MoMAK Films

NFAJ 所蔵作品選集 MoMAK Films 2019
 映画美術を見る1:木村威夫 11月23日(土・祝) ・24日(日)

 映画美術とは、人の情念を表現する仕事である――木村威夫

 MoMAK Filmsでは展覧会との関連企画として美術に焦点をあてた特集をたびたび行ってきましたが、この度「映画美術」シリーズを開始します。
 セット、装飾、小道具、衣装など、スクリーンに映る身体以外のすべてをデザインし、映画的空間の構築を通して、作品独自の世界観やキャラクターを創造する映画美術。その豊饒な世界を見る第1回は、木村威夫(1918ー2010)を紹介します。京都造形芸術大学でも後進を育成した映画美術監督・木村威夫の、考証に裏付けられた大胆な発想力と、リアリズムと幻想の境界を自由に飛び越える柔軟性に富んだ魅惑の世界をご堪能ください。

会場情報と料金については、こちら
11月23日(土・祝)14:00-16:25
『ツィゴイネルワイゼン』 1980年(シネマ・プラセット)
(144分・35mm・カラー・英語字幕付)
ツィゴイネルワイゼン (c)1980/写真提供:リトルモア
©1980/写真提供:リトルモア
 サラサーテ自演のレコードに収められた声から説き起こされる生者と死者が逆転する怪異譚。鈴木清順を中心にした脚本家集団・具流八郎の一員だった田中陽造が内田百閧フいくつかの短篇を基にシナリオ化。鎌倉を舞台に、日常に潜む静かな恐怖を描いた本作は、国内外で受賞して興行的にも成功を収め、鈴木清順の評価を決定的にした。木村は『けんかえれじい』(1966)以来14年ぶりの清順作品参加で、美と幻想の魅惑に満ちた世界を作り上げた。
監督 鈴木清順
脚本 田中陽造
撮影 永塚一栄
美術 木村威夫、多田佳人
音楽 河内紀
出演 原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代、真喜志きさ子、麿赤児、樹木希林、山谷初男、相倉久人、玉川伊佐男
11月23日(土・祝)17:00-18:53
『Kい潮』 1954年(日活)
(113分・35mm・白黒)
Kい潮 (c)日活
©日活
 木村の日活移籍第一作。1949年に発生した下山事件の報道現場を描いた同名小説を原作に、憶測記事に煽られる世間の風潮に抗い、客観的な報道姿勢を貫こうとする社会部記者速水(山村)の苦闘を描く。有楽町にあった毎日新聞社を克明に取材してリアルな編集部のセットを組んだ。松竹から移籍して本作で助監督を務めた鈴木清太郎(清順)に木村は初めて出会い、強い印象を受けたという。
監督・出演 山村聰
原作 井上
脚本 菊島隆三
撮影 横山実
美術 木村威夫
音楽 塚原晢夫
出演 津島惠子、左幸子、滝沢修、東野英治郎、河野秋武、信欣三、安部徹、進藤英太郎、四方正夫、中原啓七、近藤宏、夏川静江、沢村貞子、石山健二郎、千田是也、山杉作、小川虎之助、御橋公、中村伸郎
11月24日(日)14:00-15:21
『夢みるように眠りたい』 1986年(映像探偵社)
(81分・35mm・白黒)
夢みるように眠りたい 映像探偵社
 私立探偵魚塚(佐野)に持ち込まれた誘拐事件の捜索依頼。調べを進めるうちに、それが『永遠の謎』という未完の無声時代劇映画に絡んでいることが明らかになってゆく・・・。
 友人に連れられてお正月に木村宅を訪れて映画化を相談したというエピソード自体がもはや映画的な〈神話〉となった林海象監督のデビュー作。撮影初日、本篇に登場する『永遠の謎』の撮影場所に困った時、経験豊かな木村がすぐに竹藪を探すように提案し、事なきを得たという。
監督・脚本 林海象
撮影 長田勇市
美術 木村威夫
音楽・出演 あがた森魚
出演 佐野史郎、佳村萠、大竹浩二、遠藤賢司、松田春翠、吉田義夫、深水藤子
11月24日(日)15:30-
林海象監督によるアフタートーク
映画監督の林海象氏に、木村威夫が手がけた映画美術の仕事についてお話を伺います。フィルム修復プロジェクトによって今年9月に完成した『夢みるように眠りたい』デジタルリマスター版の一部もご覧いただけます。
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