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展覧会華麗な革命-ロココと新古典の衣裳展

華麗な革命-ロココと新古典の衣裳展

 本館では、1975年には「現代衣服の源流展」、また、1980年には「浪漫衣裳展」をそれぞれ京都商工会議所、京都服飾文化研究財団との共催によって開催している。服飾をテーマとした展覧会は、本展が三回目となるが、前二回が、それぞれ20世紀前半、19世紀後半の西欧に於ける服飾文化の動向を紹介したのに対し、今回はフランスに於ける1789年の大革命を挾んだ、ロココの時代及び新古典主義の時代の服飾を取り上げ、その一大変革の様相を約160点の婦人服、男子服、子供服、その他のアクセサリーによって紹介した。共催は今回も京都服飾文化研究財団であった。同財団が設立以来10年の間に収集した服飾品を中心に、パリ市立美術館、国立パリ衣裳芸術美術館、ブルックリン美術館、ロードアイランド美術大学付属美術館、共立女子大学その他の諸美術館、博物館及び海外の個人所蔵家からの出品作品によって構成された。

 フランスの18世紀後半から19世紀初期の時代は、大革命を挾んで、文化が宮廷文化から市民文化へと、大きく転換した激動期であった。美術史的には、ロココ様式から新古典様式への移行期に位置づけられる。時代の文化の特質を敏感に反映する服飾史の上では、この時代は、ローブ・ア・ラ・フランセーズに代表される、レース、刺繍、リボン等を多用し、パニエによって大きく膨らませたスカートに特色を示す絹や絹サテンの華麗な衣裳から、革命を経て、木綿や麻の薄地のモスリンを素材にした、色彩も白を主調にしたきわめて簡素な、いわゆるエンパイア・ドレスへと転換する。このエンパイア・ドレスは、ダヴィッドの「レカミエ夫人の肖像」やアングルの多くの婦人の肖像画によっても、その古典的な優雅な美しさを知ることができるが、それらは、ナポレオンのエジプト遠征やポンペイの古代ローマの遺跡発掘に刺激された古代への憧憬とともに、市民社会への移行に伴う生活様式の簡素化をも反映するものであった。

 この展覧会は服飾界のみでなく、一般にも好評を博し、入館者は10万人を超えたが、海外でも大きな反響を呼んだ。

会期
4月4日(火)~5月28日(日)
入場者数
109,970人(一日平均2,291人)
共催
京都服飾文化研究財団
出品目録
作品名 制作年代 制作地
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年頃 フランス
ドレス 1760年代
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年頃
ジャケット(狩猟用カザカン)とペティコート 1750年代中期
ストマッカー 1760年代 スイス
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年代中期 イギリス
ジャケット(カザカン)とペティコート 1760年代後期  
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年頃 イギリス
男性用狩猟ジャケット 18世紀中期 フランス
盛装用ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年頃 イギリス
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1770年頃
コルセット(ステイズ) 1775年頃  
パニエ 1760年頃  
男性用スーツ(ジャケット、ウエストコート、ブリーチズ) 1770年頃  
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) フランス
1765年頃
1770~75年頃
ドレス
ドレス(ローブ・ルトゥルーセ・ダン・レ・ボッシュ) 1780年頃
ドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ) イギリス
ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ) フランス
男性用スーツ(アビ・ア・ラ・フランセーズ) 1770年頃
1780年頃
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1775年頃 イギリス
男性用スーツ(アビ・ア・ラ・フランセーズ) 1770~80年頃 フランス
1770年頃
1810年頃
1790年頃
ドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ) 1780年頃
ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ) イギリス
ドレス(ローブ・ア・ラ・ポロネーズ) 1780年頃 フランス
ジャケットとペティコート  
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) フランス
ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ) 1785年頃 イギリス
 
