富本憲吉遺作展

 富本憲吉は東京美術学校に学び、はじめ建築を志しながら、バーナード・リーチとの交際を機に陶芸に関心をもち、故郷の奈良県安堵村に楽焼窯を築いて作陶を始めた。やがて本窯による高温の焼きものを手がけ、白磁や染付を追求していった。大正15年に東京郊外の祖師谷に窯を移して白磁や染付のほか、柿釉、瑠璃釉なども手がけるとともに、色絵の研究に打込み独自の作品を生んだ。戦後、京都に移り、色絵金銀彩に打込み、四弁花文、羊歯文などを完成させるとともに洗練の度を加えていった。また、戦前は東京美術学校教授、後には京都市立美術大学教授となって後進の指導にあたり、同大学学長の要職につかれたまま歿した。その業績は大正・昭和の陶芸界に顕著であることは広く世に知られている。この展観は各時代の代表作を網羅し、伝統に立脚しながらも単なるその倣作に終らず、新鮮で明快な感覚をもって近代芸術としての陶芸を築き上げた富本憲吉の全貌を示すものとして、各方面より多大の反響を得た。

会期
5月19日−6月28日
入場者数
8,300人(1日平均230人)
共催
富本憲吉遺作展委員会
東京国立近代美術館
出品目録

大和時代(1913−26)

焼きもの
素材 題名 制作年
楽焼 ジョッキー 1913
カップと小皿 1914
草花文鉢
草花文一輪差
草花文鉢
草花文水呑
土焼 染付“寂しき辻堂”陶板 c.1915
瑠璃釉円形蓋物 1918
白象嵌飛雲模様湯呑
白象嵌朝顔模様湯呑
白磁 飯茶碗
1919
青磁 透彫香炉 1920
磁器 染付ぶどう葉文六角香合
青磁 菓子器 c.1920
磁器 染付たで文大鉢 1921
白磁 八角鉢
椿陽文中皿
八角形コーヒーセット
楽焼 たで彫文蓋付壺 1922
土焼 鉄砂刷毛目扁壺 1922
青磁 水滴
磁器 染付机上小品 門
白磁 浮彫芙蓉模様中皿 5客
楽焼 竹と梅文壺 1923
土焼 象嵌蓋付水注
磁器 瑠璃釉蓋付小壺
染付蛾文八角香合
染付机上小品 塀
素材 題名 制作年
磁器 染付“竹林月夜”陶板 1923
染付“老樹”陶板 1924
青白磁 鉄描き重薬文茶碗
土焼 象嵌花文壺 1925
鉄絵すゝき文組鉢 5個いれこ
磁器 染付芦文小筥
呉須象嵌花文小筥
染付“小屋の道”陶板
版画
素材 題名 制作年
木版画 “団扇之図”軸装 c.1915
“ねはん図”〃
題名 制作年
“竹を運ぶ男”鉛筆スケッチ 額装 1920
“柘榴図・賛は東剛西麗”軸装 1922
“高麗陶磁譜”巻物 1923
“橋頭初夏の雨”軸装
“大和安堵村陶窯図”軸装
“安堵村八景”(絵と文)巻物
“河豚図”軸装 1924
“大和風景と草花”画帖 1925
“竹籔に囲まれたる家”軸装
“富本憲吉模様集”下図8点 1926
手描きの帯
題名 制作年
“あざみの模様”(絽) 1925
“山ぶどうの模様”(絽)
出版物
題名 制作年
富本憲吉模様(版画)(田中屋) 1915
富本憲吉模様集(自家限定版)3冊ほかに附録1冊 1923
窯辺雑記(文化生活研究会) 1925

東京時代(1926−1946)

