パウル・クレー ―おわらないアトリエ


《E.附近の風景(バイエルンにて)》
《E.附近の風景(バイエルンにて)》
1921,182
油彩・ペン・紙・厚紙、49.8×35.2
パウル・クレー・センター(ベルン)
©Abteilung fur Medientechnologie,
Universitat Bern /
Archiv Zentrum Paul Klee, Bern
 
 スイス生まれの画家パウル・クレー(Paul Klee, 1879-1940)は、長らく日本の人々に愛され、これまでにも数多くの展覧会が開催されてきました。「創造の物語」や「旅のシンフォニー」または「線と色彩」などの副題が示すように、作品の物語性や制作上の理念が詩情豊かに詠われたそれら展覧会は、多くの人々にクレー芸術の魅力を伝える大きな役割を果たしました。このたび、京都と東京の国立近代美術館で初めて開催されるクレー展では、今までの展覧会成果を踏まえた上で、これまでクローズアップされなかった観点、「クレー作品が物理的にどのように作られたか」について考えます。
 クレーは1911年から終生、制作した作品のリストを作り続けました。1883年、画家4歳のときの作品を皮切りに約9600点もの作品からなるこのリストには、作品のタイトルだけではなく、詳細な制作方法が記載されていることからも、「どうやって作ったか」は、この芸術家にとって極めて重要な関心事だったのです。その「制作プロセス」を、クレーは、アトリエ写真という形で記録に留め、自ら「特別クラス(Sonderklassse)」とカテゴリー分けした作品を模範作品として手元に置くことで、反芻し続けました。

《ベルンのアトリエでのパウル・クレー》
《ベルンのアトリエでのパウル・クレー》1939年
撮影:フェリックス・クレー
パウル・クレー・センター(ベルン)、遺族寄贈
©Zentrum Paul Klee, Bern
 ベルンのパウル・クレー・センターが所蔵する作品を中心に、日本初公開の作品が数多く含まれた約170点で構成される本展覧会では、このアトリエ写真で記録された作品そして「特別クラス」という模範的作品を紹介する章と、制作上の具体的な技法を検証する章という6つの章によって、クレー芸術の創造的制作過程を明らかにすることを目指します。クレーは、芸術そして芸術家の理念的なあり方だけではなく、芸術が、とりわけ芸術家の手によって、具体的にどのように作られるかを、生涯にわたって追求し続けました。この彼の問題意識を検証することは、レディ・メイド誕生以降今日にいたる芸術の諸相を考える上で、新たな生産的批判的視座を提供してくれるものと考えます。



会期
2011年3月12日(土)〜 5月15日(日)

開館時間
通常の開館時間
午前9時30分〜午後5時(入館は午後4時30分まで)

金曜日の夜間開館日
午前9時30分〜午後8時(入館は午後7時30分まで)

休館日
毎週月曜日
※ただし、3月21日(月・祝)と5月2日(月)は開館、3月22日(火)は休館

主催
京都国立近代美術館
日本経済新聞社
京都新聞社

後援
スイス大使館
テレビ大阪

協賛
損保ジャパン
大日本印刷
東レ

協力
パウル・クレー・センター
スイス インターナショナル エアラインズ
日本航空
スイス政府観光局

観覧料
  当日 前売り 団体(20名以上)
一 般 1,500 1,300 1,100
大学生 1,100 900 800
高校生 700 500 400
中学生以下 無料 無料 無料

※本料金でコレクション展もご覧いただけます。
※障害者手帳をお持ちの方と付添者(1名)は無料。
(入館の際に証明できるものをご提示ください)
※前売券の主な取り扱い
 チケットぴあ (Pコード:764-459)
 ローソン    (Lコード:55069)
 ほか主要ガイド、コンビニエンスストアなど


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関連イベント
記念講演会
■「パウル・クレー 画のための仕事」

ヴォルフガンク・ケルステン氏(チューリッヒ大学教授)※逐次通訳付
日時:3月12日(土)午後2時から3時30分まで
会場:京都国立近代美術館1F講堂
定員:100人(聴講無料、当日午前11時から受付にて整理券を配布します)

「切断の時代――20世紀美術におけるクレーの制作プロセス」
河本真理氏(広島大学大学院准教授)
日時:4月30日(土)午後2時から3時30分まで
会場:京都国立近代美術館1F講堂
定員:100人(聴講無料、当日午前11時から受付にて整理券を配布します)

MoMAK Films @ home [スイス映画上映]
日時:4月23日(土)・24日(日)午後2時〜
会場:京都国立近代美術館1F講堂
料金:1プログラム500円
主催:京都国立近代美術館、東京国立近代美術館フィルムセンター
企画協力:冨田美香、川村健一郎(ともに立命館大学映像学部准教授)
<プログラム詳細ページ>

4月23日(土)
午後2時〜3時27分
「魂を失へる男」(ヴェルナー・ホッホバウム監督、1936年)87分
午後3時45分〜5時43分
「山の焚火」(フレディ・M・ムーラー監督、1985年)118分

4月24日(日)
午後2時〜3時35分
「ローズヒルの女」(アラン・タネール監督、1989年)95分
午後3時55分〜5時24分
「イカれたロミオに泣き虫ジュリエット」
(監督:アンニャ・フランケ、ダニ・レヴィ、ヘルムート・バーガー、1986年)89分


広報資料
チラシ  PDF形式(3MB)




(2011/01/31)

巡回先
東京国立近代美術館 2011年5月31日(火)〜7月31日(日)


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