荒川修作の実験展

 本展は東京国立近代美術館の平成3年度特別展として企画されたものである。
 読売アンデパンダン展への出品作品やネオ・ダダ・オルガナイザーの一員として1950年代未の日本の現代美術の活動の中で注目を集めた荒川修作(1936−)は、1961年に渡米し、以後約30年間ニューヨークを拠点に世界の現代美術の第一線で活動を続けている数少ない日本人作家の一人である。この間、1971年にマドリン・ギンズと共著で出版した「意味のメカニズム」は、人間の視覚の構造や身体の知覚のプロセスをタイヤグラムで解析した知的でユニークな作品として、またコンセプチュアル・アートの先駆的な試みとして高い評価を受けている。

 今回の展覧会では、未発表作品多数を含む荒川修作の1960年代初頭と最近作の立体と平面作品による個展の形式で構成され、新旧の作品、そして巨大な構築物によって会場全内は様々な装置が設定された知覚の実験場となった。鑑賞者はこれらの装置を直接体験することで、荒川修作の一貫した思索のメッセージを受け取り、鑑賞者自身がソノメッセージを検証する<場>に直面させられるのである。鑑賞者自身が参加する行為によって、荒川の作品空間が完成し、その作品空間が鑑賞者の知覚の扉を解放するという装置に満ちた会場は、まさに「荒川修作の実験」展と言うべきのもであった。

会期
平成4年1月7日〜2月5日
入場者数
総数12,280人(一日平均472人)
平成3年度東京国立近代美術館特別展
出品目録
作品名 制作年 技法
1962年2月3目早朝 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無題の形成 1961〜62 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無題の形成No.3 1961〜62 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
領域を分ける 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
肖像No.1 1961〜62 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
彫刻するNo.1 1961〜62 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
報告No.1 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
限界No.1 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
マッピング 1961〜62 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無限性 1961〜62 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
SA方程式 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
伸縮自在の迷路 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
彫刻するNo.2 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
彫刻するNo.3 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無題性 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
話している場所 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
言葉のような線 1962 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無題 1963 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無題 1963 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
無題 1963〜64 油彩・アクリリック、鉛筆、カンヴァス
底なし(ボトムレス)・ 1963 鉄、布、鏡、プラスティック・シート、アクリル・パネル、鉄綱、ひも、スティール・ワイヤー
底なし(ボトムレス)・(共身体) 1963 鉄、布、鏡、鉄綱、アクリル・パネル、フェルト、ひも、糸、スティール・ワイヤー
底なし(ボトムレス)・(共身体) 1963 鉄、布、鏡、鉄綱、フェルト、ひも、糸、スティール・ワイヤー
どこにでもある場 X 図1 1987 C.G.プリント
どこにでもある場 X 図2 1987 C.G.プリント
どこにでもある場 X  1987〜91 混合技法
どこにでもある場 X 図3 バンテオンにて 1987 C.G.プリント
どこにでもある場 X 図4 香川県高松にて 1987 C.G.プリント
極限における所有者 図1 1985〜91 C.G.プリント
極限における所有者 図2 1985〜91 C.G.プリント
二重の出発/誰か 1986〜88 混合技法
二重の出発/誰か 1986〜88 写真、彩色
出発の計画/新生児の知覚 1987〜90 混合技法

作品名 制作年 技法
出発の計画/新生児の知覚 1986〜88 写共、彩
極限における所有者/どこにでもある場 X ル・コルビュジェ以後 1981 C.G.プリント
問われているプロセス/反転できる宿命の橋 1973〜89 混合技法
問われているプロセス/反転できる宿命 1973−89 黒鉛、紙
身体による光の判読/共同体の凝視の奥底にて/新たな「失われた輪」《問われているプロセス/反転できる宿命》の部分) 1974〜75 黒鉛、紙
凝視のプレース(《問われているプロセス/反転できる宿命》の習作) 1978 黒鉛、紙
左右上下反転ホール 習作1 1979〜82 混合技法
左右上下反転ホール 習作2 1988 混合技法
左右上下反転ホール 習作3 1980〜83 混合技法
左右上下反転ホールNo.1(《問われているプロセス/反転できる宿命》の部分) 1980〜82 黒鉛、紙
左右上下反転ホールNo.2(《問われているプロセス/反転できる宿命》の部分) 1983〜84 黒鉛、紙
左右上下反転ホールNo.2(《問われているプロセス/反転できる宿命》の部分) 1985〜87 黒鉛、紙
左右上下反転ホールNo.3(《問われているプロセス/反転できる宿命》の部分) 1985〜87 黒鉛、紙
口を開けて閉じて 1989〜90 混合技法
それから眼を閉じて 1990〜91 混合技法
眼を閉じて 1990〜91 混合技法
知覚の降り立つ場(・)図1 1981〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・)図2(T1) 1981〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・)図3(T2) 1981〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・)の部分図4(T1) 1981〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・)の部分図5(T2) 1981〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・)の部分図 61981〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・) 1979〜89 混合技法
知覚の配列 1981〜84 C.G.プリント
死なないために、あるいはヘレン・ケラーの部屋 1984 C.G.プリント
極限で似たるものたち 図1 1981〜85 C.G.プリント
極限で似たるものたち 図2 1981〜85 C.G.プリント
極限で仏たるものたち 1979〜90 混合技法
基本的な囲い 1983〜85 C.G.プリント
日常の囲み 1983〜85 C.G.プリント
知覚の降り立つ場(・) 1981〜84 混合技法
開いたつつみ(・) 1983〜85 C.G.プリント
開いたつつみ 1983〜85 C.G.プリント
開いたつつみ 1983〜85 C.G.プリント
多角表面 1983〜85 C.G.プリント
共同体の反転性・1 1977〜83 混合技法

新聞雑誌関係記事
新聞記事
毎日:1月17日、1月23日(夕刊)(大橋良介)
京都:1月10市(夕刊)(瀬戸内寂聴)、1月18日(太祖垣実)
朝日:1月25日(夕刊)(吉村良夫)
読売:1月25日(安黒正流)
JAPAN TIMES:1月26日

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