ソ連邦所蔵のフランス近代絵画展 −−プーシキン、エルミタージュ両美術館から−−

 本展はソ連邦の国外美術の宝庫といわれるプーシキン美術館及びエルミタージュ美術館の所蔵になるフランス近代絵画を紹介したものである。

 モスクワにあるプーシキン美術館は1912年にモスクワ大学附属の学術・補助コレクションとして創設されたが、十月社会主義革命後、個々の美術館相互の名画の合理的再配分や個人コレクションの国有化を基盤として、その面目を一新した。現在では3,000点以上の絵画、約35万点の版画やデッサン、エジプトおよび古代ギリシア、ローマの世界的に有名な美術品、また古銭、彫刻、工芸の興味深いコレクションは約50万点以上に達している。

 レニングラードのエルミタージュ美術館は、ピョートル大帝(在位1682−1725)の冬宮殿に始まりエカテリーナ帝を経て、十月社会革命による政策によりそのコレクションが決定的に充実した古い歴史を持つ美術館である。フランスのルーブル美術館、イギリスの大英博物館と併び称せられる大美術館であることは周知のとおりである。

 今回両美術館から出品されたフランス近代絵画は、同時代に生きたモロゾフ及びシチューキンという世界的に著名なコレクターが、美術への愛情と抜群の鑑識眼と富によって、競いあって蒐集した大量にして質の高い作品群から選ばれたものである。この二人のコレクターはロシアの画家の助言をよく受入れ、フランスの展覧会や画家自身から、直接作品を買い入れたことが特色となっている。当時フランスではまだ正当な評価を得ていなかった印象派の画家たちの作品は、モスクワにもたらされるや好意的に迎えられ、ロシア美術界の財産となったばかりでなく、それらは進歩的なロシアの画家にとっての制作目標となり、ロシア美術に与えた影響は少くなかった。

 本展に出品された彫刻2点を含む73点の作品は日本ではほとんど未公開のもので、多くの鑑賞者たちに深い感銘を与えた。

会期
4月17日(火)−5月27日(日)
入場者数
総数 117,729人(1日平均3,270人)
共催
テレビ朝日 朝日新聞社 笠間日動美術館
後援
外務省 文化庁 朝日放送 ソ連邦文化省 在日ソ連大使館 朝日イブニングニュース社
出品目録
絵画
作者名 題名 制作年 材質 寸法(cm)
カミーユ・ピサロ モンマルトル大通り、パリ 1897 油彩・カンヴァス 73×92
アルフレッド・シスレー セーヌ河畔の村、ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌ 1872 59×80.5
ポール・ゼザンヌ カスケット帽を被った自画像 1873-75 53×38
果物 1879-1880 45×54
ジャ・ド・ブッファン 1885-1887 72×91
ポール・セザンヌ 水浴する人々の習作 1890年代初期 油彩・カンヴァス 26×40
煙草を喫う男 1895-1900 91×72
クロード・モネ モンジュロンの池 172×193
ディエップ附近の断崖にて 1897 64.5×100
睡蓮 1899 89×93
ロンドンのウォータールー橋(霧の効果) 1903 65×100
ピエール=オーギュスト・ルノワール 黒衣の婦人 1876-1877 63×53
鞭をもつ子供 1885 105×75
アンリ・ルソー 丘、サン=クルーとベルヴュの眺め 1908 80×102
熱帯の森(虎と牡牛の闘い)−森の小道で 1908 46×55
アメリカひょうに襲われる馬 1910 90×116
ポール・ゴーギャン 果物のある静物 1888 43×58
部屋の中のチヒチの女たち 1896 65×75
二匹の山羊のいる風景 1897 92×73
ジャン=フランソワ・ラファエリ サン=ミッシェル大通り 1890年代 64×77
ジャン=ルイ・フォラン 競馬 c.1880 38×45
フィンセント・ファン・ゴッホ ドクトル・レイの肖像 1889 64×53
ポール・シニャック 砂浜の崖 1890 65×81
アンリ・ルバスク 水浴の前 c.1907 72×54
ピエール・ボナール 早春(小さな牧神たち) 1909 102.5×125
パリの朝 1911 76.5×122
エドワール・ヴュイヤール 室内にて 1904 油彩・カルトン 50×77
アンリ・マティス 赤い部屋(デザート、赤のハーモニー) 1908-1909 油彩・カンヴァス 180×220
タンバリンを持つスペインの踊子 1909 92×73
果物と花と「ダンス」の絵 1909 89×116
セヴィリアの静物 1910-1911 90×117
アトリエの一隅 1912 191.5×115
モロッコの女(立てるゾラ) 1912 146×61

