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教育普及・授業サポート 銅駝美術工芸高等学校 新入生美術入門研修

日時:2019年4月16日(火)午前9時20分~13時00分
会場:京都国立近代美術館
参加人数:1年生93名、引率7名


今年も銅駝美術高校の新入生たちが当館を訪れ、研修を行いました。
美術館に行った経験はあるものの、美術館の社会的な役割とは何か?中で働く人たちはどんな仕事をしているのか?美術館の建物の工夫はどこにあるか?など、「裏側」を知るということをテーマに、毎年この時期に半日間をかけて研修を実施しています。今回は、「レクチャー」「館内ツアー」「常設展鑑賞」を行った後、最後に全体で意見交換を行いました。

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レクチャー

 美術館の主な役割として「展示公開」「調査研究」「コレクション形成」「教育普及」の4つがあることを説明した後、実際に当館研究員がどのような形でこれらの業務に携わっているかを紹介しました。中でも、研究員(学芸員)だけで全ての仕事が全うできるわけではなく、デザイナーや施工業者、展示業者など館外の専門家・業者さんとも緊密に連携をすることで美術館運営が成り立っているということが、生徒たちにとって新鮮だったようです。

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館内ツアー

 作品を大切に守り、展示し、伝えるという美術館の役割を果たすうえで欠かせない設備等に着目しながら、館内を見てまわりました。この日は「京都の染織展」の撤収作業中だったこともあり、作品が展示されていない状態の仮設壁をさわって強度を体感したり、業者さんのご厚意で美術品専用トラックの中を見せていただくなど、まさに「裏側」を垣間見るツアーとなりました。

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コレクション展鑑賞

 各自でコレクション展を鑑賞して気になった作品とその理由をまとめ、グループで意見交換を行いました。最も注目を集めていた作品が、近藤弘明《霊光》(1966年)です。事前に鑑賞の方法について伝えていませんでしたが、色合いや技法など細かな部分に着目しながら鑑賞することができていました。

「じっくり見ると、まがまがしさや暗い感じが伝わってきた」
「日本画だけど、古臭くないなあという印象」
「たくさんの花が描かれているのに、どこか物寂しい雰囲気」
「全体の暗さに対して中央の花が白く繊細で、真ん中へ引き込まれる感じがした」
と、気になった部分について根拠と共にしっかり説明できていた点も素晴らしかったです。

 また「違うジャンルの作品を見比べるのが楽しかった」「見る角度によって印象が変わった」と、本やインターネットを通して作品に接するのとは異なる、美術館という空間ならではの鑑賞の面白さに気づいたという感想もあり、今後、どんな風に美術館を活用してくれるだろうかと期待が高まる研修となりました。

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