MoMAK Films

NFC所蔵作品選集
 MoMAK Films @ home: 日本の映画ポスター芸術展特集3
 [ATGと日本映画] 2012年11月3日(土・祝)・4日(日)

 近年再評価が著しい吉田喜重の代表作2本を軸に、日本アート・シアター・ギルド(ATG)配給による日本映画を特集する。ATG作品の鮮烈かつ大胆なポスターデザインを支えた檜垣紀六の『エロス+虐殺』、『煉獄エロイカ』、同じく小笠原正勝の『絞殺』に加え、漫画家・花輪和一がポスターを手がけた『田園に死す』を上映する。

会場情報と料金については、こちら
11月3日(土・祝)14:00-16:44 『エロス+虐殺』 1970年 (現代映画社)
164分・35mm・白黒
 大正時代、アナーキスト大杉栄が自ら主張する自由恋愛論によって、愛人の一人に刺されるという日蔭茶屋事件を描きながら、さらに現代の時間も交錯するという、前衛的な手法が話題となった吉田喜重の代表作。フランスで先行公開され、吉田の国際的な評価がいっきに高まったが、国内では作品のモデルとなった人物とのプライバシー問題が起こり、オリジナルの226分より短縮された版が公開された。英文タイトルのタイポグラフィを、白黒スチールと交錯させて、巧みに配置した檜垣紀六のポスターデザインが美しい。
監督・脚本吉田喜重
脚本山田正弘
撮影長谷川元吉
美術石井強司
音楽一柳慧
出演岡田茉莉子、細川俊之、楠侑子、高橋悦史、稲野和子、八木昌子、新橋耐子、松枝錦治、坂口芳貞、高木武彦、伊井利子、玉井碧、原田大二郎、川辺久造、金内喜久夫
11月3日(土・祝)17:00-18:58 『煉獄エロイカ』 1970年 (現代映画社=ATG)
118分・35mm・白黒
 戦後革命運動に学生として参加、挫折した暗い過去のある男が、やがて科学者として成功する。その平和な家庭に、ある日妻が連れ帰った謎の少女に、「私の父はあなた」といわれる。この少女を追うようにして、かつて学生時代の同志という人物が現われ、また現代の過激派の男女も登場、科学者の過去への審判が始まる。時間と空間の連続性を解体する手法が、前作の『エロス+虐殺』よりもさらに過激さを増し、映像もいっそう透明になっていく。余白を生かしたポスターデザインが檜垣紀六のスタイルを印象づけている。
監督・脚本吉田喜重
脚本山田正弘
撮影長谷川元吉
美術山口修
音楽一柳慧
出演岡田茉莉子、鵜田貝造、木村菜穂、牧田吉明、岩崎加根子、
武内亨、筒井和美、佐伯赫哉、遠藤剛、大林丈史
11月4日(日)14:00-15:41 『田園に死す』 1974年 (人力飛行機舎=ATG)
101分・35mm・カラー
 寺山修司2本目の35mm映画。同名の歌集をもとに下北半島での少年時代に自伝的に言及した代表作。「二十年前の私」と「現在の私」を並べつつ、「家」の中には津軽海峡や恐山を持ち込み「田園」には仏壇や鏡台を持ち出すという仕掛けや、柱時計、わらべ唄、サーカスなどのモチーフを独自の映像世界に凝縮している。耽美的な作風で知られる漫画家・花輪和一が、作品世界を反映したイラストを提供するとともに、ポスターデザインを担当した。
監督・原作・脚本寺山修司
撮影鈴木達夫
美術粟津潔
音楽J・A・シーザー
出演菅貫太郎、八千草薫、春川ますみ、新高恵子、高野浩幸、斉藤正治、三上寛、原泉、蘭妖子、小野正子、サルバドール・タリ、高山千草、木村功、原田芳雄、粟津潔、ミスター・ポーン、大前均
11月4日(日)16:00-17:56 『絞殺』 1979年 (近代映画協会)
116分・35mm・カラー
 暴力を振るう高校生の息子を、耐えかねて殺してしまった父親。閉塞感の漂う時代の家族像を示したが、物語のイメージを撮影現場で引き出すため、新藤兼人はあえて「ゆるいシナリオ」にしたという。西村晃演じる俗物の父親像、乙羽信子の体当たりの演技も印象深い。東宝アート・ビューローに所属した小笠原正勝は、ATG初期の大島弘義、中期の檜垣紀六の達成を引き継ぎ、1970年代以降のATG作品で高い評価を受けた。
監督・脚本新藤兼人
撮影三宅義行
美術大谷和正
音楽林光
出演西村晃、乙羽信子、狩場勉、岡田英次、観世栄夫、戸浦六宏、森本レオ、会田初子、殿山泰司、小松方正、草野大悟、根岸明美

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