作者名 題名 制作年 材質 寸法(cm)
モーリス・ドニ 画家の妻マルタ・ドニの肖像 1893 油彩・カンヴァス 45×54
アンリ=シャルル・マンギャン 水浴する女 1906 61×49
アルベール・マルケ 冬のパリ、ノートル=ダム寺院 c.1908 65×81
ハンブルクの棧(曳き船) 1909 63×81
パリのラ・トリニテ広場 1911 81.5×65
モーリス・ド・ヴラマンク セーヌの眺め 1905-1906 51×64.5
湖畔の村 1907-1909 80×99
キース・ヴァン・ドンゲン スペインの女 1908年以前 46×39
リュシーヒそのパートナー 1911 130×90
エミール・オットン・フリエス ミュンヘンの雪 1909 64×80
アンドレ・ドラン 舟干し 1905 82×101
新しい城館(ラ・ロシュ・ギヨン) 1910 66×82
頭蓋骨のある静物 1912 72×119
フュルナン・レジェ ナージャ・レジェ夫人の肖像 1949 92×73
パブロ・ピカソ あいびき 1900 油彩・カルトン 52×56
庭の小さな家 1908 油彩・カンヴァス 73×61
裸婦 1909 100×81

彫刻
作者名 題名 制作年 材質 寸法(cm)
アンリ・マティス 足の習作 1909-1910 ブロンズ H.30
貝殻のヴィーナス 1930 H.31

素描・版画
作者名 題名 制作年 材質 寸法(cm)
アンリ・マティス ロシアのブラウスを着た女 1942 墨ペン 53×40.5
水さしと大皿の桃 1944 52.3×40.2
フュルナン・レジェ 肖像画のための習作 1945 墨・白色顔料、画筆 40×49
ピクニック習作 1951 41×61
曲芸師 カラー・リトグラフ 49.5×66.5
恋人たち、「ピクニック」のための習作 66×52
ひまわりと彫刻 54.5×76
ひまわりのある風景 70.5×54
建設者たち 59×81.5

作者名 題名 制作年 材質 寸法(cm)
パブロ・ピカソ 友情(習作) 水彩・グワッシュ 63×47.7
闘牛士の槍を持ったダンス 1954 リトグラフ 66×65.5
平和のはと 1950 50.2×76.7
フランソワーズ 1949 65.6×50
バッカスの祭 1959 カラー・リノカット 62×75
ランプのある静物 1962 75.2×62.1
スペイン風のカラーをつけた婦人 1963 62.2×44.1
マルク・シャガール 男と牡牛の頭のあるコンポジション カラー・リトグラフ 75×56.4
祝い卓●につく二人の女 74×57.7
サーカスのフィナーレ 73.1×53.9
静物 59.2×76
曲芸師 48×32.9

新聞雑誌関係記事
朝日/4月20日、21日(夕)(池上忠治)、4月25日〜5月5日(8回連載 加藤類子、島田康寛、小倉忠夫、内山武夫)
●●/4月23日(夕)(安黒正流)
京都/4月28日(津田潤一郎)
毎日(夕)/5月18日
美術手帖449(阿武正幸)、同451(対談/中原祐介・二見史郎、木島俊介)
絵181(長谷川智恵子)、同183(C・A・グリヤーノフ、木村 浩、小倉忠夫)
ビジョン9-6(藤森)
嵯峨572

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