焼きもの
素材 題名 制作年
白磁 硯屏 1927
柘榴刻文鉢 1928
大鉢 1929
土焼 信楽鉄絵銅彩大皿
磁器 赤地銀襴手壺
染付“竹林月夜”香合
土焼 蝋抜き芍薬文天目釉大壺 1930
鉄描“竹林月夜”陶板
白磁 面取壺 1931
面取八角蓋付壺
蓋付中壺
白磁 蓋付小壺 1931
ぶどう葉刻文湯呑
磁器 赤地金彩蓋付小壺“福寿”
柿釉・色絵柘榴文飾壺
柿釉金彩小壺
柿釉蓋付小壺 2個
土焼 刷毛目柳文大皿
磁器 染付文字入り煙草入れと灰皿
白磁 1932
蓋付壺
磁器 瑠璃釉彫花文香合
染付薊文六角香合
土焼 蝋抜き天目釉柘榴模様大鉢
白磁 蓋付壺 1933

素材 題名 制作年
白磁 八角中鉢 1933
磁器 染付葉模様果物鉢
〃黒釉“蘭香”壺
染付斜線文長方小筥
色絵八角徳利
呉須象嵌絵変り中皿 10枚
白磁 1934
陶硯
磁器 染付“竹林月夜”小筥
蓋付小壺 3種(染付、飴釉、柿釉)
瑠璃釉色絵花文角筥
土焼 染付芍薬文蓋付中壺
磁器 釉裏紅四弁花文大皿 1935
白磁 蓋付小壺
香炉
八角香炉
角香合
磁器 柿釉黒花文大皿
呉須象嵌銅彩魚貝文鉢
染付薊模様平皿
染付“竹林月夜”長方筥
染付麦藁手八角蓋物
染付あざみ文筥
瑠璃釉野兎浮彫文香合
赤絵あざみ文大皿
赤絵“羊歯之図”角陶板
白磁 1936
蓋付小壺
磁器 呉須象嵌羊歯文筥
柿釉蝋抜き丸文徳利 一対
瑠璃釉金彩四弁花文蓋物
色絵更紗文長方筥
染付柿釉併用“文鳥”角陶板
色絵唐花草文八角皿 5客
赤絵染付竹文煎茶碗 6客
白磁 1937
角飾筥(内部金銀彩羊歯文)
磁器 染付ぶどう葉文小筥
染付柿釉併用透筥
染付家形水滴
色絵四弁花文飾壺
色絵草花文角陶板
色絵黍文菓子皿
色絵抜き色紙文捻徳利
色絵四弁花文菓子皿
土焼 白刷毛目茶碗 1938
磁器 色絵すべりひゆ文大鉢
色絵“芦之図”陶板
色絵“高原の薊”菓子皿
白磁 1939
磁器 色絵あざみ文角鉢
色絵円窓梅花文柿釉煎茶碗 5客
白磁 角八 1940
磁器 色絵“洋蘭とアジャンタム”陶板
色絵更紗文香炉
白磁 大壺 1941
銀覆輪大鉢
磁器 染付“カーネーション”小陶板

素材 題名 制作年
磁器 染付色絵椿之図飾筥 1941
柿釉円窓色絵梅模様汲出茶碗 5客
色絵更紗文大皿
色絵赤更紗文六角飾筥
色絵“芥子花と支那籠之図”陶板
色絵“菊之図”陶板
色絵“飾筥と草花之図”陶板
色絵椿文柿釉角飾筥
赤絵染付斜線文長方筥
色絵赤四弁花文香炉
色絵四弁花文香炉
白磁 大壺 1942
磁器 赤地銀襴手更紗文八角飾筥
急須 形変り 8個一組
白磁 ひさご形大壺 1943
大鉢 1944
磁器 色絵“薊と詩句”陶板 1945
色絵“梅と竹”染付徳利
色絵の急須・湯ざまし・茶碗
色絵染付の筆架 4種 1938-1945
題名 制作年
“感想”巻物 1927
“陶片集”画帖 1930
“橋之図長崎旅行記巻”巻物 1931
“下絵とスケッチ”各種 1940
“草花写生帖”4冊 1942
“高山帖”画帖 1945
出版物
題名 制作年
富本憲吉模様集(文化生活研究会) 1927
楽焼工程(采文閣) 1930
模様寸感(自家限定版) 1931
製陶余録(昭森社) 1940

