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教育普及平成29年度 授業実践力向上講座(図画工作科・美術科連携講座)
実施報告

学習支援活動

平成29年度 授業実践力向上講座(図画工作科・美術科連携講座)
 実施報告


日時
2017年11月29日(水)午後6時30分~8時

会場
京都国立近代美術館1階講堂、4階コレクション・ギャラリー

参加人数
教員27名、スタッフ11名
共催
京都市教育委員会、京都市図画工作教育研究会、京都市立中学校教育研究会美術部会
スケジュール
18:30  オリエンテーション
18:50  研修の方向づけ
19:00  鑑賞ワークショップ
19:50  まとめ
20:00  終了

 当館では平成24年度より、図工や美術の授業における鑑賞教育の充実に向けて、京都市教育委員会と京都市図画工作教育研究会(図工研)との共催による「図画工作科指導講座」を続けてきました。6年目となる今年度はこれまでの内容を見直し、校種間の連携を進めるという流れを受けて、小学校教員向けの講座から、幼稚園、中学校、総合支援学校の先生方まで対象を広げて開催しました。

 当日は小学校と中学校の先生27名が参加されました。はじめに教育普及担当が、美術館を活用した授業の具体的な事例について紹介した後、閉館後の展示室に移動し、ワークショップ形式で図工や美術の授業における鑑賞教育について具体的に学びました。

平成29年度 授業実践力向上講座

鑑賞ワークショップ

 グループに分かれて、「テーマ別鑑賞」と「対話による鑑賞」の2種類の鑑賞を実践しました。「テーマ別鑑賞」では、”おくりもの”、”今日の気分”など、何らかのテーマに合うと感じた作品を各自が探し、互いに発表します。同じ言葉からも色々なイメージが広がることを知り、子どもたちが作品を見た時に感じることもひとりひとり違うということを、改めて確認していきます。

平成29年度 授業実践力向上講座

 そのことを踏まえて、次は「対話による鑑賞」を行いました。ここではファシリテーター(研究会所属の教員)を中心に、意見交換をしながら一作品を鑑賞します。作品の特徴に応じて、また対象学年によって鑑賞の切り口を工夫することなど、具体的な指導のポイントもあわせて確認していきます。奈良の風景を描いた作品の前では、絵の中に人物がいるとすればどんなポーズをしているか、クイズ形式で考える活動で盛り上がっていました。閉館後の実施ということもあってか、どのグループも会場を広々使い、作品と丁寧に向き合っているように感じました。

平成29年度 授業実践力向上講座 平成29年度 授業実践力向上講座

講座を振り返って

 今回の研修は例年に比べて短時間ではありましたが、参加された先生方は、作品鑑賞のポイントやそこでの教員の役割について真剣に学ばれていました。また、学校とは違う非日常的な空間でゆったり過ごすことで、美術館を活用した学びについて具体的に考え始めるきっかけにもなったのではないでしょうか。
 近年、さまざまな理由から美術館への来館が難しいという声もよく聞かれますが、学校と美術館との連携は、アイデア次第でさまざまなかたちでの実施が可能です。今後も引き続き先生方との連携を大切にしながら、美術館ならではの資源を柔軟に生かした取り組みを進めていきたいと思います。

(当館特定研究員 松山沙樹)

 京都国立近代美術館での鑑賞の指導講座は今年で6回目となりました。ご協力をいただいて、鑑賞教育についての実践的な指導力の向上を目指し、今年も本講座を開催することができました。
 今年は、幼稚園、総合支援学校、小学校、中学校の先生方を対象に講座を計画しました。各校園での校種間連携を進めていく中で、それぞれの視点での鑑賞を行い、交流をもつことで理解を深め、幼児・児童・生徒の鑑賞活動をよりよいものにしていくことが目的です。
 今年も、テーマを決めて鑑賞する「テーマ別鑑賞」と、対話をしながら作品から感じたことを話し合う「対話による鑑賞」の2つの鑑賞の仕方を参加者の方に体験していただきました。アンケートには「実際の美術館の作品を鑑賞することができ、子どもたちにも今日のようにゆっくりと作品と出会い、鑑賞させたいと思った。」「楽しく鑑賞でき、生徒にも美術館で鑑賞させたいと思った。」「今日感じた気持ちや見方、楽しさを子どもと一緒に感じられる授業を目指したい。」「同じグループの先生の意見を聞き、感じ方や作品の見方の面白さに改めて気付くことができた。」など、たくさんの感想や意見が書かれていました。
 子ども達には、鑑賞活動を通して周りの人と温かいコミュニケーションをとりながら、作品のよさや美しさを感じ取る心豊かな時間をたくさん経験してほしいと思います。また可能である学校は、ぜひ美術館での鑑賞に取り組んでいただきたいですし、日頃の鑑賞活動にも、本講座での学びが活かされることを願っております。
 貴重な機会を設けていただき、講座内容についてもたくさんのアドバイスをいただきました京都国立近代美術館様のご協力に感謝し、心より御礼申し上げます。

(京都市総合教育センター指導主事 久米昌代)



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