フランク・O・ゲーリー展

 当館では第1回目の国際交流展として昨年、アメリカ現代建築を代表するロバート・ヴェンチューリとスコット・ブラウンの建築と装飾美術の活動を紹介する展覧会を開催し、幅広い層に大きな反響を巻き超こした。前回の国際交流展の成果を継承した形で、本年度はアメリカ現代建築のもう一人の巨人であるフランク・ゲーリー(1929〜)の建築と家具製作の活動を紹介する展覧会を開催した。

 1962年にロサンゼルスに建築事務所を開設して以来フランク・デーリーは、アメリカ西海岸の風土と文化を反映するポップ建築の代表的建築家と見なされてきた。彼の初期代表作<ダンジガー・スタジオ>(1968)や自邸(1978)では、既製品の材木、波形トタン板と金網という安価な素材と単純な工法を用いて、平凡な中古住宅を、非凡で現代的な空間に変貌させ、近代建築の手法を墨守する建築家たちに衝撃を与えた。金網を<透明な>壁として空間を分節するゲーリー手法は、古い倉庫を現代美術のための美しい展示空間に変身させたロサンゼルス現代美術館別館<テンポラリー・コンテンポラリー>(1982)で集大成きれ、視覚的衝撃と親しみやすさを合わせ持つ建築手法として、80年代のポストモダニズム建築に大きな影響を与えた。

 デーリーは建築設計だけでなく、椅子や家具の製作でも早くから注目され、特に1972年に発表された少数が販売された段ボールを接着して制作する椅子とテーブルのシリーズ<イージー・エッジ>は、モダン・デザインに対する批評的な作例として、美術館や熱狂的コレタターに所蔵されている。

 今回の展覧会では、フランク・デーリーの建集設計の実践と理念を包括的に紹介するため、7点の建築模型、多数の素描や図面、写真パネルが展示きれ、同時に、1992年に発表された新作椅子シリーズ<コンテイニュアス・ライン>5点も展示きれ、会場で入館者が自由に座りその感触を体験できるように配置きれた。この試みは、単純でありながら暖かさと精神性、そして遊技性を兼ね備えるゲーリーの作品を直接的に体験できたとして、入館者から好評を博した。

国際交流展
会期
11月3日〜12月6日
入場者数
総数18,818人(一日平均627人)
カタログ
(鹿島出版会発行『SD』1992年9月号、「フランク・ゲーリー特集」を参考図書として販売)
新聞雑誌関係記事
新聞記事
朝日:11月10日 産経:11月5日、11月13日 神戸:11月22日
雑誌記事
月刊ギャラリー:1992年11月号

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