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コレクション展コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第5回展示 (計135点)

コレクション・ギャラリー

コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第5回展示 (計135点)

期間
2012年10月31日(水)~ 12月24日(月)

概説

 本年度第5回目となるコレクション・ギャラリー展では、同時期に同じフロアで開催される「日本の映画ポスター芸術」展と3F企画展会場で開催される「山口華楊」展に関連する、数多くの作品を紹介しています。
 まず【日本画】のコーナーでは、山口華楊にゆかりの人々の作品を展示しました。華楊の師である西村五雲だけではなく、その先達である森寛斎や岸竹堂そして竹内栖鳳らが手がけた「動物画」を通して、円山・四条派の写生の伝統がどのように近代に受け継がれたかをご覧下さい。また、大正時代に華楊と同じく五雲の画塾「晨鳥社」の塾生であった猪田青以や麻田辨自、猪原大華らは、伝統を受け継ぎつつも抽象表現を採り入れるなど、新たな日本画の地平を模索しました。その幅広い創作活動は、五雲没後に華楊が引き継いだ晨鳥社の、とりわけ戦後の会員たちの多様な表現形態にも見てとることができます。
 【版画】のコーナーでは、横尾忠則のポスターを特集しています。「日本の映画ポスター芸術」展で、1960・70年代の映画ポスターの世界を牽引した新たな世代のひとりとして紹介されている横尾ですが、よく知られているように、数多くの舞台作品や展覧会のポスターも手がけています。ときに浮世絵などのよく知られた過去の作品を引用しつつ、それをデフォルメし蛍光色を巧みに配色するなど、独特の鮮烈な印象を与える横尾ポスターの魅力を存分にご堪能下さい。
 続く【工芸】のコーナーでは、晩秋から初冬さらには新春にかけての季節を表現する陶磁・漆芸・染織作品を展示しています。富本憲吉については、その優品だけではなく、彼の陶磁器の製作工程を記した巻子も併せて紹介しています。また親子で人間国宝の認定を受けた森口華弘・邦彦の着物にもご注目下さい。「山口華楊」展との関連では、華楊が絵付けを行い、河合卯之助が製作した作品と併せて、洋画家・浅井忠が絵付けを施した作品も紹介しています。【河井寬次郎】コーナーでも、自作を描いた墨絵作品2点など若干の展示換えを行いました。
 【洋画】のコーナーは「山口華楊」展にちなみ、「絵の中の動物たち」と題して、画面に動物や鳥が描かれた作品を特集しました。ひとくちに動物・鳥といっても、内容としては、動物・鳥の形態や動きが主題になったものや、神話の主人公となっているもの、または「犬=恭順」というように伝統的な図像学的意味が付与されているものなどがあります。そしてその表現形式も、写実的であるものから、具象的だけれどもデフォルメされているもの、そして抽象的表現までさまざまです。華楊展や【日本画】コーナーで紹介されている作品と併せてご覧いただくことで、両者における動物表現の相違について考える機会となれば幸いです。
 【戦後美術】のコーナーでは、当館が所蔵する猪熊弦一郎と、先だって急逝し宇佐美圭司の作品を特集しました。猪熊は、ハッキングを集中的に描いた抽象的絵画で知られていますが、絵本や陶板などの媒体を用いても積極的に仕事をしました。「日本の映画ポスター芸術」展では、彼がデザインしたポスター《生きる》が紹介されています。宇佐美は、華楊同様に京都市立芸術大学で後進の指導にあたりました。その作品では、具象的な人物像と幾何学的背景が組み合わされ、人間の基本動作の躍動感とその空間性そして(ときには永遠とも思える)時間性が表されています。

CGフロアマップ
主なテーマ
【日本画】山口華楊展にちなんで
【版 画】横尾忠則のポスター
【洋画1】絵の中の動物たち
【工芸1】近現代の陶芸・漆工・染織
【工芸2】河井寬次郎
【洋画2】戦後美術
      ― 猪熊弦一郎と宇佐美圭司
【彫 刻】屋外彫刻
展示作品
コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第5回展示 展示目録

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