写実の系譜W ―「絵画」の成熟 1930年代の日本画と洋画―

本年度の東京国立近代美術館の特別展である本展は、昭和60年以来同館が開催してきた「写実の系譜」シリーズの第四回目にあたるもので、近代日本美術の出発点とも言える江戸中期から明治初期にかけての洋風表現の導入、次いで大正期の細密描写、明治中期の洋画と、近代日本美術の展開を「写実」の視点から検証してゆく試みであった。4回目にあたる本展では、この「写実」が日本的な、あるいは伝統的な美意識にもとずきながらも近代的な造形性をもりこみ、両者の均衡の上に、ある到達点、すなわち成熟を示すに至る1930年代に焦点をあてた。日本画の小林古径、土田麦僊、速水御舟、菊池契月、安田靫彦、洋画の藤島武二、坂本繁二郎、梅原龍三郎、安井曾太郎、須田国太郎など、ジャンルを越えて「絵画」という共通基盤の上で自らを表現した10人の画家の約100点の作品が展示され、日本の近代美術史上に残るかずかずの名作の生まれたこの時代の成熟度の高さが、あらためて確認された。

会期
11月22日〜12月18日
入場者数
8,388
共催
東京国立近代美術館
出品目録
作者名 作品名 制作年
藤島武二 大洗海岸 c.1931
藤島武二 大王岬に打ち寄せる怒涛 1932
藤島武二 東海旭光 1932
藤島武二 五剣山の日の出 1932
藤島武二 屋島よりの展望 c.1932
藤島武二 港の朝陽 1935
藤島武二 室戸岬 1935
藤島武二 蒙古の日の出 1937
藤島武二 耕到天 1938
菊池契月 少女 1932
菊池契月 友禅の少女 1933
菊池契月 涅歯 1933
菊池契月 散策 1934
菊池契月 1937
坂本繁二郎 放水路の雲 1927
坂本繁二郎 放牧三馬 1932
坂本繁二郎 鳶形山 1932
坂本繁二郎 水より上る馬 1937
坂本繁二郎 松間馬 1938
坂本繁二郎 牛と馬 1940
坂本繁二郎 甘藍 1941
坂本繁二郎 鶏卵 1942
小林古径 1927
小林古径 鶴と七面鳥 1928

作者名 作品名 制作年
小林古径 茄子 c.1928
小林古径 1931
小林古径 日長 1933
小林古径 犬と柘榴 1934
小林古径 孔雀 1934
小林古径 A采 1934
小林古径 紅蜀葵と猫 1935
小林古径 猫(猫と唐蜀黍) 1935
小林古径 果子 1936
小林古径 実と花 1938
小林古径 三宝柑 1939
小林古径 牡丹 1939
小林古径 唐蜀黍 1939
小林古径 赤絵 c.1939
小林古径 果子図 1940
安田靫彦 c.1930
安田靫彦 挿花 1932
安田靫彦 花づと 1937
安田靫彦 おみなえし 1938
安田靫彦 1938
安田靫彦 新蔬 1940
安田靫彦 赤星母堂像 1943
土田麦僊 芥子 1926
土田麦僊 罌粟 1929

作者名 作品名 制作年
土田麦僊 明粧 1930
土田麦僊 蓮華 1930
土田麦僊 甜瓜図 1931
土田麦僊 平■ 1933
土田麦僊 朝顔 1934
梅原龍三郎 裸婦鏡 1929〜30
梅原龍三郎 坐裸婦 1933
梅原龍三郎 桜島の朝 1935
梅原籠三郎 桜鳥(青) 1935
梅原龍三郎 松と波 19詑
梅原龍三郎 城山 1937
梅原龍三郎 松と波 1938
梅原龍三郎 裸婦扇 19誠
梅原龍三郎 雲中天壇 1939
梅原龍三郎 柴禁城 1940
安井曾太郎 婦人像 1930
安井曾太郎 薔薇 1931
安井曾太郎 ばら 1932
安井曾太郎 夏の湖畔 1932〜33
安井曾太郎 奥入瀬の渓流 1933
安井曾太郎 玉蟲先生像 1934
安井曾太郎 金蓉 1934
安井曾太郎 裏磐梯の初秋 1935
安井曾太郎 梨と赤かぶ 1936
安井曾太郎 少女像 1937

作者名 作品名 制作年
安井曾太郎 深井英五氏像 1937
安井曾太郎 承徳の喇■廟 1937
安井曾太郎 実る柿 1937
安井曾太郎 承徳喇■廟 1938
安井曾太郎 霞沢岳 1938〜39
安井曾太郎 F夫人像 1939
須田国太郎 蔬菜 1931
須田国太郎 法観寺塔婆 1932
須田国太郎 椿 1932
須田国太郎 城南の春 1933
須田国太郎 書斎 1937
須田国太郎 水田 1938
須田国太郎 河原 1939
速水御舟 マルケンの村娘 1931
速水御舟 女二題 其一 1931
速水御舟 女二題 其二 1931
速水御舟 豆花 1931
速水御舟 瓶梅図 1932
速水御舟 花の傍 1932
速水御舟 露潤 1932
速水御舟 牽牛花 1933
速水御舟 桔梗 1933
速水御舟 暁に開く花 1934
速水御舟 桔梗(涼夜) 1934

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