近代日本の彫刻

 当館では、開館以来、彫刻のみの展観は、試みられたことがなかった。今回、ようやくにして、近代日本の彫刻の展開を跡づける展観を開催することができた。この展覧は、江戸期の伝統を受けつぐ森川杜園、工部美術学校にむかえられたラグーザの洋風彫刻、そして、東京美術学校にあって木彫を教えた高村光雲にはじまり、ロダンの影響のもとで写実の道を進んだ荻原守衛、文・帝展で活躍した朝倉文夫、建畠大夢、院展にあって個性的な仕事を続けた中原悌二郎、石井鶴三、二科の藤川勇造などから、堀内正和、向井良吉、江口週らの抽象彫刻までに至る74名の作品93点及びその内の12名の作家の素描28点を陳列したものである。出品作品のなかには東京国立近代美術館、東京国立博物館、東京芸術大学などの諸機関に収蔵されて、一般に知られていながらも関西では実際の作品に接する機会がとぼしかった作品も少くなく、好評であった。

会期
6月8日−7月11日
入場者数
総数4,533人(1日平均157人)
出品目録
彫刻
作者名 題名 制作年
ラグーザ 日本婦人像 c.1877
森川杜園 春日白鹿
高村光雲 ●に遊ぶ狆 1888
聖徳太子坐像
石川光明 観音菩薩椅像 1893
長沼守敬 老夫 c.1898
荻原守衛 坑夫 1907

作者名 題名 制作年
新海竹太郎 ゆあみ
平櫛田中 姉ごころ
山崎朝雲 大葉子 1908
白井雨山 箭調べ
朝倉文夫 つるされた猫 1909
荻原守衛 1910
米原雲海 仙丹
朝倉文夫 土人の顔(2) 1911
建鼻大夢 ながれ
竹内久一 久米舞
池田勇八 神山詣り 1913
藤井浩祐 トロを待つ坑婦
平櫛田中 禾山笑
内藤 伸 山上
北村四海 イヴ 1915
堀 進二 老婆
佐藤朝山 ドゥシャンタとシャクンタラ姫 1916
北村西望 晩鐘
藤川勇造 c.1916
戸張狐雁 曇り 1917
吉田三郎 老坑夫 1919
中原悌二郎 若きカフカス人
高村光太郎 1923
保田龍門 クリスティーヌの首 c.1923
戸張孤雁 煌めく嫉妬 1924
清水多嘉示 イタリーの女
金子九平次 C嬢の像 1925
高村光太郎
藤川勇造 詩人M 1926
吉田白嶺 かわせみ
長谷川栄作 1928
木内 克 女の顔 1929
陽 咸二 ある休職将軍の顔
石井鶴三 俊寛(頭部試作) 1930
橋本平八 幼児表情 1931
高田博厚 フーロン夫人
佐藤朝山
高村光太郎 黒田清輝像 1932
喜多武四郎 田中像 1934
橋本平八
堀江尚志 トルソー c.1934
新海竹蔵 1939
平櫛田中 鏡獅子 1940
加藤顕清 コタンのアイヌ 1941
松田尚之 女坐像 1942
藤井浩祐 崔氏菩薩 その1 1943
畝村直久 若い女 1947
円鍔勝三 しろうさぎ
橋本朝秀 飛天 1948
北村正信 ポーズ 1951
木内 克 寝ている女
佐藤忠良 群馬の人 1952
植木 茂 作品 1954
安田周三郎 死の灰
船越保武 萩原朔太郎像 1955
毛利武士郎 作品 1957
山本豊市 エチュード 1959
菅原安男 内藤氏像
淀井敏夫 波群
羽柴小枝子 臙脂
菊池一雄 裸婦座像(倚) 1960
豊福知徳 立像
柳原義達 坐る
新海竹蔵 三味線試作 1961
山本雅彦 十字架のことば
井上武吉 孵化
辻 晋堂 東山にて 1962
沢田政広 羅漢像 c.1962
富樫 実 空にかける階級 1963
豊福知徳 作品I 1964
〃II
堀内正和 片側曲面直角八辺形 1964
木村賢太郎 自動車が止まった時 1965
向井良吉 異質な土壌に生きる植物 1966
江口 週 塔頭の碑 No.2
堀内正和 エヴァからもらった大きなリンゴ
辻 晋堂 非化Q 1967
樋口シン 作品82
朝倉響子 1968
湯原和夫 作品No.12 1969
桜井祐一 若い女 1970
作者名 題名 制作年
本郷 新 乾いた砂(無辜の民より) 1970
アラブ(〃)
番浦有爾 からす
野崎一良 密1 1971

素描
作者名 題名 制作年
戸張孤雁 2のA
6(綱渡り)
9(〃)
12(千住大橋の雨)
13
橋本平八 三人童女
柳原義達 坐る裸婦B 1936
立てる裸婦A
坐る男
木内 克 横たわる裸婦
坐る裸婦
木内 克 手をつく裸婦
辻 晋堂 アドービー 1961
二奇漢(八木と下村) 1962
長い長い行列
菊池一雄 裸婦 1964
船越保武 男の顔
婦人像
安田周三郎 男の顔A
〃B
佐藤忠良 裸婦
井上武吉 作品のためのメモA 1967
〃B
野崎一良 デッサン 1971
樋口シン 知床半島
岩尾別断崖

新聞雑誌関係記事
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京都 6月25日 山田竜平
朝日 7月3日(夕)

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