ロシア美術館名作展 併陳 ソ連政府寄贈福田平八郎作品展

 ロシア美術館は、トレチャコフ美術館と並んでロシア民族の造形芸術の二大宝庫といわれている。今回の展覧会は、このロシア美術館の所蔵品の中から、19世紀後半から最近までの主要な作品31点を選んで展示した。この間には1917年のロシア革命があり、大きくそれ以前と以後に時代を大別することができるのはいうまでもない。

 19世紀後半は、ロシア美術にとって、芸術的表現のはなやかな発展の時期である。それは批判的リアリズムと呼ばれ、その理論的基盤となったのは、革命的民主々義者たちの美学教義で、美なるものは一生活である、画家はそれを自己の作品の中に正しく反映しなければならない、というものであった。それは、リアリズムを内に秘めたローマン主義として現われ、アイワゾフスキーの「第九の怒涛」などの風景画によく代表される。また風俗画においても日常生活をとらえて、するどい現実批判の精神を潜ませている。

 革命後は、社会主義リアリズムの創作方法を標ぼうするソビエト美術の形成と発展が始まった。何よりもまず社会の出来事や現象を確実にキャンヴァスに定着しようとする動きから、一層複雑で徹底的な事件の解明へ、また表現豊かな芸術的普遍化へと持っていった。

 今回の展示では、これまであまり紹介されることがなかったこうしたロシア・ソビエト美術の流れを知ることができるように配慮された。

 なお、2階会場において、1975年にソ連政府から日本に寄贈され、当館の所蔵品となった福田平八郎作品42点を併せて展示した。

会期
7月5日(火)〜7月31日(日)
入場者数
総数66,626人(1日平均2,776人)
共催
ソ連邦文化省 日本対外文化協会 富士美術館 財団法人国際美術協会 朝日新聞社
後援
外務省 文化庁 在日ソ連邦大使館 ソ連邦対外文化交流友好団体連合会 ロシア美術館 朝日イブニングニュース社
出品目録
作家名 生歿年 題名 制作年 寸法(cm)
アイワゾフスキー、イワン・コンスタンチノビッチ 1817-1900 第九の怒涛 1850 220.5×332.2
ゲー、ニコライ・ニコラエビッチ 1831-1894 執筆するレフ・トルストイ 1884 97.2×72.5
マコフスキー、ウラジーミル・エゴロビッチ 1846-1920 判決を受けたナロードニキ 1879 76.5×113.0
レーピン、イリヤ・エフィモビッチ 1844-1930 V.D.スパソビッチの肖像 1891 93.5×75.5
サブラーソフ、アレクセイ・コントラチエビッチ 1830-1897 1875 45.0×65.7
フシーリエフ、フョードル・アレクサンドロビッチ 1850-1873 雪どけ 1871 55.5×108.5
シーシキン、イワン・イワノビッチ 1832-1898 晴れた日 1895 139.3×104.2
レビターン、イサーク・イリイチ 1860-1900 黄金の秋 1889 42.7×67.0
セローフ、ワレンチン・アレクサンドロビッチ 1865-1911 馬の水浴 1905 72.0×99.0
ネーステロフ、ミハイル・ワシリエビッチ 1862-1942 隠者 1890 91.0×84.3
コロービン、コンスタンチン・アレクセエビッチ 1861-1939 静物 1916 106.0×88.0
マリャービン、フィリップ・アンドレエビッチ 1869-1940 ベーラ 1913 106.5×85.5
セレブリャコーワ、ジナイーダ・エブゲニエブナ 1884-1967 履物をはく農婦 1915 81.2×96.2
ルィローフ、アルカージー・アレクサンドロビッチ 1870-1939 緑のざわめき 1904 107.0×146.0
アルヒーポフ、アブラム・エフィモビッチ 1862-1930 洗濯女 1901 97.3×66.0
グレーコフ、ミトロファン・ボリソビッチ 1882-1934 赤軍、ノボチェルカスク占領 1925 56.0×149.0
ブロッキー、イサーク・イズライレビッチ 1884-1939 メーデー 1930 89.0×61.0
サモフワロフ、アレクサンドル・ニコラエビッチ 1894-1971 わが青春 1928 66.0×50.6

