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コレクション展平成29年度 第2回コレクション展 (計130点)

コレクション・ギャラリー

平成29年度 第2回コレクション展 (計130点)

会期

2017(平成29)年6月14日(水)~8月6日(日)

概説

 今年度二回目となるコレクション展は、3階企画展会場で開催中の「技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸」展に関連する展示やマルセル・デュシャンのレディメイド作品《泉》誕生100年を記念するキュレトリアル・スタディズなど、多彩なテーマで作品をご紹介しています。

 コレクション・ギャラリー入口横のコーナーでは、明治39(1906)年創業のヴァン クリーフ&アーペルが大きく注目されるようになった、大正14(1925)年にパリで開催された装飾芸術国際博覧会(通称アール・デコ展)の時代に広告デザイナーとして一世を風靡し、日本を含む同時代の多くのグラフィック・デザイナーたちに大きな影響を与えたカッサンドルのポスターを展示しています。また特集展示として、19世紀半ばから20世紀前半にいたるフランス近代絵画の流れを、印象派からポスト印象派、ナビ派、フォーヴ(野獣派)そしてエコール・ド・パリという主要な動向に沿ってご紹介しています。ハイジュエリーが華開いた時代の芸術と社会の空気を、両展示を通してお楽しみください。

アンリ・マティス、鏡の中の青いドレス)、1937年
アンリ・マティス《鏡の中の青いドレス》1937年

 続く日本画のセクションでは「夏の日本画」と題して、玉村方久斗、福田平八郎、三谷十糸子といった作家を中心に、紅蜀葵やダリアといった夏の草花、鮎や鯉など魚たちや水辺の風景、湯浴み後涼をとる女性たちなど、夏の風物にまつわる主題の作品をご紹介しています。特に昭和5(1930)年にローマで開催された日本美術展の出品作である横山大観《飛泉》は、平成27(2015)年度の当館収蔵作品ですが、その時点で額装されていた本作品を本来の軸装へと修復した後、初めてのお披露目となります。勢いよく流れ落ちる水の勢いを、深みのある墨の濃淡でダイナミックに描いた本作品にご注目ください。

横山大観、飛泉、        1929年
横山大観《飛泉》1929年

 工芸のセクションでは、3階企画展「技を極める」に関連し、「人間国宝の工芸」と題した展示を行っています。企画展では、ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリーと同時に明治時代の工芸作品が展示されていますが、当時それらを製作した名工たちの多くは、「帝室技芸員」としてその「わざ」を顕彰されました。戦後それは、「わざ」という重要な無形文化財を保持する人々、つまり「人間国宝」としての顕彰制度に引き継がれています。本展示では、陶芸・漆工・金工・染色といった様々な分野の「人間国宝」たちの「わざ」を選りすぐりの所蔵作品によってご覧いただきます。河井寛次郎のコーナーでは、大正時代を中心とした初期の作品を採り上げています。「民藝運動」に深く関わり独自の作風を作り上げる以前の華やかな作品からは、寛次郎が、中国・朝鮮の古陶磁さらには新しい科学的技法を熱心に研究した様子が見て取れます。

富本憲吉、色絵飾筥、1941年
富本憲吉《色絵飾筥》1941年

 洋画のセクションでは、今年没後20年を迎える麻田浩の作品を特集しています。日本画家麻田辨自を父に、同じく日本画家の麻田鷹司を兄として、昭和6(1931)年に京都に生まれた麻田浩は、同志社大学経済学部を経て画家を志し、造形詩とも呼ぶべき静謐な心象風景を描いた作品で高い評価を得ました。当館では、没後10年に麻田浩の回顧展を開催しましたが、すでにそれから10年が経過した今、本展示が、改めて彼の画業をふり返る機会となれば幸いです。

 今年度第1回コレクション展に引き続き、今回も「キュレトリアル・スタディズ12:泉/Fountain 1917-2017」を行っています。今回は「Case 2: He CHOSE it. Curated by 藤本由紀夫」と題し、ゲスト・キュレーターに美術家の藤本由紀夫氏を迎え、「便器」を「泉」と称するマルセル・デュシャンの「虚」と「実」について、「鏡」をキーワードに考えます。

主なテーマ

展示作品


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