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展覧会マチス展

マチス展

 アンリ・マチス(1869~1954)は、60有余年にわたる絶え間のない研鑽と独自の創造によって、パブロ・ピカソと並んで20世紀絵画最大の巨匠と称されている画家である。

 マチスは印象主義の洗礼を受けたのち、1905年のサロン・ドートンヌにおいて、強烈な色彩をほしいままにするグループの中心的役割をはたし、フォーブの旗手となった。それは、新印象主義の科学的色彩論の制限下にあった色彩を、絵画の全体性という関係に解放するものであり、20世紀絵画の地平を拓いた画期的なものであった。以後のマチスは、今世紀絵画の潮流に身をまかせることなく、彼独自の世界を完成させていった。

 本展は、日本では30年振りに開かれたマチスの展覧会であり、初期からフォーブ、晩年へと、マチスの各時期の特色を示す代表作を含めて、絵画、彫刻、素描、版画、切り絵、タピストリなど約170点を展示し、彼の作品の全貌を明らかにするよう構成された。

 本展は、質、量とも現在わが国で望みうる最高のマチス展であるとして、多数の一般入場者を集めた。また美術研究者からも明確な視点を持った展覧会の構成、研究書としての図録の質の高さなどに賛辞が寄せられた。

会期
5月26日(火)~7月19日(日)
入場者数
総数 173,427人(1日平均 3,613人)
共催
東京国立近代美術館・国際芸術文化振興会・読売新聞大阪本社・読売テレビ放送
後援
外務省・フランス大使館・近畿各府県6市教育委員会
出品目録
油彩
題名 制作年 技法 寸法(cm)
静物(ダヴィド・デ・ヘームによる) 1893 油彩・カンバス 73.3×100.3
シルク・ハットのある室内 1896 80.0×95.0
果物と酒瓶のある静物 60.0×73.0
レモンとオランダ・ジンの瓶 31.2×29.3
風車小屋の庭、アジャシオ 1898 38.0×46.0
画室の裸婦 1899 油彩・紙貼画布 65.5×50.0
逆光のなかの静物 油彩・カンバス 74.0×93.5
青い水差し 1899~1901 66.0×74.0
画家の肖像 1900 64.0×45.0
モデル c.1900 58.0×35.0
ノートルダム 1900 46.0×37.5
紫色のノートルダム 1902 50.0×65.0
静物 1902-03 油彩・カルトン 24.1×34.9
静物 1903 油彩・カンバス 7.0×9.0
日傘の婦人 1905 46.0×38.0
コリウール 油彩・カルトン 24.5×32.5
コリウール風景 c.1905 油彩・板 41.3×33.4
海辺 1905 24.4×32.4
コリウール眺望 1906 油彩・カンバス 59.5×73.0
赤い絨毯のある静物 90.0×116.0
立てる裸婦 1907 92.0×64.8
音楽(スケッチ) 73.4×60.8
豪奢I 210.0×138.0
コリウール風景 60.5×73.5
緑の眼の少女 1908 66.0×50.8
黒と金の裸婦 100.0×65.0
ニンフとサチュロス 1909 89.0×117.0
ダンス(第一作) 1909 油彩・カンバス 259.7×390.1
水浴する人 92.7×74.0
坐る裸婦 33.0×41.0
緑の婦人 65.0×54.0
青いテーブルクロス 88.0×118.0
ナスターチウムの花と《ダンス》 1912 193.0×114.0
カスバの門 116.0×80.0
青い窓 1913 130.8×90.5
リラの枝 1914 146.0×96.0
コリウールのフランス窓 116.0×88.0
縞ジャケット 1909~15 123.0×68.0
マイケル・スタインの像 1916 67.3×50.5
グレタ・ブロゾー 147.0×64.0
オレンジの鉢 54.0×65.0
後向きに坐る裸婦 1917 62.2×47.0
画家の娘 1918 73.0×54.5
ヴァイオリン・ケースのある室内 1918~19 73.0×60.0
横たわる裸婦 1919 35.0×43.0
イッシィの庭 1917~19 130.0×89.0
オリーヴの並木道 1919 74.0×60.0
日傘の女 1920 66.0×47.0
芍薬のある静物 64.7×54.7
室内、7月14日、エトルタ 36.0×44.0
ニース近郊 37.5×45.0
オダリスク 42.0×34.0
女と花束 c.1920 76.0×61.0
窓辺に坐る婦人 1920~21 62.0×50.0
読書の途中で物想いにふける女 1921 54.3×65.3
両腕をあげたオダリスク 〃46.0×38.0
二人の女楽士 1921 油彩・カンバス 91.5×66.0
冬の漁舟、エトルタ 54.0×65.5
窓辺の婦人 66.5×46.0
タンバリンをもつオダリスク 1922 55.0×38.1
樹間の憩 1923 60.0×73.0
裸で立つオダリスク 56.0×34.0
ヴェニス風の奏楽 60.0×73.0
石膏像のある静物 1924 54.0×65.5
パイナップルのある静物 1924 油彩・カンバス 50.5×61.5
小さなピアニスト 21.8×29.5
大きなオダリスク 1925 81.0×116.0
ルー川のほとり 38.3×46.2
装飾的背景のなかの人物 1925~26 130.0×98.0
オダリスク 1926 55.5×46.0
籠のなかのパイナップル 47.0×38.0
踊り子、灰色のハーモニー 1927 56.0×38.0
休息する二人のモデル 1928 46.8×73.3
二人のオダリスク 54.0×65.0
裸婦 1929 60.0×45.0
黄色いドレスの娘 1929~31 100.0×81.3
白いドレスの肖像 1934 113.0×73.0
海水着の女 1935 46.0×33.0
赤い服の女、花飾りの帽子 49.5×26.0
ばら色の裸婦 66.0×92.7
真珠の首飾りの女 1937 66.0×41.0
鏡の前の青いドレス 64.0×49.0
緑のブラウスを着たハンガリー女 1939 61.0×45.0

