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展覧会佐伯祐三展

佐伯祐三展

 佐伯祐三(1898-1928)は、30歳でパリに客死した夭折の天才画家として、その名はあまりにも有名であり、その回顧展もこれまで何回か開催されてきた。佐伯祐三の芸術に対する傾倒者は今日ますますその層を広げているが、本年は佐伯歿後50年に当り、これを機に開催されてた本展は、これまでのあらゆる佐伯祐三展を上回る規模と内容で佐伯芸術の真価を新しく問い直そうとするものである。

 佐伯祐三がパリに渡ったのは、東京美術学校を卒業した大正12年(1923)で、フォーヴィズムの巨匠ヴラマンクに会い、その生命の燃焼を激しく表出する芸術に目を開かれた。やがて、パリの街を詩情豊かに描くユトリロの絵にも深い感銘を受け、民衆の生活の匂いのしみこんだパリの裏街の光景にモティーフを求めるようになる。その後一年余りの帰国時代を経て、再びパリに渡った佐伯の制作活動はいよいよ激しさを加え、この時期の鋭く強い黒の線や、奔放でありながら繊細な色彩によって表現された彼の作品は、ヴラマンクやユトリロを突きぬけた、日本人として彼自身の感性に支えられたものとなっている。

 当時、各国からの多彩な個性が競いあうエコール・ド・パリの芸術環境に身をおいた滞仏日本人画家にとって、油絵を血肉化し日本人としての個性表現を獲得することが課題となっていたが、この課題は捨て身の気構えで制作にのぞんだ佐伯祐三によって一つの道が開かれたといえる。

 佐伯祐三は、わずか5年ほどの短い期間におどろくべき数の作品を残したが、今回はそのうち約200点を展示し、幅広い鑑賞者の目を娯しませた。

会期
6月6日(火)~7月9日(日)
入場者数
総数 80,320人(1日平均2,677人)
共催
東京国立近代美術館 朝日新聞社
出品目録
題名 制作年 材質 寸法(cm)
自画像 1917 油彩・キャンヴァス 45.4×33.5
自画像 c.1917 45.4×37.9
自画像 46.0×32.5
自画像 45.5×33.4
帽子をかぶる自画像 c.1922 73.0×53.4
自画像 45.5×33.3
彌智子像 c.1923 44.9×44.7
ベッドに坐る裸婦 1923 91.2×65.5
自画像 60.3×45.2
扇をもつ婦人像 c.1923 80.5×53.5
裸婦習作 80.5×53.0
自画像 53.5×45.7
ノートル・ダム遠望 1924 油彩・キャンヴァス 65.0×53.3
パリ遠望 60.5×72.8
パレットをもつ自画像 72.0×61.0
森と広場 c.1924 37.5×45.5
裸婦 1924 60.7×49.9
裸婦 51.0×63.0
立てる自画像 73.5×48.0
オワーズ河周辺風景 59.0×79.3
オワーズ河周辺風景 63.0×75.5
オワーズ河周辺風景 45.5×53.0
オワーズ河周辺風景 38.5×45.5
オワーズ河周辺風景 1924 油彩・キャンヴァス 54.0×65.0
セーヌ河の見える風景 油彩・板 36.5×45.4
教会 油彩・キャンパス 31.9×40.9
クラマールの午後 53.0×64.5
オニー風景 c.1924 50.0×60.6
オニー風景 c.1925 51.7×64.0
田舎のホテル 1924 62.5×53.0
教会 c.1924 46.0×38.5
パリの裏街 60.0×73.0
教会 1924 60.0×73.0
村の教会堂 c.1925 44.5×59.0
教会堂 1925 46.0×54.0
村役場 37.7×45.5
村役場 60.5×72.5
村役場 c.1925 30.8×40.0
クラマール 1925 59.7×71.4
ノートル・ダム(マント・ラ・ジョリ) 79.5×59.0
ノートル・ダム(マント・ラ・ジョリ) 78.7×52.5
夜のノートル・ダム(マント・ラ・ジョリ) 77.5×52.5
パリ雪景 c.1925 65.0×80.0
パリ雪景 1925 60.5×72.7
パリ歩道スケッチ c.1925 31.8×22.8
パリの裏通り 1925 44.0×34.0
エッフェル塔の見える通り 40.0×31.0
リュ・デュ・シャトー 37.8×45.2
リュ・デュ・シャトー 52.8×63.7
パリ15区街 52.5×64.0
ブランジュリー 80.0×65.4
パリ風景 41.0×32.0
リュ・デュ・シャトー 59.5×72.8
エッフェル塔の見える通り 65.0×81.0
食料品店 65.0×80.7
リュ・ヴェルサンジェトリックス 59.5×74.0
エッフェル塔の見える通り c.1925 44.3×35.5
リュ・ブランシオン 59.8×73.0
パリの街角 64.5×41.0
運送屋(カミオン) 65.5×72.5
靴屋(コルドヌリ) 73.2×60.0
靴屋(コルドヌリ) c.1925 油彩・キャンヴァス 72.5×59.0
71.0×59.3
靴屋(コルドヌリ) 61.0×73.0
絵具屋(クルール・エ・ヴェルニ) c.1925 45.0×53.0
ビエール・デュメニル 1925 53.0×73.0
パリ店頭風景 58.0×72.0
メゾン・ルージュ 44.0×36.0
自動車小屋 51.5×71.3
洗濯屋(オ・プティ・ソミュール) 72.2×59.3
レ・ジュ・ド・ノエル 72.3×60.8
レ・ジュ・ド・ノエル 71.5×58.3
酒場(オ・カーヴ・ブルー) 71.5×59.0
霧の日・壁のある通り 46.0×38.0
坂のある道 52.0×64.3
リュ・デュ・シャトーの歩道 60.5×73.3
レストラン 60.5×72.8
レストラン 53.0×65.0
ヴォージラールの家 64.0×79.5
パリの裏街 53.5×79.5
61.0×91.0
ロカション・ヴォワチュール 63.5×79.0
ガソリン・スタンド 53.0×73.0
広告のある門 60.0×73.3
子供の顔 c.1925 41.0×31.7
フランスの少年 39.8×30.6
彌智子像 64.0×54.0

