京都国立近代美術館京都国立近代美術館 京都国立近代美術館 京都国立近代美術館

MENU
Scroll

開館状況  ─  

教育普及「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム 「アフレスコで描いてみよう」 実施報告

学習支援活動

「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム
「アフレスコで描いてみよう」 実施報告


日時
2017年9月16日(土)午前10時~12時/午後2時~4時

会場
京都国立近代美術館 1階講堂、3階企画展示室

参加人数
午前の部:18名(子ども9名、大人9名)
午後の部:25名(子ども13名、大人12名)

 出品作家の絹谷幸二氏を講師にお迎えし、レンガに塗った漆喰の上から絵を描く「アフレスコ」を体験するワークショップを開催しました。当日は台風が接近する中でしたが21組の親子が参加し、鑑賞と制作を通してアフレスコに親しむ機会となりました。なお、参加者の作品は展覧会出口(3階)で10月15日(日)まで展示しています。

 プログラム前半は絹谷氏と一緒に展覧会を見て回りました。
 「画家というのは、人と同じことをやっていたら間違いだって言われるんだぞ。」「どんな絵を描いてもいいんだよ。」と、作家の語りに子どもも大人も引き込まれます。中には、「この色ってどうやって作ったの?」「この作品が出来るまでどのくらいの時間がかかるの?」と、次々と質問を投げかける子もいました。

「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム「アフレスコで描いてみよう」 「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム「アフレスコで描いてみよう」

 作品鑑賞を終えて講堂に戻ると、机の上には漆喰を塗ったレンガが置かれています。「えっ、これに描くの~?」と、期待と不安が入り混ざった表情でレンガを見つめる子どもたち。アフレスコについての説明を聞いた後は、いよいよ絵を描いていきます。

「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム「アフレスコで描いてみよう」

ポイントは、漆喰の上では色を混ぜないことと筆をやさしく滑らせること。漆喰の上に筆を乗せると色がスーッと中にしみこんでいき、画用紙やカンヴァスとはまた違った感覚を味わうことができます。

「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム「アフレスコで描いてみよう」

 お気に入りの風景や好きな食べ物などテーマは人それぞれでしたが、人物を赤や黄で表現したり、かたちの輪郭線を黒色で強調したりと、絹谷氏の作品から受けた印象が制作に少なからず影響を与えていました。
 途中、絹谷氏がテーブルを回って講評する場面も。参加者は作家の発言に誘われて他の人の作品にも目を向け、異なる家族間にもコミュニケーションが生まれていました。

「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム「アフレスコで描いてみよう」 「絹谷幸二 色彩とイメージの旅」ファミリープログラム「アフレスコで描いてみよう」

 今回のプログラムは、アフレスコの技法に親しみ、つくり手である作家の存在も身近に感じる機会となりました。作品は、色や形といった造形的な特徴だけでなく、作家や技法、文化や時代背景など、さまざまな要素をあわせもっています。参加された皆さんには、ぜひ今回の体験を振り返りながら、「どうやって作ったのだろう」「作家はどんな人かな」と色々な視点から作品について思いを巡らせてもらえればと思います。

作品展示の様子

300
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6

(当館特定研究員 松山沙樹)



このページの先頭へ