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女性監督 田中絹代特集
11月5日(土)・6日(日)
現代は日本で女性映画監督が数多く活躍しているが、歴史を振り返ると、戦前・戦中には文化映画で活躍した坂根田鶴子(1909-1975)が、そして戦後では1953年から1962年の間に6本の劇映画を監督した田中絹代(1910-1977)がもっとも有名である。本プログラムでは、女の視点から男女の愛と性を描いた田中絹代の4作品を振り返り、日本映画史の読み直しをはかりたい。
会場情報と料金については、こちら
- 11月5日(土)14:00-15:42
- 『月は上りぬ』 1955年(日活)
(102分・35mm・白黒) -
監督第2作。戦争中に東京から奈良へ疎開してきた父(笠)と3姉妹(山根、杉、北原)の家族を主人公に、3姉妹の恋愛模様が繊細な心理描写によって丁寧に描かれる。
東大寺、奈良公園、若草山など、奈良の美しい風景も楽しみのひとつ。 小津的なローポジションのショットが散見されるのも興味深い。
監督・出演 | 田中絹代 | 脚本 | 小津安二郎、齋藤良輔 |
---|---|
撮影 | 峰重義 |
美術 | 木村威夫 |
音楽 | 齋藤髙順 |
出演 | 笠智衆、佐野周二、山根壽子、杉葉子、北原三枝、三島耕、安井昌二、 増田順二、小田切みき、汐見洋 |
- 11月5日(土)15:55-17:45
- 『乳房よ永遠なれ』 1955年(日活)
(110分・35mm・白黒) - 監督第3作。乳がんのため若くして世を去った薄幸の歌人・中城ふみ子の生涯を、田中澄江が脚色。松竹から移籍した月丘夢路がヒロインを演じ、乳がんで乳房を失った女性の苦悩や欲望が、女性による脚本と演出によって大胆に描かれる。
監督・出演 | 田中絹代 |
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原作 | 若月彰、中城ふみ子 |
脚本 | 田中澄江 |
撮影 | 藤岡粂信 |
美術 | 中村公彦 |
音楽 | 齋藤髙順 |
出演 | 月丘夢路、葉山良二、織本順吉、川崎弘子、大坂志郎、安部徹、森雅之、杉葉子、北原文枝、木室郁子、坪内美詠子、飯田蝶子、左卜全 |
- 11月6日(日)14:00-15:42
- 『流転の王妃』 1960年(大映東京)
(102分・35mm・カラー) - 監督第4作。満州国皇帝溥儀の弟溥傑に嫁いだ愛新覚羅浩の波乱に富んだ自伝を、和田夏十が脚色し、ヒロイン(役名は呼倫覚羅竜子)には京マチ子が扮している。 歴史の荒波に翻弄されながらも、夫や子どもとのきずなを胸に、たくましく生きる女の姿が描かれる。
監督 | 田中絹代 |
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原作 | 愛新覚羅浩 |
脚本 | 和田夏十 |
撮影 | 渡辺公夫 |
美術 | 間野重雄 |
音楽 | 木下忠司 |
出演 | 京マチ子、船越英二、金田一敦子、東山千栄子、沢村貞子 |
- 11月6日(日)15:55-17:27
- 『女ばかりの夜』 1961年(東京映画)
(92分・35mm・白黒) - 田中絹代の5作目の監督作品で、元売春婦たちが社会的な自立を目指して更生を試みるが、彼女らに対する偏見に満ちた社会の現実に直面する…。「彼女たちの中にある人間らしさ、純真なもの」を描き出そうとした」(キネマ旬報287号)田中は、実際に更生施設で女性達に取材して撮影に臨んだ。
監督 | 田中絹代 |
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原作 | 梁雅子 |
脚本 | 田中澄江 |
撮影 | 中井朝一 |
美術 | 小島基司 |
音楽 | 林光 |
出演 | 原知佐子、北あけみ、浪花千栄子、千石規子、淡島千景、沢村貞子、 富永美沙子、田上和枝、香川京子 |
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