コレクション展平成28年度 第2回コレクション展(計120点)
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平成28年度 第2回コレクション展(計120点)
会期
2016(平成28)年6月1日(水)~ 7月24日(日)
概説
今年度第2回目のコレクション展では、コレクション・ギャラリーで同時開催中の「キューバの映画ポスター展」、そして3階企画展会場で開催している「ポール・スミス展」に関連した展示を行っているほか、いくつかのテーマに基づいて作品を紹介しています。
今年は、芸術をめぐる既成の秩序や常識を転覆させ、その意味を問い直すことを骨子とした芸術思想・運動であるダダイズム(通称ダダ)が、ダダ宣言を出してその活動を公に開始してから100年にあたります。運動の当初の拠点はチューリヒでしたが、同様の活動はヨーロッパの他都市でもほぼ同時多発的に展開し、後の芸術(作品)の在り方に多大な影響を与えました。コレクション・ギャラリー入口すぐのエリアでは、このダダ100周年を記念し、ケルンにおけるダダ運動を牽引し、のちにシュールレアリスムの旗手となったマックス・エルンストの油彩画と版画、そして挿絵本を紹介しています。
日本画のセクションでは、梅雨時期から盛夏にかけての風物を描いた作品が勢揃いしています。中でも、昨年度の新収蔵作品である福田平八郎《緋鯉》は、今回のコレクション展が初めてのお披露目になります。第11回帝展に出品された大作ですが、鯉のほんのり光る鱗のみならず、雨粒や雨滴の繊細な描写にご注目下さい。また、祇園祭の情景を描いた北沢映月の屏風も、当館では久しぶりの展示になります。
- 福田平八郎 《緋鯉》 1930年
- 都築響一《着倒れ方丈記 アニエス べー》
2001/2009年
3階企画展会場で開催している「ポール・スミス展」に関連する展示として、都築響一《Happy Victims/着倒れ方丈記》から26点を選んで紹介しています。持ち主の部屋一面に拡げられた服やアクセサリーの写真と彼/彼女に関する詳細なテキストは、ひとつのファッション・ブランドへの耽溺がどのような生態や欲望に基づいているかを浮かび上がらせます。また、ファッションの発信者(ポール・スミスのような)と受容者の間には隠れた共犯関係が存在する事までも示唆してくれます。その意味において、まさに彼らはファッションの「Happy Victim(幸福なる罹病者)」なのです
コレクション・ギャラリーで同時開催している「キューバの映画ポスター展」に関連しては、「特集:ラテンアメリカへの旅」と題して、ラテンアメリカの作家の陶芸・テキスタイル作品や、当地の風景や人々を主題にした写真そして絵画作品を展示しています。キューバの映画ポスターにも見られるように、素朴なテクスチャーと明暗のコントラストが、これら作品群に共通する特徴であり魅力です。
- ノラ・コレア《アメリカⅠ, Ⅱ, Ⅲ》
1976-77年
- 藤島武二《花籠》1913年
今年没後50年となる河井寬次郎ですが、今回は「花」をテーマに作品を選んでご紹介しています。形や模様、作品の中で様々に変化する寬次郎の「花」をお楽しみ下さい。
最後に、「絵の中の女性たち」と題して、明治から昭和にかけての日本の近代洋画に描かれた女性像を紹介しています。各作品における、表現方法の違いや独自の工夫などに注目してご覧下さい。
主なテーマ
- マックス・エルンストの絵画と版画
- 夏の日本画
- Happy Victims / 着倒れ方丈記
- 特集: ラテンアメリカへの旅
- 河井寬次郎の「花」
- 絵の中の女性たち
- 常設屋外彫刻
展示作品
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