ポール・デルヴォー展

 ポール・デルボーは1897年にベギーに生まれた。20歳頃から絵や音楽に強い興味を示し、1920年には画家になる決心をしてブリュッセル美術学校に入った。卒業後しばしば表現主義風の絵を描いていたが、34年ブリュッセルで、デ・キリコ、ダリ、マグリットの作品を中心とした「ミノトール」展が開かれ、これがデルボーをシュルレアリスムに向かわせる契機となった。やがて38年にはパリのギャルリー・デ・ボサールでのシュルレアリスム国際展に参加し、以後ルネ・マグリット、E・L・T・メザンスらと並んでベルギーのシュルレアリスムの動向をきめる1人となった。

 ポール・デルボーは、しかし美術界で“さまよえる孤独者”といわれるように、いずれかの美術運動の中にあてはめることができる作家ではない。たしかにデ・キリコの作品から深い影響をうけているが、彼の芸術的表現は、シュルレアリスムの哲学、あるいは政治的イデオロギーの単なる表現ではないからである。ポール・デルボーにとって絵画とは、感情の表出であり、詩と色彩が混然一体となった雰囲気の表現であった。そしてそれが機械化された現代に鋭く訴えてくるところなのであろう。

 この憂愁と神秘の楽園幻想を追求するポール・デルボーの芸術の全貌を示す展覧会が、日本で開催されるのは、初めてのことであり、その意味でも極めて意義深いものであり、多くの観覧者を魅了した。

会期
6月7日−7月13日
入場者数
総数72,278人(1日平均2,258人)
出品目録
油彩(特に記載のないものはカンバス)
題名 制作年 寸法(cm) 備考
女の顔 c.1928 62.5×52  
ついたて 1935 68.5×79  
広場 89×98.5  
バラ色のリボン 193 120.5×159  
昼だけの申し出 102×129  
眠れる街 1938 150.5×175  
109×120  
1940 99×88.5  
町の男 130×150  
ローマの道 1941 77×107  
神殿 1942 111×143  
スピッツナー陳列館 1943 200×225  
花を拾う女 119×188  
夜明け 80×100  
こだま 105×130
赤い椅子に坐る骸骨 86.5×57
骸骨 1944 136×152
階段 1946 122×152.5
黒い街 122×183
裸婦と彫像 122×183
散歩する女たちと学者 1947 121×24.3
階段 1948 148.5×119
孤独 1955 100×124.5
受胎告知 110×150
埋葬 1957 130×120
学者の学校 1958 150×220
森のなかの駅 1960 149×219
見捨てられて 1964 140×160
忘れられた街 140×180
青い長椅子 1967 140×180
いけにえのイフィゲニア 1968 190×159
日暮れ 1970 140×180
庭園 1971 140×190
夜の礼拝 85×125
セリノントの廃墟 1972〜73 149.5×220
対話 1974 150×260

水彩、素描
題名 制作年 寸法(cm) 備考
習作 女と子供 1930 25×17 木炭
習作 母子 25×17
習作 顔 1931 25×17
習作 二つの顔 25×17
二人の若い女 1941 52.5×40 デッサン
受胎告知 1943〜44 53×74 インク、水彩
ルート・ロワイヤル 1945 53×73 水彩
長椅子の女 27×42 淡彩
ギャルリー・ド・ラ・レーヌ 1946〜47 28×37 ペン画
帽子をかぶった女 1947 27×20.5 淡彩
物思いにふける女 26.5×20
横たわる女 20.5×27
紫のリボンの女たち 1948 57.5×77.5 水彩
鏡の前の女 57×79
地下鉄のたのしみ(パレ・ロワイヤル駅) 33×25
期待 31×49 淡彩
女の顔 33×25
"ランビアンス" 33×25
オステンド 60×80 水彩
"想像する歓び"のための舞台装置下絵 1949 42×63.5
たわむれ 37.5×45
ダフネ 70×104.5
女友だち 37×55
ポンペイ 1969 71×109
日暮れ 70×105
ポンペイ(部分) 1970 72×53.5
ポンペイ(スケッチ) 63×60
アテネの突飛な女たち 71×103.5
ゴシック風 1973 65×100
女とカーテン 48×40 インク・コラージュ
習作 女の顔 18×13 インク
女の夢 25.5×20 淡彩
連作"最後の美しい日々"より
最後の美しい日々 36×28 インク
それは十月だった 36×28
死んだ女 36×28
ボージョレーの街角で 36×28
パレ・ロワイヤルの庭園にて 36×28 インク
パレ・ロワイヤルに面した窓 36×28
診察室の医者 36×28
ソファの女 36×28
連作"嵐の日"より
嵐I 36×28
嵐II 36×28
嵐III 36×28
嵐IV 36×28
連作"醜い男"より
醜い男I 36×28
醜い男II 36×28
醜い男III 36×28
醜い男IV 36×28

新聞雑誌関係記事
毎日(夕刊) 5月12日
毎日(地方) 5月31日(亀田正雄)
毎日(夕刊) 6月28日 7月14日
京都 6月14日

このページの先頭へ