イタリア古版画展 −15世紀から18世紀− 併陳 近代日本の版画−所蔵作品より−

 イタリアではいろいろな彫版術、とりわけ金属板の表面に彫り付けをする技法が、15世紀から始まって広く用いられ改良されつづけてきた。ルネサンス期の著名な美術家たちの間においても、幾度となくテクニックの問題をのり越えようとする試みがなされ、版画は次第に独自の表現性と創造性とを獲得し、独創的な芸術としての位置を築いていったのである。

 今回展示したのは、15世紀半ばから18世紀末までの、つまりイタリアの芸術がヨーロッパ文化の主流をなし、版画が絵画や彫刻と並んで独創的な芸術の技法・表現として発達した時期の初期ルネサンスから新古典主義の出現までの約4世紀間に専ら版画家として、あるいは画家や彫刻家として活躍してきた優れた作家たちの代表的な作品で、これらを通してイタリア版画の歴史的側面を跡付けようとするものである。

 今回展示された作品はすべて、ローマ国立版画収集館の収蔵品の中から数点の極く稀覯なものを含めた貴重なものばかり72点が選ばれている。本展によって、イタリア版画史上に、それぞれの新しい技法の開拓によってその名をとどめている作家の作品を親しく鑑賞できる機会となった。

会期
4月15日(金)〜5月15日(日)
入場者数
総数8,158人(1日平均302人)
共催
神奈川県立近代美術館 イタリア文化会館 ローマ国立版画収集館
総監修
イタリア大使館
出品目録
作者名 題名 技法 寸法(cm)
15世紀フィレンツェ派 予言者ヨナ ビュラン:マニエラ・ラールガ 17.4×10.5
予言者イザヤ 17.6×10.5
巫女ペルシカ 17.4×10.6
巫女デルフィカ 17.7×10.5
クリストーフォロ・ロベッタ(1462年〜1535年頃) 東方三賢者の礼拝 ビュラン 29.9×27.6
愛の寓意 29.9×28.4
カイン、アベルを殺す 17.2×14.2
アントーニオ・ポライオーロ(1432年〜1498年) 戦士たち 39.3×58.3
アンドレーア・マンテーニャ(1431年〜1506年) シレノスのいるバッコスの祭り 27.8×45.0
大樽のあるバッコスの祭り 31.5×44.1
トリトンとの闘争(右半分) 28.8×40.1
ジローラモ・モチェット(1458年頃〜1531年頃) ホロフェルネスの首をもつユーディット 33.1×21.4
ヤーコポ・デ・バールバリ(1460年から1470年の間〜1516年) 三人の捕虜 15.9×10.0
聖なる対話 15.2×19.1
ドメーニコ・カンパニョーラ(1500年〜1564年) 風景 木版 34.0×45.2
ニコレット・ダ・モーデナ(1500年から1512年まで記録がある) 降誕 ビュラン 35.2×22.8
マルカントーニオ・ライモンディ(1480年頃−1527年以後) 攀じのぼる人々(ミケランジェロによる) 28.7×22.8
沓を履く男(ミケランジェロによる) 15.4×13.9
嬰児虐殺(ラファエッロによる) 27.5×42.6
パリスの審判(ラファエッロによる) 29.5×44.2
バルナッソス 35.2×46.8
クオス・エゴ 42.3×32.9
ウーゴ・ダ・カルピ(1980年頃〜1532年) ディオゲネス 4度刷りキアロスクーロ 46.3×35.5
アナニアスの死 3度刷りキアロスクーロ 24.0×37.1
ドメーニコ・ベッカフーミ(1486年〜1551年) 聖ピリポ 39.8×20.9
アンドレーア・アンドレアーニ(1540年頃〜1623年または1626年) 東方三賢者の礼拝 38.4×27.4
フランチェスコ・マッツォーラ、通称パルミジャニーノ(1503年〜1540年) 瞑想 アクアフォルテとビュラン 13.0×11.4
脚萎えを癒す アクアフォルテ 25.5×39.8
