ペーテル・ブリューゲル版画展

 ペーテル・ブリューゲルは1528年頃にフランドルの北ブラバント地方に生まれた。伝記的には、いまなお不確かなところが多いが、1551年アントウェルペンの画家組合に登録され、まもなくイタリアに学び、帰国後は風景描写に優れた手腕をみせるとともに、農民の風俗や寓意画に現実の冷静な洞察と想像力豊かな創意をもって仕事を続けた、マニエリスム期の代表的画家のひとりである。彼は油彩画において傑出していたのは勿論であるが、その鋭い観察は版画においても見事にうかがえる。今回の展観はブリューゲルの版画95点を陳列して、その特異な世界の全貌をうかがおうとするものであった。現今、巷間にはブリューゲル作と称される版画は数多く流布しているけれどもオリジナリティの疑わしいものが少なくない。本展では厳しい批判的研究の成果として、彼の手および下絵による作品と彼の絵画および素描にもとづいて作られた版による作品に限られた。なお、これらの版画の殆んどはベルギー王立図書館の所蔵のものである。

会期
9月2日−9月24日
入場者数
総数15,959人(1日平均798人)
共催
ベルギー文部省、ベルギー王立図書館、日本美術館企画協議会、中日新聞社
出品目録
作者名 題名 制作年
ブリューゲル、ペーテル 12点の組風景
 ティヴォリの滝風景 1552-56
 砂漠のなかの聖ヒエロニムス
 悔い改めたマグダレーナのいるアルプス風景
 深い渓谷に区切られているアルプス風景
 不実な鳥追い
 ベルギーの手押し車
 田園の憂鬱
 田舎の市場
 エマウスへの巡礼者たち
 エジプトへの逃亡
 森のある風景
 休息する兵士たち
大アルプス風景 (1558-59)
聖アントニウスの誘惑
忍耐 1557
大きな魚は小さな魚を食う
学校のロバ
七つの大罪<組絵>
 憤怒 1558
 怠惰
ブリューゲル、ペーテル  傲慢 1558
 貪慾
 貪食
 嫉妬
 邪淫
最後の審判 1558
エルク、誰でも
錬金術師 (1558)
マレヘムの魔女 (1559)

作者名 題名 制作年
ブリューゲル、パーテル 阿呆の祭り (1559)
ホボケンの縁日 1559
七つの徳<組絵>
 信仰 1559-60
 希望
 愛徳
 正義
 賢明
 剛毅
 節制
キリスト、地獄の辺土に下り給う 1561
賢い処女とおろかな処女のたとえ話 1560-60
メッシーナ海峡の海戦 (1561)
軍艦<組絵>
 三本マストの軍艦 (1564)
 大砲で武装した背後から見た軍艦 (〃)

作者名 題名 制作年
ブリューゲル、ペーテル  一つの角度から見た軍艦 (1564)
 イカルスの墜落のある軍艦 (〃)
左に向かって斜に航行している軍艦 (〃)
船首を右にして停泊している軍艦 (〃)
要塞の島の近くに投錨した三隻の軍艦 (〃)
嵐の中の軍艦 (〃)
ファエトンの墜落のある二つのガレー船にはさまれた、船尾から見た軍艦 (〃)
いろいろな型の十六隻の船 (〃)
アントウェルペンの聖ヨーリス門の前のスケート風景 1561
聖ヨーリスの縁日
眠っている行商人は猿に盗まれる 1562
貯金箱と金庫の戦い 1563

作者名 題名 制作年
ブリューゲル、ペーテル 貧しい台所 1563
豊かな台所
聖ヤコブと魔術市ヘルモヘーネス (1564)
魔術市ヘルモヘーネスの転落 (〃)
よき羊飼いのたとえ 1565
ウルソンとヴァーレンテインの仮装会(木版)
田舎の結婚式の踊り (1558)
野うさぎ狩りのいる風景
《Luilekkerland》 懶け者の天国 (1568)
酔っぱらいは豚小屋に押し込められる 1568
フランドルのことわざ<組絵>
 口やかましい女とコッコッ鳴いている鶏 (1568-69)
 金袋を持つとおべっかが集まる (〃)
 世捨て人と巾着切り (〃)
 顎骨の上でヴァィオリンを奏している金持 (〃)
 行商人は誰でも売品を自慢する (〃)
 つんぼの家ではほどこしがない (〃)
 射手は矢を損するばかり (〃)
 盲目が盲目をみちびけば池に落ちる (〃)
 間の抜けた小間物商 (〃)
1570
モプススとニサの結婚
ヘルメスにかどわかされたプシュケのある河口風景 (1553)

作者名 題名 制作年
ブリューゲル、ペーテル イカルスの墜落のある河口付近 (1553)
狂気の石を抜きとる、またはロンセの長老
キリストの復活 (1574)
エマウスへの道をゆくキリストと弟子
マリアの昇天 (1574)
時の勝利、または悪魔の勝利 (〃)
キリストと、姦通した女 (1564)
農民のけんか
農民のあくび
モーレンベークの聖ヨハネ聖堂へのテンカン病みの巡礼<組絵>
 右に向かって進む二人の風笛吹き (1564)
 右に向かって進む巡礼者の群れ (〃)
 左に向かって進む巡礼者の群れ (〃)
二人の阿呆
三人の阿呆

注( )の制作年はジャック・ラヴァレーによる。

新聞雑誌関係記事
京都 9月8日
毎日(夕) 9月11日
サンケイ(夕) 9月19日
朝日(夕) 9月20日
 (京都展関係のみ)

このページの先頭へ