コレクション展コレクション・ギャラリー 2011(平成23)年度 第3回展示 (計179点)
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コレクション・ギャラリー 2011(平成23)年度 第3回展示 (計179点)
- 期間
- 2011年9月14日(水)~ 11月6日(日)
概説
2011(平成23)年度第3回となる今回のコレクション・ギャラリーでは、主に3Fの企画展会場で開催中の「[織]を極める 人間国宝 北村武資展」に関連する作品群を集めました。
まずは、北村武資展関連展示として「特集:伝統工芸」と題した展示を行っています。所蔵作品から、脈々と伝えられてきた伝統的な技術に立脚しつつも、新たな表現形式を模索し、主に日本伝統工芸展で活躍した、または現在活躍している作家たちの作品を選びました。その作家たちの多くも人間国宝です。通常工芸を展示しているスペースに加えて、4F中央部のスカイライトのある部屋も使うことで、いつもは数点しか展示することの出来ない着物作品を数多く展示しています。そこからは、京都の地が育んできた様々な染織技術もご覧いただけることでしょう。
さらにスカイライトのある部屋の前には、6~9世紀のコプト織を展示しています。コプト織は3世紀から9世紀頃にかけて、エジプトのキリスト教徒たちが手がけた綴織を指し、特に1950年代から60年代にかけて、染織産業の参考資料として数多くの遺品が日本にもたらされました。当館でも1965(昭和40)年に「世界の染織<1>-エジプトとペルシャ」展を開催しており、今回展示されている作品は、その展覧会を機に、所蔵者であった画家梅原龍三郎から当館に寄贈されたものです。また、同じく織作品として、礒邉晴美のタペストリーを4点ご紹介しています。スウェーデン王立美術工芸大学でテキスタイルを学び、長らくイギリスで活躍した後、川島織物での仕事を経て川島テキスタイルスクールで講師を務めた礒邉は、ヨーロッパの伝統的な織技術を基礎に、自然をテーマにした雄大な作品をつくり続けました。今回の関連展示では、このように、所蔵品を通して古今東西の織作品をご覧いただけます。
日本画は、今年生誕140年没後80年を迎える都路華香の作品を特集しています。竹内栖鳳、山元春挙、菊池芳文と並んで幸野楳嶺門下の四天王と呼ばれた都路華香ですが、没後初の大回顧展が当館の特別展として開催されたのは2006(平成18)年のことでした。その後、展覧会を機に数多くの華香作品を収蔵することができ、今回はそのお披露目を兼ねてもいます。四条派の伝統的描法に則りつつも、ときに前衛的なまでに大胆な構図を持ち、ユーモアを感じさせる、初期から晩年にいたる華香作品の様々をご堪能いただけることでしょう。また、神坂雪佳の弟で国画創作協会にも参加していた神坂松濤の秋にちなむ作品を、下絵と本画併せて展示しています。
洋画は今回、静物画を特集しました。静物画と一口にいっても、描かれているのは花や果物、野菜、魚から、道具類まで様々です。が、静物画によく描かれるものとして「布」があります。「布」は、机の上に敷かれたり、背景に描かれることで、個々の独立した事物を画面上でまとめ上げる働きをしています。時代による静物表現の変化と共に、どのような「布」が個々の作品でどのような働きをしているか、という点に是非注目してご覧下さい。
写真のコーナーでは、今回はW・ユージン・スミスの作品から「助産婦」と「スペインの村」のシリーズを展示しています。西洋美術では、所蔵作品からマティスとピカソの作品をまとめてご紹介しました。中でも、マティスによる挿絵本《ステファヌ・マラルメ詩集》とピカソによる《オヴィディウス作『変身譚』》は、久しぶりの展示となります。とりわけマティスは、後に名作《JAZZ》を生み出すほどに、画とテキストを融合させる挿絵本という分野で様々な試みを行っています。
河井寬次郎作品は、前回のコレクション・ギャラリーからの展示に加え、浜田庄司の大鉢を同じコーナーに展示しました。
- 主なテーマ
- 礒邉晴美のテキスタイル
- 日本画「秋の作品」
- 生誕140年没後80年・都路華香特集
- W.ユージン・スミスの写真
- 北村武資展関連展示 特集・伝統工芸 1
- 静物画の世界
- 河井寬次郎
- ピカソとマティス
- コプトの染織作品
- 北村武資展関連展示 特集・伝統工芸 2
- 屋外彫刻
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