ニコロ・ボルディーニ(16世紀中頃) ヴェヌスとクピドー 木版によるキアロスクーロ 31.6×23.2
フェデリーゴ・バロッチ(1535年〜1612年) 聖告 アクアフォルテ 42.0×30.8
聖痕を受ける聖フランチェスコ 23.4×15.1
アニーバレ・カラッチ(1560年〜1609年) ピエタ アクアフォルテ、ビュラン及びプンタセッカ 12.5×16.4
聖家族 アクアフォルテとビュラン 16.2×22.9
燕の聖母 ビュラン 15.3×12.2
アゴスティーノ・カラッチ(1557年〜1602年) メルクリウスと三美神 20.1×25.4
クビドーに従う牧神 12.5×18.6
グイード・レーニ(1572年〜1624年) イエスとサマリアの女 アクアフォルテ 29.2×21.8
聖家族 23.0×14.7
バルトロメーオ・コリオラーノ(1599年〜1676年) 巨人たちの失墜(部分) 3度刷りキアロスクーロ 25.8×19.6
平和と豊饒の提携 2度刷りキアロスクーロ 20.9×15.2
ジォヴァン・フランチェスコ・グリマルディ(1606年〜1680年) 風景 アクアフォルテ 19.5×19.5
サルヴァトール・ローザ(1615年〜1673年) 眠る英雄 アクアフォルテ及びプンタセッカ 35.2×23.4
トリトンの戦い プンタセッカを加えたアクアフォルテ 10.9×16.4
ステーファノ・デッラ・ベッラ(1610年〜1664年) エジプト逃避途上の休息 アクアフォルテ 8.9×13.7
リヴォルノ港の眺め:四人の黒人の記念碑 25.0×37.3
リヴォルノ港の眺め:突堤の船 25.4×35.2
ローマの眺め:フォーロ・ボアーリオ 31.2×28.3
ジオヴァンニ・ベネデット・カスティリョーネ、通称グレケット(1610年〜1665年頃) 偶像を探すラバン 25.1×33.8
降誕 30.1×20.8
ラザロの復活 22.8×31.7
ジオヴァンニ・ベネデット・カスティリョーネ、通称グレケット(1610年〜1665年頃) 天才 アクアフォルテ 36.8×28.4
ピエトロ・テスタ、通称ルッケジーノ(1611年〜1650年) 悔悛の聖ヒエロニムス 31.1×23.3
東方三賢者の礼拝 43.4×36.1
ジゥリオ・カルピオーニ(1613年〜1679年) バッコスの祭り 10.9×31.9
牧神とサチュロスたちの舞踏 12.8×40.9
アントン・マリーア・ザネッティ(1680年〜1767年) とびら 2度刷りキアロスクーロ 23.5×18.8
キリストの亡骸を墓に移す弟子たち 18.8×11.8
ジァンバッティスタ・ティエーポロ(1696年〜1770年) 東方三賢者の礼拝 アクアフォルテ 43.4×29.0
<幻想の戯れ>より:第9番−二人の妻に語りかけるプルチネッラ 24.4×18.6
<狂想譜>より:第5番−サテュロスと2匹の山羊を伴うニンフ 14.0×17.3
<狂想譜>より:第8番−死の引見− 14.0×17.5
アントーニオ・カナル通称カナレット(1697年〜1768年) マルゲーラの塔 29.4×42.4
角灯のある回廊 29.5×42.8
ドーロの水門 29.6×42.6
ドーロとその運河 29.3×42.3
ジァン・バッティスタ・ピラネージ(1720年〜1778年) 牢獄より:第5図 56.6×41.5
牢獄より:第13図 40.8×55.6
ローマの景観より:ティトゥスの凱旋門 40.3×61.4
ローマの景観より:ティベリーナの中洲 47.3×71.0
フランチェスコ・バルトロッツィ(1728年〜1813年) 眠る幼女 アクアフォルテ・点刻 22.8×22.8
コリオラヌス 40.6×49.9
水浴する子供たち アクアフォルテとビュラン 23.8×33.4