題名 制作年 技法 寸法(cm)
1940 油彩・カンバス 81.0×65.0
マグノリアのある静物 1941 74.0×101.0
坐る踊り子 1942 33.0×45.5
ばら色の女 55.0×33.0
ばら色のドレスを着た婦人 61.0×46.5
黒い背景の中に坐る婦人 55.0×46.0
レモンと百合紋のある静物 1943 73.4×61.3
二人の娘と芍薬の花束、黒い背景 1947 46.0×55.0
大きな赤い室内 1948 146.0×97.0
黄色いドレスを着たカティア 1951 81.0×60.0

彫刻
題名 制作年 技法 寸法(cm)
少女裸像 1906 ブロンズ h.48.0
横たわる裸婦I 1907 h.35.2
二人の黒人女 1908 h.46.6
後手の坐裸婦 1909 h.29.9
蛇のような女(ラ・セルパンティーヌ) h.56.0
大きなうずくまる裸婦、オルガ 1910 h.42.5
ジャネットIII 1910~13 h.60.0
アンリエットI 1925 h.29.5
アンリエットIII 1929 h.40.0
横たわる裸婦III h.18.7

素描
題名 制作年 技法 寸法(cm)
イタリア人の肖像(ベヴィラクア) c.1902 石墨・鉛筆・紙 30.5×23.0
読書するマルグリット 1906 インク・ペン・紙 39.6×52.1
男の肖像 c.1906 石墨・鉛筆・紙 19.5×11.0
人物たち 26.0×19.0
《豪奢I》のための習作 1907 木炭・紙 225.0×137.0
《ダンス》のための習作 1909~10 木炭・紙貼カルトン 48.0×65.0
黒猫を抱く少女 1910 石墨・紙 27.5×21.4
《ダンス(第一作)》による習作 1909 鉛筆・紙 21.8×35.1
イヴォンヌ・ランズベール 1914 鉛筆・トレッシングペーパー 28.2×21.7
マチス夫人の肖像(三角帽にヴェールをつけた) 1915 石墨・紙 63.0×48.0
羽根帽子の少女、横顔 1919 鉛筆・紙 37.2×24.2
羽根帽子 54.0×36.5
オダリスク 1921 24.6×30.5
少女の顔 1922 黒チョーク・紙 40.6×51.2
アンリエット 木炭・擦筆・紙 47.4×31.0
マルグリットの肖像 1925 鉛筆・紙 25.3×19.0
坐るオダリスク 1926 インク・ペン・紙 27.3×30.3
チェス盤のそばに坐るオダリスク 1927 黒インク・ペン・紙 38.4×55.9
坐る裸婦 1930 石墨・鉛筆・紙 25.0×33.0
坐るオダリスク c.1931 鉛筆・紙 27.9×37.5
横たわる裸婦 1933 石墨・鉛筆・紙 33.0×25.0
女の闘い 1935 木炭・紙 63.5×48.0
後向きに横たわる裸婦 木炭・擦筆・紙 37.5×56.5
うつ伏せに休むモデル 1936 鉛筆・紙 43.8×50.8
白い胸飾り インク・ペン・紙 38.0×28.0
ルーマニアのブラウス 1937 墨・ペン・紙 63.5×49.5
鏡に写った画家とモデル インク・ペン・紙 61.2×40.7
二人の女 1938 37.5×50.5
肱つく東洋の女 1944 墨・ペン・紙 51.0×38.7
《ポルトガルの尼僧》のための習作(ドゥシア) 1945 木炭・紙 51.5×39.5
混血の女 木炭・紙 51.0×38.7
女の顔 インク・ペン・紙 42.0×32.0
マリチニックの女 1947 鉛筆・紙 51.0×38.7
いちじくの枝 1948 木炭・紙 52.0×47.5
《聖ドミニスク》のための小習作 c.1949 黒インク・刷毛・紙 158.0×92.0