題名 制作年 材質 寸法(cm)
彌智子像 c.1925 油彩・キャンヴァス 65.1×53.0
休息(鉄道工夫) 1925 60.0×72.5
アネモネ c.1925 45.5×27.0
アネモネ 45.5×27.0
31.8×40.7
ポスターとローソク立て 1925 46.0×54.0
1925-26 37.9×45.5
絵具箱 44.6×51.2
絵具箱 53.0×65.0
キュラソーの瓶のある静物 c.1925 49.5×60.0
石炭のある静物 60.4×72.6
テレピン油のある静物 51.2×63.4
人形 33.0×31.0
下落合風景 c.1926 61.0×73.0
下落合風景 61.0×73.0
新橋風景 1926 60.0×72.0
シグナル c.1926 59.6×71.8
肥後橋風景 1926-27 60.7×90.7
滞船 c.1926 53.0×65.0
滞船 31.0×39.5
滞船 60.9×73.0
滞船 60.8×91.0
滞船 45.0×52.0
滞船 59.6×72.0
滞船 53.0×65.1
31.8×41.0
下落合風景 1927 32.0×41.0
神戸風景 c.1927 53.0×72.5
雪景色 60.2×72.5
雪景色 57.0×69.3
リュクサンブール公園 1927 油彩・キャンヴァス 71.0×59.0
オプセルヴァトワール附近 73.0×92.0
オプセルヴァトワール附近 54.0×65.0
門の広告 58.8×81.3
65.2×80.3
ラコルデール街 c.1927 72.0×60.0
場末の街 1927 59.0×72.0
リュ・デュ・シャトー c.1927 57.0×70.0
鐘楼のある風景 73.5×60.0
パリの坂道 1927 73.5×60.3
街角の広告 80.5×65.0
広告塔 79.5×52.8
広告のある街角 c.1927 60.0×73.0
道と広告 1927 73.0×60.0
広告(アン・ジュノ) 65.0×80.5
パリ街景 64.0×80.0
レストラン(オ・レヴェイユ・マタン) 60.0×72.5
モンパルナスの古い通り 60.3×73.1
新聞屋 73.6×60.2
広告貼り 71.0×58.6
ラ・クロッシュ 52.5×64.0
ガス灯と広告 65.5×100
店頭風景 c.1927 26.5×34.0
広告(ヴェルダン) 1927 54.1×65.2
カフェ・レストラン 61.0×50.3
バーの入口 60.0×49.0
プティ・レストラン 54.1×65.2
カフェのテラス(オテル・デュ・マルシュ) 51.5×63.4

