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展覧会京都国立近代美術館所蔵 近代洋画名作展

京都国立近代美術館所蔵 近代洋画名作展

 当館は昭和38年に国立近代美術館京都分館として発足して以来、内外の近・現代美術の紹介に力を注ぎ、西日本における近代美術館の要としての役割を果してきた。また、所蔵美術作品も日本画、洋画、版画、工芸、彫刻など多岐にわたり、昭和60年4月現在では約2,700点を数えるに至っている。

 しかし、昭和初年に建てられた京都市勧業館の別館を譲り受けて開館したため、設備の不備、建物の老巧化などにより、今後の十分な活動が望めなくなった。ために新館建設は前々からの課題であったが、幸い全面的改築が決定し、本年度から新館建築工事に入った。

 これに伴い、当館の所蔵品による巡回展を希望する声が各地の美術館から寄せられ、当館ではこれに応えるべく昭和59年度、60年度の2年間にわたり巡回展を開催することになった。長期にわたる巡回展であるため作品の安全を考慮し、また各美術館の希望をも鑑みて、テーマを近代洋画にしぼって、62作家65点を選定した。選定にあたっては藤島武二、佐伯祐三、岸田劉生、小出楢重、坂本繁二郎、安井曽太郎、藤田嗣治、須田国太郎、山口薫、香月泰男、岡田謙三、山口長男、吉原治良、猪熊弦一郎、菅井汲、三尾公三、靉嘔など、大正から現代に至る主要作家の作品により、近代洋画の流れを概観できるよう心懸けた。

 本年は呉市立美術館、宮崎県総合博物館、愛媛県立美術館の三館において、春から秋にかけて各美術館、博物館等との共催により開催した。本展は、常設展示場を持たなかったため、当館においてさえ一堂のもとに展示することができなかった作品を公開する機会となったため、各会場で熱心な鑑賞者があった。また、本展は美術家および美術関係者に少なからぬ刺激を与え、各地域の美術文化の振興に寄与するところがあった。

呉 呉市立美術館、同館と共催

会期
4月28日(土)~5月20日(日)
入場者数
7,058人(一日平均352人)

宮崎 宮崎県総合博物館、同館と共催

会期
5月26日(土)~6月17日(日)
入場者数
5,718人(一日平均285人)

愛媛 愛媛県立美術館、同館及び(財)愛媛文化振興財団と共催

会期
8月15日(水)~9月2日(日)
入場者数
3,178人(一日平均186人)
出品目録
作家名 作品名 制作年 材質・形状 寸法(cm)
靉嘔 RainbowClocks 1969 油彩・時計 径30
相笠昌義 日常生活・地下鉄を待つ人 1978 油彩・麻布 97×162.1
麻田 浩 赤い土の上の出来事’76 1976 150×150
足立源一郎 チューリップ 1917 45.5×53
阿部展也 R-49 1970 100×100.5
荒井龍男 森の部分 c.1935 79.5×99
有馬さとえ 「むすめ」の像 1939 72.5×61
石垣栄太郎 鞭打つ 1925 145.5×106.5
猪熊弦一郎 Voice(Manhattan) 1965 油彩・麻布 213.5×292
牛島憲之 晩春 1954 64.5×90.5
宇治山哲平 王者 1970 194.5×130
大久保作次郎 街角の魚店 1927 97×130.3
岡田謙三 入江 1973 207.5×157.5
小野木学 風景 1974 132×132
香月泰男 奇術 1958 73×117
金山平三 発荷の旧道より 1945-56 40.7×60.7
加納光於 <胸壁にて>-RG 1980 162×131.0
川島 猛 N.Y.75~J.T.~18 1975 アクリリック・麻布 172.5×457.5
川端 実 灰色のフォルム 1974 油彩・麻布 195.5×260
岸田劉生 麗子弾紘図 1923 40.9×31.7
国吉康雄 鶏に餌をやる少年 1923 73.7×59.7
熊谷守一 化粧 1956 43×35
獅子頭 1974 油彩・板 24×33
小出楢重 横たわる裸女(B) 1928 油彩・麻布 41×56
小林和作 秋山 1971 80.5×100
斎藤真一 上河原の陽 1973 油彩・麻布・板 130×246
斎藤真成 人々 1955 油彩・麻布 129×162
斎藤義重 作品7 1960 ラッカー・合板 91×130
佐伯祐三 裏街の広告 1927 油彩・麻布 60.4×73

作者名 作品名 制作年 材質・形状 寸法(cm)
坂本繁二郎 放水路の雲 1927 油彩・麻布 38×45.5
二馬図(壁画下図) 1943 50×60.8
里見勝蔵 1929 91×65.2
沢部清五郎 少女像 1912 80.1×63.6
芝田米三 めざめる大地 1979 181×226.5
菅井 汲 時速280キロ 1965 アクリリック・麻布 231×156.5
須田国太郎 少女 1934 油彩・麻布 117×73
1952 72×90
曽宮一念 スペインの野 1969 64×90
高橋 秀 受胎告知 1970 アクリリック・麻布 162×162
田中善之助 1911 油彩・麻布 71.5×53
田渕安一 三相万華IV 1972 145×114
田村一男 れいめい 1980 97×162.1
津田青楓 研究室に於ける河上肇像 1926 72×61
堂本尚郎 惑星B、R、W 1972 (各)130×130
中川紀元 風景 1920 114.3×78.5
中川直人 白い天使 1973 177.8×147.3
鍋井克之 月光と海水 1956 90.7×116.3
難波田龍起 原始象形 1958 130.9×160.3
野口謙蔵 水村雪後 1938 130×193
長谷川潔 白い花瓶に挿した薔薇その他 c.1938 92×73.4
長谷川三郎 自然 1953 墨・紙 135×133
長谷川利行 1932 油彩・麻布 97×130.3
長谷川昇 黒髪 1968 131.2×64.3
平賀 敬 H氏の優雅な生活 1972 油彩・麻布 181.8×227.3
藤島武二 花籠 1913 63×41
藤田嗣治 メキシコに於けるマドレーヌ 1934 油彩・麻布 90.8×72.8
前田寛治 ポーランド人の姉妹 1923 115×90
三尾公三 回想の刻 1980 アクリリック・合板 162×162
三雲祥之助 パリスの審判 1957 油彩・麻布 112×145.5
三井文二 友達の肖像(大畑為三郎像) 1920 78×73.8
森 芳雄 石膏のある静物 1953 89.5×71
安井曽太郎 1950 74×62
山口 薫 季節の哀歓「田圃と烏」 1953 130×162
山口長男 二つの交叉 1958 油彩・合板 182×365.6
吉原治良 作品(黒地に白円) 1968 油彩・麻布 194×259

新聞雑誌関係記事
文化庁月報No.187
中国新聞/5月6日 福永 治
〃 5月13日
読売(広島版)/4月29日
朝日(〃)/4月29日
愛媛新聞/「近代洋画名作展」から8回連載
 8月19日、8月20日、8月21日、8月22日、8月24日、8月25日、8月26日、8月27日

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