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展覧会デ・キリコ展

デ・キリコ展

 デ・キリコは1888年、イタリア人を両親としてギリシアに生まれた。アテネの美術学校に学び、1905年にイタリアに渡って15世紀ルネサンス絵画を研究したのち、06年から09年までをミュンヒェンで過し、ベックリンやクリンガーの影響を受けて神秘的な作品を描いた。11-15年のパリ滞在でキュビスムの影響も受け、古典期を思わせる大理石像や透視画法による濃い影をもつ建物などを構成的に描き、沈黙した風景や事物の背後にかくされた不安や謎を描出した。この形而上絵画と呼ばれたデ・キリコの作風は、以後のシュルレアリスムに大きな影響を与えている。17年にカルロ・カルラとともにデ・キリコは「形而上派」の主張を掲げたが、これは未来派のダイナミスムに対する反動でもあった。

 20年代になるとルネサンス絵画の研究からテンペラ画法にひかれ、明快な色調によって肖像画、人物を配したローマ風景、風景を背景とした静物などを描き、30年代以降は古典的作風に回帰していった。

 この展覧会はデ・キリコによる自選回顧展形式をとり、油彩、水彩、版画、彫刻の各分野にわたって、デ・キリコの芸術の全貌がうかがえるように配慮されたもので、神奈川県立近代美術館に引続いて当館で開催された。

会期
昭和49年2月10日-3月24日
入場者数
総数63,719人(1日平均1,722人)
共催
毎日新聞社
出品目録
油絵
題名 制作年
母の像 1911
不安な美神たち 1925
考古学者たち 1927
部屋のなかの神殿 1927
部屋のなかの古代彫像 1932
水浴びする女たち 1934
パリのアトリエでの自画像 1935
豹の外套を着た肖像(イサベラ) 1940
アレクサンドロスの上陸 1942
植民地のマネキン人形 1943
風景のなかの果物 1943
裸の自画像 1945
ルッジェーロとアンジェリカ 1946
ヘクトールとアンドロマケー 1946
青い衣服を着た自画像 1947
黒いぶどう 1947
神秘的な岩 1948
17世紀の衣服を着た自画像 1948
森のなかの馬 1948
チューリップ 1949
ヴェネチア-リアルト橋 1949
ユーピテルへの敬意 1949
鎧兜 1951
二人の友のめぐり合い 1953

題名 制作年
古代のアッピア街道 1954
カストール 1955
ポリュデゥケース 1955
慰める人 1958
白鳥 1958
赤い手袋 1958
夢-アリアドネーと塔(帆) 1958
イタリア広場への引越し 1958
二つの仮面 1959
ボールとなめくじのある形而上的室内 1960
銀の器のある静物 1962
ディオスクーロイの頭のある形而上的室内 1962
ヒッポリュトスとその仲間 1963
陽光にむかう馬 1964
放蕩息子の帰宅 1965
ヴェネチア-サンジョルジオ島 1967
イタリア広場-大競技場 1968
神秘的な浴場(低い差し掛け屋根) 1968
トロイアの前のヘクトールとアンドロマケー 1968
ビスケットのある形而上的室内 1968
城のそばの古代の馬 1968
1960-68
谷間の家具(絨氈のある) 1968
ヘブドメーロスの出発 1968
ダビデの手 1968
神秘的な浴場の午後 1968
剣闘士の訓練 1968
ライオンへの剣闘士の戦い 1968
オレステースの孤独 1968
オデュッセウスの帰還 1968
吟遊詩人 1968
考古学者たち“過去の探索者たち” 1969
オレステースの後悔 1969
パラティノ丘の剣闘士 1969
オレステースとピュラデース 1969
リンゴ 1969
春の悲しみ 1970
アテネ 1970
疲れた吟遊詩人 1970
アリアドネーの憂鬱 1968-71
偉大な形而上学者 1971
瞑想する人 1971
神秘的な情景 1971
広場に映える太陽 1971
形而上的室内の死んだ太陽 1971
神秘的なきざしの現れ 1971
夏の午後 1972
沈黙の対話(三角形) 1973
デッサン・水彩
題名 制作年
イサの肖像 1935
煉獄のダンテ 1950
港のある形而上的室内 1967
オイディプースとスフィンクス 1968
幻のバラ 1970
太陽の車 1970
煖炉のなかの太陽 1970
城への帰還 1970
アポロとチューリップ 1970
神秘的な動物 1970
夢の思い出 1970
リビェラの眺望 1970
ファンタスティックなデッサン 1971
ヴェネチアのヘブドメーロス 1971
瞑想する人 1971
美神の秘密 1972
炎のなかの馬 1972
マンハッタンの謎 1972
すべての人と一つの不思議なオブジェ 1972
女神ミネルヴァと神秘的なオブジェ 1973
白い馬 1973
オレステース 1973

題名 制作年
1973
話する美神たち 1973
美神の朝 1973
彫刻
題名 制作年
不安な美神たち 1968
ヘクトールとアンドロマケー 1968
吟遊詩人 1968
銀の吟遊詩人 1968
考古学者たち 1968
古代の馬 1969
悲しみのミーノータウロス 1969
ヒッポリュトス 1969
美神たち 1970
巫女たち 1970
ペーネロペーとテーレマコス 1970
孤独な詩人 1970
オルペウス 1970
考古学者たち 1970
植民地のマネキン人形 1970
慰める人 1970
ヘクトールとアンドロマケー 1970
ガニュメーデースとその馬 1970
アイアース 1970
偉大な形而上学者 1970
偉大な吟遊詩人
吟遊詩人
ヘクトールとアンドロマケー
リトグラフ・エッチング
題名 制作年
貴族とブルジョワ 1969
ヘブドメーロスの帰還 1969
オレステースとピュラデース 1969
孤独な騎士 1970
考古学者たち 1970
ヘクトールとアンドロマケー 1970
東方の友 1970
イタリア広場 1970
陽光にむかう馬 1970
海辺の馬 1970
アレクサンドロス大王の馬 ビチェファロ 1970
太陽と海 1970

題名 制作年
夏の午後 1971
1971
神秘的な川 1971
太陽の神殿 1971
赤い布をつけた馬 1971
工場のある形而上的室内 1971
闘技場の剣闘士 1971
不安な美神たち 1972
アリアドネーの憂鬱 1972
神殿と廃墟と馬 1972
剣闘士 1972
父テベレ 1972

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