京都時代(1946−1963)

焼きもの
素材 題名 制作年
磁器 “李朝燭台”陶板 1946
色絵金銀彩“椿”陶板
土焼 鉄描銅彩柳模様大鉢 1947
磁器 色絵赤更紗文大鉢 1949
色絵“芦之図”大皿
色絵“山帰来と詩句”陶板
色絵赤更紗文徳利
色絵染付更紗文徳利
赤地金彩六角捻徳利
色絵染付斜線文徳利
色絵“風花雪月”角盒
色絵染付柿釉旅行用煎茶器 一組
土焼 蝋抜き“平常心”天目釉大皿 1950
天目釉“風花”茶碗
磁器 鉄黒釉壺
色絵“山茶花”香炉
色絵四弁花文香炉
色絵染付“風花雪月”角盒
赤絵染付“村落遠望”陶額
色絵染付円窓五弁花文旅行用煎茶器一組
色絵染付円窓斜線文旅行用煎茶器一組
色絵“富貴”角皿 5種
色絵染付薊文灰皿
土焼 鉄描銅彩“花の字”大飾皿 1951
鉄絵文緑釉壺
粟田色絵香炉
鉄黒釉茶入
鉄黄釉茶入
磁器 色絵赤更紗文角瓶
色絵染付煎茶碗 6客
色絵染付蓋置
色絵金彩絵変り酒盃 5客
赤絵金彩飾壺 1952
色絵“柘榴”文香炉
色絵赤地銀彩“柘榴之図”陶板
色絵“岩に万年青・平常心”飾皿
色絵“寒山詩”牡丹陰刻陶板
鉄描銅彩“竹林月夜”皿 5客
染付絵変り中皿 5客
鉄描銅彩“風花雪月”湯呑10客
鉄描銅彩“竹に風花雪月”四方湯呑
土焼 “白雲悠々”大皿 1953
粟田羊歯文香炉
磁器 色絵金銀彩菱文香炉
粟田色絵金彩茶碗
磁器 色絵更紗文角瓶 1953
色絵赤地金銀彩羊歯文大皿
色絵金銀彩呉須刷毛目香炉
色絵“柘榴に陶淵明の詩句”陶板
色絵“壺に椿花”陶額
鉄描銅彩字変り八寸皿 5客
色絵赤更紗染付柳文大皿 1954
色絵“百雲悠々”中皿 5客
色絵“沢薊”中皿 5客
土焼 銅彩大皿 1965
粟田麦藁手香炉
磁器 瑠璃金彩“竹林月夜”飾壺
柿釉金彩香炉
色絵金銀羊歯文捻徳利
色絵赤地金銀彩煎茶碗 5客
土焼 鉄描銅彩“花の字”皿 10客
磁器 色絵金銀彩四弁花文蓋付壺 1956
染付絵変り組皿 5客
白磁 香炉 1957
磁器 染付“風景”灰皿
染付“風花雪月”灰皿
色絵金銀彩染付風景壺
色絵呉須象嵌“牡丹と詩句”陶板
色絵金彩染付絵変り中皿 5客
色絵金銀彩“富貴”飾皿
色絵金銀彩家形箸置 10客
色絵金彩絵変り箸置 5客
赤地金銀彩菱四弁花文壺 1958

素材 題名 制作年
磁器 赤地金銀彩羊歯文飾壺 1958
色絵金銀彩羊歯文八角飾筥
色絵紫四弁花文角飾筥
色絵金銀彩染付“竹林月夜”陶板
色絵金銀彩菱模様香炉
色絵金彩香炉
磁器 色絵“花の字”コーヒー碗二組
色絵“花の字”コーヒーセットの内 銘々皿2個
色絵“花の字”コーヒーセットの内 盛合せ皿
白磁 1959
八角くり出し大皿
陶硯
磁器 色絵金銀彩四弁花文八角飾筥
染付色絵金銀彩大飾皿
金銀彩羊歯文大飾皿