題名 制作年 材質 寸法(cm)
レストラン(オテル・デュ・マルシュ) 1927 油彩・キャンヴァス 51.7×64.0
寺院 c.1927 60.5×73.0
靴屋 58.5×71.0
男の顔(K氏の像) 1927 31.5×22.5
共同便所 1928 71.0×58.5
サン・タンヌ教会 72.5×59.7
パンテオン 65.0×53.0
工場 73.4×60.3
モランの寺 53.4×70.0
モランの寺 60.3×73.0
モランの寺(サン・ジェルマン・シユル・モラン) 60.3×73.0
モランの寺 37.1×44.5
モランの寺 49.2×60.0
街はずれの寺 58.4×71.0
村の風景 48.4×58.6
村と丘 60.1×73.3
村と丘 58.8×71.0
モラン風景 油彩・厚紙 38.0×45.0
モラン風景 油彩・キャンバス 50.0×61.2
村役場 53.0×72.7
カフェ・レストラン 59.0×71.5
納屋 60.5×72.5
煉瓦焼場 68.5×71.5
モラン風景 58.3×90.5
ホテルの裏庭 61.0×50.0
郵便配達夫 65.0×54.5
郵便配達夫 79.5×63.8
ロシアの少女 65.0×53.8
73.3×60.4
黄色いレストラン 73.0×60.8
自画像 c.1919 コンテ・紙 28.5×18.0
自画像 水彩・紙 19.5×14.8
自画像 インク・紙 27.2×17.5
自画像 1921 鉛筆・紙 27.5×17.5
オワーズ河周辺風景 c.1924 水彩・紙 29.5×45.0
アルルのはね橋 1924 21.2×27.2
ヴェネツィア風景 1926 23.8×31.0
ヴェネツィア風景 鉛筆、淡彩・紙 24.0×27.0
アッシジの聖堂 水彩・紙 31.3×23.7
サン・フランチェスコ聖堂 1926 水彩・紙 24.5×32.0
サン・フランチェスコ聖堂 25.1×32.0
アッシジ風景 28.0×22.3
ターバンを巻いたインド人 コンテ、水彩・紙 31.5×41.3
銀座風景 1926-27 鉛筆、コンテ、クレヨン・紙 17.8×28.0
風景 ペン、筆・紙 17.5×28.0
風景 28.0×17.5
風景 28.0×18.0
人物・動物スケッチ ペン・紙 17.5×27.5
四人の欧人の顔(レンブラント「トゥルプ博士の解剖」から) 鉛筆・紙 28.2×18.5
レンブラント模写 ペン、インク・紙 26.8×18.1
レンブラント模写 26.8×18.1
宝石カットデザイン 17.0×26.3

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朝日/5月30日~6月3日(5回連載、福永重樹、島田康寛、加藤類子、内山武夫、小倉忠夫)
6月1日(夕)(池田弘)、9日、20日(夕)
6月20~24日(4回連載、多田真理、有馬頼底、中村善種、川村夏子)、28日(夕)(今泉篤男)
京都/6月17日
サンケイ/6月23日
毎日(夕)/7月3日(山村悟)
読売/7月8日(村田慶之輔)
日経/8月1日(滝悌三)
みづゑ883<1978年10月号>(平井亮一)
美術手帖435<1978年7月号>(中村義一)

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