教育普及北大路魯山人の美 和食の天才展 ワークショップ
「うつわは料理のきもの まないた皿に挑戦」 実施報告
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北大路魯山人の美 和食の天才展 ワークショップ
「うつわは料理のきもの まないた皿に挑戦」 実施報告
- 日時
- 2015年8月9日(日)午後1時~4時
- 会場
- 京都国立近代美術館1階講堂
- 参加人数
- 15名
- 講師
-
宍倉慈(フードケータリング「VOLVER」主宰)
山極千真沙(陶芸家、APP ARTS STUDIO)
北大路魯山人の作品の中でも存在感を放つ俎板(まないた)皿にちなみ、盛り付ける料理をイメージしながら、オリジナルの俎板皿を制作するワークショップを行いました。
はじめに、宍倉慈さんによる、料理の盛り付けデモンストレーションをご覧いただきました。盛り付けながら、お皿を額縁に見立てて、どんな絵を描いていこうか考えていることや、素材本来の色や形を生かしながら、時には立体的に、時には何かに見立てて盛り付けることなどをお話いただきました。宍倉さんのお話から、”器は料理の着物”として、食器と料理の関係を重視した魯山人の精神が現代にも息づいているように思えました。
続いて、山極千真沙さんが魯山人とまないた皿のエピソードを紹介し、今回の制作手順を説明しました。今回のワークショップのために、魯山人になじみのある信楽の土と織部の釉薬のほか、魯山人が器を作る際に用いていた、石も準備していただきました。
その後、各自が制作に移りました。大まかな形状を決めた後に、思い思いの模様を付けていきます。鉛筆、石、木片、紙コップで模様を描く人もいれば、指を使ってランダムに凹凸をつけていく人もおり、個性豊かな作品が仕上がっていきました。時間が経つにつれ、互いの作品を見ながら言葉を交わすなど、会場全体が和気あいあいとした雰囲気に包まれていったことも印象的でした。参加者の年齢層は10代から60代までと幅広く、ワークショップを通じて世代間の交流も活発になったようです。
最後に、作品のこだわりや盛り付けたい料理について発表しあいました。制作の前に盛り付けのデモンストレーションを見たことで、参加者の多くが、盛り付けたい料理のイメージや、お皿を使う具体的な場面を想像しながら制作を進めることができたようです。料理に合う器を作った魯山人の精神を追体験できる、良い機会になったと思います。
参加者のみなさんが成形したまないた皿は、釉薬をかけて焼成した後、参加者の元にお届けしました。ワークショップを振り返りながら、ご家庭でオリジナルのまないた皿に様々な盛り付けを楽しんでいただければ幸いです。
(当館特定研究員 松山沙樹)
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