素材 題名 制作年
磁器 色絵呉須象嵌“牡丹・詩句”十角飾皿 1959
染付色絵“大和風景”尺皿
色絵金銀彩“風花雪月”大陶板
染付絵変り“風花雪月”小陶板
染付“柳之図”小陶板
色絵染付円窓斜線文旅行用煎茶器一組
色絵染付菱文様煎茶器(自家用)一組
色絵染付菱文灰皿
色絵絵変り巻紙形箸置
色絵金銀彩四弁花文蓋付飾壺 1960
色絵金彩羊歯文壺
金銀彩羊歯模様胴紐飾壺
色絵四弁花文大飾壺
色絵紫四弁花文大飾皿
磁器 色絵“水瓶図”陶板 1960
色絵金銀彩羊歯文小筥
色絵金彩羊歯文飾筥
色絵金彩羊歯市松文角飾筥
金彩羊歯模様香炉
色絵金銀彩“風花雪月”角香合2個一組
色絵“春夏秋冬”香合
色絵金銀彩“楽合四花”香合
色絵金銀彩“花の字”香合
色絵金銀彩四弁花文八角飾筥 1961
色絵金銀彩四弁花文飾筥
色絵染付羊歯文金彩六角飾筥
色絵染付薊模様六角飾筥
赤地銀彩沢薊文六角飾筥
色絵金銀彩菱四弁花文六角飾筥
染付金彩羊歯文飾筥
赤地金銀彩羊歯文角飾筥
赤地金銀彩菱花“白雲悠々”大皿
金銀彩染付“牡丹の蕾”大飾皿
赤地金銀彩麦藁文香炉
青白磁 香炉
磁器 赤地金銀彩麦藁文香炉
染付金銀彩“花の字”陶板
染付色絵金銀彩“柘榴”角陶板
染付色絵“蜜柑之図”陶板
金銀彩羊歯文様飾筥 1962
金銀彩羊歯文角飾筥
色絵金銀彩四弁花文角飾筥
色絵金銀彩“春夏秋冬”飾壺
赤地金銀彩飾小筥
金銀彩飾小筥
色絵染付金銀彩四弁花文香炉
色絵金銀彩幾何模様香炉
金銀彩羊歯文香炉
色絵染付“竹・自作詩句”陶額
白磁 香炉 1963
磁器 赤地金銀彩羊歯文壺(最終未完作)
題名 制作年
“家用煎茶器の図”軸装 1946
“身辺雑器”画巻 巻物
“金描自作模様十種”画帖
“自作陶器図案五十種”画帖 1950
“双池硯と筆二種”軸装 1953
“竹林月夜”軸装 1956
“石と万年青・画賛”(円窓)軸 1957
金描“大和川急雨”軸装
“流水帖”2冊画帖 1958
“大和川急雨・画賛”額装 1959
“花の字皿と飾筥”軸装
金描陶板図“村落遠望”軸装
スケッチブック 各種
題名 制作年
“壺中日月長”軸装 1954
“平常心”軸装 1955
“花”軸装
“白雲悠々”額装
“涼風第一窓”額装 1956
“署名帖”画帖 1962
その他
題名 制作年
帯止め、ブローチ類 24種
自作自用陶印類 22種
自用赤絵3種(九谷赤、新赤、富本赤)
 見本(東京芸大工芸科陶芸専攻にて作製)
出版物
題名 制作年
陶器(朝日新聞社) 1948
富本憲吉陶器集(美術出版物) 1956
富本憲吉模様選(中央公論美術出版) 1957
自選富本憲吉作品集(朝日新聞社) 1962

<新聞雑誌関係記事(京都展関係のみ)>
日経 4.17
朝日 4.28(夕)
京都 5.19
サンケイ 5.21(夕)
毎日 5.23(夕)
読売 5.26(夕)
京都 5.29

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