国画創作協会回顧展 特別展

 明治の開国以来ほぼ50年を経た大正期の日本は、次第に近代国家としての体裁を整え、第一次世界大戦を機に先進諸国の仲間入りを果たそうとしていたが、一方、社会的な歪みも顕著になりつつあった。美術界では、明治40年に開設された文部省美術展覧会(文展)が、美術の国民的な普及の上で一応の成果を生み、画家の登竜門としての役割を果たしてきたが、回を重ねるに従って審査その他にさまざまな矛盾が顕れてきた。またこの頃、雑誌「白樺」を通じて紹介されたゴッホ、ゴーギャンなど後期印象派の画家たちの作品は、若い画家たちに大きな感銘を与え、従来の日本画にはない新しい表現を求める機運が高まった。土田麦僊、小野竹喬、榊原紫峰、野長瀬晩花ら、竹内栖鳳門下の京都の若手日本画家たちは、新しい日本画を自由に発表出来る独自の場を求めて、大正7年「国画創作協会」を結成した。この会は大正7年の第1回展から、中断を挟んで昭和3年まで、7回の展覧会を開いたが、この展覧会は当時の若い画家たちに大きな影響を与えた。しかし、志の高きにも関わらず会の運営は資金的にも困難を極め、関東大震災を境に社会の流れが、大正時代の自由な気風から統制的な方向へと変換してゆくに従って、この会もかあつての熱気を失って終息せざるを得なかった。この展覧会は国画創作協会の結成から75年を経た時点に立って、

 この展覧会に出品された作品に限った約90点の作品を展示し、彼らの提起し、取り組んだ課遁をあらためて検証しようとするものであった。

会期
9月28日〜11月7日
入場者数
22,900
共催
東京国立近代美術館
出品目録
作者名 作品名 制作年 技法・形状
小野竹喬 波切村 1918 絹本着色/屏風(四曲一双)
榊原紫峰 青梅 1918 絹本着色/額装(2面)
土田麦僊 湯女 1918 絹本着色/屏風(二曲一双)
野長瀬晩花 初夏の流 1918 綿布着色/屏風(六曲一双)
入江波光 降魔 1918 絹本着色/軸装
伊藤草白 1918 絹本着色/屏風(二曲一隻)
甲斐庄楠音 横櫛 1918 絹本着色/額装
森谷南人子 快晴 1918 絹本着色/額装
岡本神草 口紅 1918 絹本着色/屏風(二曲一隻)
梶原俳佐子 暮れゆく停留所 1918 絹本着色/額装
金田和郎 水蜜桃 1918 絹本着色/屏風(二曲一隻)
松坂春久 梧桐 1918 絹本着色/軸装
小野竹喬 夏の五箇山 1919 絹本着色/屏風(四曲一隻)
榊原紫蜂 赤松 1919 紙本着色/屏風(六曲一双)
野長瀬晩花 休み時 1919 紙本着色/屏風(二曲一双)
村上華岳 日高河 1919 絹本着色/軸装
入江波光 臨海の村 1919 絹本着色/屏風(二曲一隻)
吹田草牧 伊豆夏景 1919 絹本着色/屏風(二曲一隻)
伊藤柏台 松並木 1919 絹本着色/屏風(二曲一隻)
酒井三良 雪に埋もれつつ正月は行く 1919 絹本着色/屏風(二曲一隻)
山口草平 静寂 1919 紙本着色/軸装
小野竹喬 海島 1920 絹本着色/屏風(二曲一双)
榊原紫蜂 奈良の森 1920 絹本着色/屏風(二曲一双)
野長瀬晩花 夕陽に帰る漁夫 1920 絹本着色/屏風(四曲一隻)

