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展覧会ホイッスラー展

ホイッスラー展



灰色と黒のアレンジメント
《灰色と黒のアレンジメント No. 2:
トーマス・カーライルの肖像》
1872-73年 グラスゴー美術館
©CSG CIC Glasgow Museums
Collection

 ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)は、アメリカのボストン近郊ローウェルに生まれ、パリの印象派の画家たちと交流をもちつつロンドンを拠点に活躍した、19世紀後半を代表する画家・版画家です。また彼は、万博を契機として欧米にブームを巻き起こした日本の美術・工芸品から大きなインスピレーションを得て独自の画風を確立したことで、ジャポニスムの先駆的芸術家としても世界的に知られています。
 ホイッスラーは、当時主流であった歴史や教訓を伝達するメディアとしての絵画を否定し、絵画そのものの表現力、つまり絵画における純粋な視覚的効果を追求しました。「芸術のための芸術」を目指す、いわば唯美主義の主導者として、彼は画面における色や形の調和に主眼をおいた作品を産み出し、同時代の芸術家たちに広く影響を与えました。そして作品制作における自らの信念を、彼は、作品タイトルに「シンフォニー」や「アレンジメント」といった音楽用語を付すことで明らかにしようとしました。


ノクターン
《ノクターン:青と金色―
オールド・バターシー・ブリッジ》
1872-75年 テート美術館
©Tate, London 2014

 本展覧会ではまず、パリ時代にギュスターヴ・クールベの作品と出会うことでレアリスム(写実主義)から出発したホイッスラーが、唯美主義の画家として独自のスタイルを確立していくさまを、彼が主に手がけた二つのモティーフ、第一章の人物画と第二章の風景画でご紹介します。そして最後に、彼の画風展開における最も重要な契機であるジャポニスムが、どのような輝かしい成果へと結実したかを第三章でご覧いただきます。
 本展は、アメリカ・イギリス・フランスから、ホイッスラーの油彩画・水彩画そして版画の代表作約130点を集めて開催される、国内では約30年ぶりとなる大回顧展です。ホイッスラーに影響を与えた浮世絵などの参考作品・資料をも含む本展で、19世紀後半の欧米画壇を席巻した巨匠の輝きを、是非ご覧下さい。

作品リスト
ホイッスラー展
※No. 53《バターシー・リーチ》(1863年頃)は、所蔵者の都合により不出品となりました。
 どうぞご了承下さい。
本展では、作品保護のため展示室内の温度を20℃前後に設定しております。
ご観覧の際は、上着などをお持ちになることをお勧めいたします。

会期
2014年9月13日(土)~ 11月16日(日)

開館時間
午前9時30分 ~ 午後5時(入館は午後4時30分まで)
※9月20日(土)・21日(日)は午後8時まで開館
(入館はいずれも午後7時30分まで)

休館日
毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日の場合は翌火曜日)
(ただし、9月22日(月)、10月14日(火)、11月4日(火)は開館)

主催
京都国立近代美術館
NHK京都放送局
NHKプラネット近畿
京都新聞

協賛
あいおいニッセイ同和損保
テラ・アメリカ美術基金
日本写真印刷

協力
日本航空

観覧料
  当日 前売り 団体(20名以上)
一 般 1,500 1,300 1,300
大学生 1,100 900 900
高校生 600 400 400
中学生以下 無料

※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。
 (入館の際に証明できるものをご提示ください)
※前売券の主な取り扱い
 ローソンチケット(Lコード:56121)
 セブンチケット (セブンコード:029-678)
 チケットぴあ   (Pコード:766-113)
 ほか主要プレイガイド、コンビニエンスストアなどで販売予定
 ※前売券は、8月1日 ~ 9月12日までの期間限定販売
※ボストン美術館展(京都市美術館)も観覧できる、お得な”早割りセット券”について<詳細はこちら>

関連イベント

講演会「ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)
    ――芸術のコスモポリタン」
講師:パトリシア・ド・モントフォールト
  (グラスゴー大学文化芸術学部 美術史講師)
日時:9月13日(土)午後2時~3時30分
会場:京都国立近代美術館1F講堂
定員:100名(午前11時から1Fインフォメーションにて整理券を配布します)
※聴講無料、逐次通訳あり
※マーガレット・F・マクドナルド氏の来日は事情により叶わなくなりました。
 そのため、パトリシア・ド・モントフォールト氏に講師が変更となりました。
 どうぞご了承ください。
第4回畠山公開シンポジウム
    「ジャポニスムの全貌~ホイッスラーから何が始まったのか?」
日時:10月4日(土)午前10時~午後5時
会場:京都国立近代美術館1F講堂
主催:ジャポニスム学会
共催:公益財団法人畠山文化財団・京都国立近代美術館・京都市美術館
定員:100名 ※聴講無料、事前申込み制
※定員に達しましたので受付は終了いたしました。

趣旨
 本シンポジウムは、京都国立近代美術館の「ホイッスラー展」、京都市美術館の「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」開催に合わせ、ジャポニスムの最初期に位置するホイッスラーとその作品を再検討したうえで、ジャポニスムの発展全体を俯瞰的にとらえなおすことを目的としています。異国趣味、モチーフ、画中画、空間表現、画面構成、色彩や筆触、装飾性、署名や額縁など、ホイッスラーの作品にはジャポニスムと関連するあらゆる要素が観察されます。ホイッスラーを起点としてジャポニスムの諸問題を深く、幅広く捉え直すことは、まさに有意義な試みだと言えるでしょう。

  
プログラム
ごあいさつ
10:00-10:15 ごあいさつ:宮崎克己(ジャポニスム学会理事長・昭和音楽大学教授)/ 長田憲幸(公益財団法人畠山文化財団常務理事)
セッション1:講演と発表
10:15-11:15 基調講演:馬渕明子(国立西洋美術館館長)
「ジャポニスムの新側面」
11:15-12:00 発表1: 小野文子(信州大学准教授)
「ホイッスラーのジャポニスムとその広がり」
セッション2:発表
13:00-13:44 発表2:三浦篤(東京大学教授)
「1860年代のホイッスラー -異国趣味と画中画の視点から」
13:45-14:30 発表3:鶴園紫磯子(ピアニスト・桐朋学園大学講師)
「ホイッスラー -音楽的タイトルがもたらしたもの」
14:30-15:15 発表4:橋本順光(大阪大学准教授)
「ホイッスラーが切り結んだ日本 -橋・花火・禅-」
セッション3:ディスカッション
15:30-17:00 ディスカッション 司会:宮崎克己

【シンポジウム参加申込み方法】
京都国立近代美術館シンポジウム係あて、メールまたは往復はがきにて
往復はがき宛先:〒606-8344 京都市左京区岡崎円勝寺町
住所・氏名・電話番号を明記の上、参加申込みをお送り下さい。
参加証をお送りいたします。
申込み期間:9月10日~9月30日(先着100名)

MoMAK Films 2014 イギリス映画と演劇
日時:10月25日(土)・26日(日)午後2時より
会場:京都国立近代美術館1階講堂
定員:100名
<詳細はこちら>
広報資料
チラシ  PDF形式(2.2MB)
 

  This exhibition is made possible through support
from the Terra Foundation for American Art.


 An exhibition in association with The Hunterian, University of Glasgow

 
文化庁 本展は、政府による美術品補償制度の適用を受けています。



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