テール付ジャケットとジレ 1790年頃 フランス
ドレス 1785年頃
男性用ジャケット、ウエストコート、ブリーチズ 1790年頃
ジャケット(ピエロ)とペティコート
ジャケット(カザカン)とペティコート 1780年頃  
ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ) 1785年頃  
男性用室内着(バニヤン)とブリーチズ イギリス
ジャンプスとペティコート 18世紀中期
男性用ジャケットとブリーチズ 1780年頃 フランス
ケープとペティコート 18世紀後期  
男性用シャツとパンタロン フランス
ジャケットとペティコート 1790年代頃 フランス
フード付ケープとペティコート 1790~95年頃
ドレス(ローブ・ア・ラングレーズ) イギリス
ドレス 1790年頃
ドレス(ローブ、ペティコート) 1790~95年頃
ドレス(ラウンド・ガウン)  
ドレス 1795~1800年頃 インド
ドレス(ラウンド・ガウン) フランス
イギリス
盛装用ドレス 1805年頃
 
ドレス フランス
1810年頃
1800年頃 フランス
1810年頃 イギリス
1800年頃 フランス
子供用ドレス 1810年頃 アメリカ
ドレス 1800年頃  
チュニック・ドレス  
ドレス 1805年頃 イギリス
1810年頃
1800年頃

作品名 制作年代 制作地
ドレス 1805年頃  
1810年頃  
イギリス
男性用ジャケット(フロック・コート)とブリーチズ 1815年頃  
狩猟用ジャケット(スペンサーとペティコート)  
男性用狩猟ジャケットとブリーチズ イギリス
乗馬服(アヌゾーヌ)
ジャケット(スペンサー)とペティコート
ドレス(ツーピース)
ルダンゴト(ア・ラ・ユサール)  
1810年頃 イギリス
コート・ドレス(ア・ラ・ユサール)
コルセット 1760年頃  
18世紀初期  
1785年頃 イギリス
子供用コルセット
コルセット 1790年頃  
コルセット、シュミーズ、ドロワーズ 1820~30年頃 アメリカ
コルセット 1820年頃  
19世紀初期  
 
ネックレス、イアリング 1800~10年頃 イギリス
ティアラ、櫛、ネックレス、イアリング イタリア
ストマッカー・ブローチ 1770~80年頃 ポルトガル(?)
1760~70年頃 オランダ
ブレスレット・ミニアチュールにガラスの模造宝石真珠のバンド 1770年頃 イギリス
ストマッカー・ブローチ/ガラスの模造宝石 1760~70年頃
1740~50年頃  
1800年頃 中国(?)
中国
バッグ 1810年頃 フランス
ショール 1800~10年頃
1760年頃 オランダ(?)
男性用室内着(バニヤン) 18世紀 インド

作品名 制作年代 制作地
狩猟用ジャケット(カザカン) 1715年頃 フランス
男性用スーツ(アビ・ア・ラ・フランセーズ) 1720~30年頃
ドレス(ローブ・ヴォラント) 1725~30年頃
1730~35年頃
男性用スーツ(アビ・ア・ラ・フランセーズ) 1738年頃
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1740年頃
男性用室内着(ジャケット、ウエストコート、ブリーチズ) 1750年頃
ドレス(ローブ・ア・ラ・フランセーズ) 1760年頃
1765年頃  
ドレス 1798年頃 イギリス
舞踏用ドレス 1804~15年頃 フランス
宮廷用トレーン(マントー・ド・クール) 1810年頃
ユサールの軍服(ジャケット、パンタロン、オーバー・ジャケット) 1804~12年頃 フランス
ナポレオンのビユルメ(二角帽)
レースの装飾用エプロン 1745年頃

新人雑誌関係記事
新聞記事
読売/昭和63年9月28日、3月30日、4月8日、4月19日
朝日/4月4日、4月12日
毎日/4月20日(夕)、5月7日
産経/3月31日、4月13日
日経/5月1日(夕)
神戸/4月15日
中日/4月19日
染織経済新聞/9月21日、9月28日、4月12日
新美術新聞/4月1日
MK新聞/3月7日
雑誌記事
染織α 1989年3月号『18世紀フランスの絹織物(「華麗な革命」展の出品衣裳を中心に)』(太田昌子)
デザインの現場 1989年4月号Vol.6 N0.34
テレビ放映
NHK 日曜美術館:今週のギャラリー
(深井晃子)

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