版画
題名 制作年 技法 寸法(cm)
彫版師としての自画像 c.1903 エッチング・ドライポイント 15.1×20.1
坐る裸婦 1906 木版 34.2×26.9
顔の半分かくれた裸婦 1914 転写法リトグラフ 50.3×30.5
後向きに坐る裸婦 リトグラフ 42.3×26.4
日本の着物を着たマルゴ エッチング 19.6×10.7
トルソー 1916~17 モノタイプ 17.6×12.8
花束と少女 1923 転写法リトグラフ 17.8×26.0
両腕をあげて坐る裸婦 1924 リトグラフ 61.7×47.8
縞模様のパンタロンのオダリスク 1925 転写法リトグラフ 54.6×44.2
横たわるオダリスクと果物籠 リトグラフ 19.0×27.0
チュールのスカートをつけたオダリスク 1929 28.6×38.1
金魚鉢の前の少女 エッチング 9.2×12.4
花模様のブラウスのマグリット 14.7×10.1
頬杖して坐る婦人 1929 ドライポイント 15.5×12.4
頬杖して坐る裸婦 14.9×9.7
ディアーヌ 1938 リノカット 23.5×19.7
プリマヴェーラ 22.9×16.9
母と子 1951 リトグラフ 30.8×24.5

挿画本
題名 制作年 技法 寸法(cm)
アンリ・ド・モンテルラン『パジファエーミノスの歌(クレタの人々)』 1944 リノカット(18枚) 33.8×26.0
マリアンナ・アルカフオラド『ポルトガル尼僧の手紙』 1946 リトグラフ(19枚) 27.7×21.5
シャルル・ボードレール『悪の華』 1947 エッチング(1枚)木版(69枚)フォト・リトグラフ(33枚) 28.7×23.4
アンリ・マチス『ジャズ』 手書原稿の複写およびシルクスクリーン152枚 42.5×32.8
詞華集ロンサール『恋愛詩集』 1948 リトグラフ(126枚) 38.8×29.9
『シャルル・ドルレアン詩集』 1950 フックシミリとリトグラフ(100枚) 41.2×27.6

切り絵/タピストリー
題名 制作年 技法 寸法(cm)
踊る人 1937~38 グワッシュ 切り紙 75.0×62.0
黒人ボクサー 1947 32.0×25.5
ミモザ 1949 148.0×96.5
ミモザ 1951 タピストリー 148.0×96.5
表紙デザイン-アルフレッド・H・バーII世著『マチス-その芸術と大衆』 1951 グワッシュ・切り紙 27.0×42.9
ポリネシア、空 1947 タピストリー 197×315
ポリネシア、海 1948 200×310

新聞雑誌関係記事
朝日/6月13日
京都/6月13日
公明/4月12日
サンケイ/5月22日、6月29日(高橋 亨)
日経/3月27日
毎日/5月12日(田中幸人)
読売/2月25日(夕)(鈴木 敬)、3月11日(村瀬雅夫)、5月2日(潮江宏三)、5月21日(安黒正流)、5月23日(夕)(中原佑介)、5月24日(加山又造、大森達次)、
 5月26日、5月28日、6月9日(夕)(生島遼一)、6月10日(中島徳博)、6月20日(夕)(河野多恵子)、6月21日(小倉忠夫)、
 6月26日(夕)、6月28日、7月2日(高橋 亨)、7月2日(夕)(村田慶之輔)、7月3日(石阪春生、乾 由明、岡田隆彦、三輪晁勢、山本格二)
 7月10日(夕)
 4月2日~7月16日(夕)(「マチスと私」30回連載)
 5月8日~30日(夕)(「マチス色彩の饗宴」11回連載、安黒正流)
 5月13日~7月15日(夕)(「マチス展への招待」10回連載、安黒正流)
 6月4日~6日(「マチスの女たち」3回連載)
 4月8日~7月15日(「マチスの言葉」15回連載、鈴木 敬)
新美術新聞 No.257(本江邦夫)
三彩 No.405(島田紀夫)
みつゑ No.913(「特集・アンリ・マチス」中原佑介、堀 浩哉、木島俊介、中島理壽)
〃 No.914 南シンボー
美術手帖 No.479(本江邦夫)

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