併陳 近代日本の版画−所蔵作品より− 出品目録

作者名 題名 制作年 技法・材質 寸法(cm)
靉嘔 RainbowPassesSlowly,fromtheDictionary2. 1971 シルクスクリーン・紙 54.5×73.5
〃3. 54.5×73.5
RainbowPassesSlowly,RainbowNight6 54.5×73.6
泉茂 北の空 1970 79.2×109.3
樹陰 79.1×109.3
井田照一 黒いソファー シルクスクリーン、リトグラフ・紙 63.5×51.9
ピンク色の広場 リトグラフ・紙 63.7×51.7
稲田三郎 作品1959 1959 エッチング、アクアチント・紙 32.0×22.4
〃1966 1966 25.0×19.0
アトラス 1959 エングレーヴィング・紙 36.0×28.0
山田 襄 銀世界1 1970 ブラスメタル・紙 74.5×54.5
〃2 78.5×54.5
郭 徳俊 位相1972(A) 1972 シルクスクリーン・プラスチック、封簡 65.0×170.0
木村光佑 現在位置A 1970 リトグラフ、シルクスクリーン・紙、セルロイド 74.0×101.0
木村利三郎 私のニューヨーク地図 1971 シルクスクリーン・紙 261.0×135.0 263.0×135.0 263.2×135.8
黒崎 彰 失われた楽園1 1972 木版・紙 82.0×56.0
〃7 82.0×56.0
佐藤亞土 ダビンチシステム 1970 シルクスクリーン・紙14枚 各96.5×62.0
白井昭子 月への旅行 1972 インタリオ・紙 92.0×70.0
思い出の美しい季節 1970 72.0×78.0
吹田文明 青い十字 1966 木版・紙 74.4×61.0
失われる心を追って 1965 74.5×61.7
残されたスパース 1966 73.8×61.0
高橋 秀 愛のはじめ 1973 シルクスクリーン、レリーフ・プリント・紙 76.5×56.5
黒の遁走 1973 76.5×56.5
金曜日 56.5×76.5
蜃気楼 76.5×56.5
谷中安規 青春の墓標 1933 木版・紙 21.8×26.2
童子騎虎 1939 19.5×25.5
作品 16.3×21.2
14.5×18.7
15.0×18.8
21.4×14.9
月に吠える 14.1×19.9
田村文雄 夢想記−個人的な疑いと畏れと 1970 リトグラフ・紙 53.0×67.0
夢想記−通俗的な陶酔の中に 53.0×67.0
永井一正 CC 1972 レリーフ・プリント・紙 36.0×52.5
CH 36.0×52.5
CI 36.0×52.5
長岡国人 HorizontGrandI エッチング・紙 49.2×60.0
〃II 50.0×65.0
中里 斉 シルヴァー・ヴァルプレイン 1973 ドライポイント・紙 71.3×101.5
饕餐文二面 シルクスクリーン・紙 71.3×101.5
野田哲也 日記June11th'71 1971 リトグラフ・紙 65.0×49.5
〃May8th'70inNewYork 1970 65.0×49.5
長谷川潔 飼馴らされた小鳥 1962 メゾチント・紙 67.0×52.0
狐と葡萄 静物画 1963 67.0×52.0
草花とアカリヨム 1969 47.0×62.0
メキシコの鳩 静物画 1966 52.0×67.0
メキシコの魚 静物画 1969 52.0×67.0
浜田知明 かげ 1962 エッチング・紙 23.5×35.7
初年兵哀歌(銃架のかげ) 1951 エッチング、アクアチント・紙 19.2×16.6
刑場A 1954 23.8×18.5
絞首台 22.5×12.5
初年兵哀歌(歩哨) 1951 23.5×12.4
原  健 NoFocus72-23・24 1972 リトグラフ・紙 150.0×100.0
〃72-25・26 150.0×100.0
日和崎尊夫 劫−No.3 1970 木版・紙 72.0×52.0
船井 裕 MajorScale 1971 シルクスクリーン・紙 65.2×46.9
CrossWord 1972 62.0×52.0
船坂芳助 WorkAT30-1970 1970 木版・紙 93.5×88.7
〃S7-1970 93.3×88.7
松原直子 版画集「寂寥」より 1971 各39.0×36.5
松本 旻 Print5-B 1965 86.0×59.0
〃5-C 1968 85.6×59.0
南 桂子 二匹の魚 1970 エッチング・紙 28.0×35.0
29.0×33.5
教会 1968 29.0×31.5
矢柳 剛 女体B 1970 シルクスクリーン・紙 81.0×100.0
吉原英雄 シーソー1 1968 エッチング、リトグラフ・紙 100.0×100.0
〃2 102.0×103.0

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