作者名 作品名 制作年 技法・形状
村上華岳 裸婦の図 1920 絹本着色/額装
入江波光 彼岸 1920 絹本着色/額装
吹田草牧 真鶴の二月 1920 絹本着色/屏風(四曲一双)
杉田勇次郎 海近く 1920 絹本着色/屏風(四曲一隻)
丸岡比呂史 母と子 1920 絹本着色/額装
岡本神草 拳を打てる三人の 1920 絹本着色/額装
小野竹喬 春耕 1924 絹本着色/屏風(二曲一隻)
榊原紫峰 雪柳白鷺の図 1924 絹本着色/軸装
土田麦僊 大原女(画稿) 1924 紙本淡彩/額装
土田麦僊 蕗菜 1924 紙本着色/額装
土田麦僊 鮭之図 1924 紙本着色/額装
土田麦僊 舞妓林泉図 1924 絹本着色/額装
村上華岳 瓜茄残暑(餞暑瓜茄) 1924 絹本着色/軸装
村上華岳 八重椿 1924 絹本着色/軸装
村上華岳 説法の図 1924 耗本着色/軸装
岡村宇太郎 日没頃 1924 絹本着色/額装
岡村宇太郎 暴風雨の後 1920 絹本着色/額装
甲斐庄楠音 舞ふ 1924 絹本着色/額装
粥川伸二 妖影 1924 絹本着色/額装
杉田勇次郎 人形 1924 絹本着色/額装
佐原修一郎 老婆の像 1924 絹本着色/額装
森谷南人子 秋の日 1924 麻布着色/額装
石川晴彦 1922 絹本着色/額装
要 樹平 兵営附近 1924 紙本着色/軸装
榊原紫峰 1926 絹本着色/軸装
土田麦僊 舞妓(写生) 1924 紙本着色/額装
土田麦僊 小原女(写生) 1925 紙本淡彩/額装
土田麦僊 鮭と鰯(写生) 1924 紙本着色/額装
土田麦僊 罌粟 1926 絹本着色/軸装
野長瀬晩花 水汲みに行く女 1925 絹本着色/屏風(二曲一隻)
村上華岳 松山雲烟 1926 絹本着色/額装
入江波光 聖コスタンツァ寺 1922 絹本着色/軸装
甲斐庄楠音 歌妓 1926 絹本着色/屏風(六曲一隻)
甲斐庄楠音 裸婦 1926 絹本着色/額装
粥川伸二 長崎懐古(紅毛人遊) 1926 紙本着色/額装
小松 均 夕月 1926 絹本着色/額装
森谷南人子 冬の里 1926 紙本着色/額装
多田敬一 海ぞひの村 1926 絹本着色/額装
玉城末一 宇吉 1926 絹本着色/額装
石川晴彦 山茶花を持てる女 1926 絹本着色/額装
恩田耕作 佐渡海府風景 1926 紙本着色/屏風(二曲一隻)
小野竹喬 波涛 1927 紙本着色/軸装
榊原紫峰 獅子 1927 絹本着色/屏風(二曲一隻)
土田麦僊 大原女 1927 絹本着色/額装
野長瀬晩花 海近き町の舞妓 1927 麻布着色/額装
甲斐庄楠音 1927 絹本着色/額装
杉田勇次郎 麓庵 1927 絹本着色/屏風(二曲一隻)
森谷南人子 夏の海辺 1927 紙本着色/額装
森谷南人子 海近き村 1927 紙本着色/額装
森谷南人子 秋郊 1927 紙本着色/額装
多田敬一 黄昏 1927 絹本着色/額装
猪原大華 果樹 1927 絹本着色/額装
新見虚舟 海苔乾す早春 1927 紙本着色/額装

作者名 作品名 制作年 技法・形状
徳力富吉郎 人形 1927 紙本着色/額装
林 司馬 山茶花 1927 紙本着色/軸装
小野竹喬 冬日帖 1928 紙本着色/額装(6面)
榊原紫峰 冬朝 1928 絹本着色/屏風(二曲一双)
土田麦僊 朝顔(未成) 1928 絹本着色/屏風(二曲一双)
入江波光 摘草 1928 絹本着色/額装
榊原始更 幽庭 1928 紙本着色/屏風(二曲一双)
吹田草牧 醍醐寺泉庭 1928 絹本着色/屏風(二曲一隻)
小松 均 八瀬 1928 紙本着色/額装
新見虚舟 漁港 1928 紙本着色/額装
新見虚舟 市のたつ朝 1928 紙本着色/屏風(二曲一隻)
徳力富吉郎 初冬 1928 絹本着色/屏風(二曲一隻)
林 司馬 花鳥図 1928 絹本着色/屏風(二曲一隻)

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