.5
白樺と焼岳 1939-40 60.2×75.1
薔薇 1940 52×48.5
1940 26×46

題名 制作年 材質 寸法(cm)
女と犬 1940 油彩・キャンヴァス 80×53
パラソルの女 42.7×35.3
パラソルの女 47.7×39.5
三宝柑 1941 33.2×55.5
焼岳 73×60.5
焼岳 52.3×63.3
焼岳 52.5×64
早春 1942 46.5×55
静物 1942-43 61×73.5
薔薇 1943 48.5×35.2
林檎 1943 46.5×55
柿と林檎 1944 36.5×55
宇佐美氏像 1943-45 71.7×59.5
桔梗図 1945 77.7×36
水蜜桃 39×49
1946 59×53.1
連雲の町 1944-47 59.2×48.7
藤山氏像 1945-48 82×65
徳川氏像 1948 115.3×39
小坂氏像 1947-49 65×54
九谷皿の梨 1948-49 49×60
赤絵の鉢に桃 1949 53×44.5
小宮君像 1950 65.3×54
大内氏像 53.5×45
92×73
74×62
湯河原の春 36.3×53.7
画室にて 1951 116×88.5
1952 油彩・キャンヴァス 32.6×40.4
来之宮風景 63.5×51.8
来之宮風景 46×55
腰かける裸女 73×61
立像 116×89
腰かけのポーズ 1953 91.5×71.5
柿とレモン 38.6×46
28×49.5
銀襖前の静物 60.5×48.5
大原氏像(未完) 63.5×53
49.2×60.5
風景 c.1953 46×38
赤き橋の見える風景 1954 61×72.5
櫟と楠 65×53.7
秋果図 54×73
薔薇 61×50.4
薔薇 51×33
レモンとメロン 1955 36×46
葡萄とペルシャ大皿 44.7×54
かつを 28×56
ペルシャ壺と水仙 54×45
安倍能成君像 66×46
渡辺氏像(未完) 72×59
河上氏像 71.7×59.7
秋の城山(絶筆) 38.5×46.7

デッサン・水彩
題名 制作年 材質 寸法(cm)
縫い物 1904 木炭・紙 60×48.2
縫い物 1905
狩衣の男 62.5×48.5
男子裸体倚像
掃除 1906
裸婦座像 63.5×48.0
男子裸体立像 63×48
裸婦立像 1907-10 62.5×48
裸婦立像 62.5×48
裸婦立像 62.5×48
裸婦立像 63.5×47.5
男子裸体倚像 63.3×47.8
男子裸体立像 63.1×48.6
男子裸体立像
男子裸体立像
玉虫先生 1934 鉛筆・紙 34×23.6
上高地 1936 鉛筆・淡彩・紙 35×27.5
少女像 1937 鉛筆・紙 36.2×28.7
ばら 鉛筆・淡彩・紙 27×35
静物 水彩・紙
焼岳 c.1941 鉛筆・淡彩・紙 35×27.5
読書 1942 鉛筆・紙 34.3×25.5
婦人 1943 35.8×27.5
北京 1944 パステル・紙 27×19
北京 c.1944 鉛筆・淡彩・紙 22×28.5
満州風景
荒川風景(寄居附近) 鉛筆・淡彩・紙 24.1×34.8
団欒 1948 コンテ・紙 25.5×35.9
M子氏像 c.1949 鉛筆・紙 30.8×23
大内氏像 c.1950 35.4×26.1
湯河原風景 パステル・紙 55.3×46
大原氏写生 1955
秋の城山 鉛筆・紙 25.2×35.4

新聞雑誌関係記事
京都/3月1日、3日、4日、6~8日(3回連載)
サンケイ/3月2日
朝日(夕)/3月7日(池田弘)
日経/4月13日(小野末)

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