作家名 生歿年 題名 制作年 寸法(cm)
ベトロフーボトキン、コジマ・セルゲエビッチ 1878-1939 警報・1919年 1934 169.0×138.0
トゥイルサ、ニコライ・アレドレエビッチ 1887-1942 テラスにて 1935 85.3×64.5
ゲラーシモフ、アレクサンドル・ミハイロビッチ 1881-1963 麦畠 1946 127.0×169.0
ドマシニコフ、ボリス・フョードロビッチ 1924- 夕べの町はずれ 1957 100.0×125.0
ボガエフスカヤ、オリガ・ボリソブナ 1915- 誕生日のお客様 1960 150.0×180.3
セローフ、ウラジーミル・アレクサンドロビッチ 1910-1968 レーニンと共に 1961 221.0×192.5
チュイコフ、セミョーン・アファナシエビッチ 1902- 黒いマドンナ 1962 145.0×117.0
ロマジン、ニコライ・ミハイロビッチ 1903- ツァレブナ川 1954 51.5×73.5
モイセーエンコ、エフセイ・エフセエビッチ 1916- 青春に燃えて 1973-75 150.0×230.0
ザゴネク、ビャチェスラフ・フランツェビッチ 1919- 嵐がすぎて 1961 170.0×266.0
レビーチン、アナトーリー・パブロビッチ 1922- 暖かな日 1957 190.0×122.0
コーリン、パーベル・ドミトリエビッチ 1892-1967 ゼリンスキーの肖像 1940 88.0×88.0
トカチョフ、セルゲイ・ペトロビッチ トカチョフ、アレクセイ・ペトロビッチ 1922- 1925- 「レーニンの灯」と人々は呼んだ 1972 170.0×227.0
ストジャロフ、ウラジーミル・フョードロビッチ 1926-1973 白夜 1967 105.0×147.0

ソ連寄贈福田平八郎作品展 出品目録

題名 制作年 材質・形状 寸法(cm)
春昼 紙本彩色・軸装 123.2×32.6
小禽喜戯 紙本淡彩・軸装 122.3×32.1
秋庭 124.6×30.8
早春 紙本彩色・軸装 124.0×31.0
初冬 143.5×31.3
犬児 1914 121.0×29.8
1916 132.5×56.0
牛車 134.5×30.9
山村冬 137.0×34.5
少女 1917 39.7×50.8
納涼 124.0×31.2
絹本彩色・軸装 32.7×36.6
浅春 29.0×26.4
双鶴 143.0×57.4
柳花に小禽 紙本淡彩・軸装 30.2×44.1
若萩 紙本彩色・軸装 133.0×30.7
冬日 36.0×46.2
河豚 紙本淡彩・軸装 31.1×40.5
朝顔 絹本彩色・軸装 37.5×50.7
芥子花 39.7×50.8
芥子 37.6×42.7
牡丹 紙本彩色・軸装 39.0×49.2
真鯉 絹本彩色・軸装 55.3×72.2
花菖蒲図 1934 絹本彩色・額装 145.0×82.8
柘榴 1937 紙本彩色・軸装 18.5×58.0
青柿写生 1938 37.2×54.2
茄子 1939 18.8×25.4
茄子 18.4×51.5
31.0×46.0
躅躑の頃 絹本彩色・軸装 35.0×42.2
朝露 紙本彩色・軸装 125.6×31.2
紫陽花 140.7×29.3
桔梗女郎花 紙本淡彩・軸装 29.8×42.4
紅葉小禽 紙本彩色・軸装 31.2×41.7
早春 絹本彩色・軸装 136.6×42.2
清晨 141.5×51.0
大勝利 1942 紙本彩色・軸装 131.0×33.0
紅梅紋鶲 1942 143.5×31.3
紅梅紋鶲 143.5×31.3
白梅緋鷽 38.6×54.8
18.3×51.5
1942 絹本彩色・軸装 55.2×72.0

新聞雑誌関係記事
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朝日/7月2日、7月14日〜20日6回連載 7月24日(池田 弘)
読売(夕)/7月15日(山田幸平)
京都/7月16日(津田潤一郎)
毎日(夕)/7月28日(亀田正雄)

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