富田渓仙展

 富田渓仙は再興日本美術院の同人として大正から昭和のはじめにかけて独得の作風をもって知られた。渓仙芸術の特色は、自然の外観にこだわらずに、自由に形を変え大胆に省略する奔放な表現と色彩の絢爛たる効果である。その画面は律動的に構成され、豊かな情感をたたえている。彼は過去の絵画の創造の源泉をもとめても、既成の画風には反撥し、それ故に因襲的な京都画壇においては常に孤立した存在であった。そこから、異色の作家とみられがちである。今回の展観は初期から晩年に至る代表的作品を集めたもので、「御室の桜」など最近ほとんど公開されなかった作品も出品されて、渓仙の再評価の良い機会となり多大の反響をよんだ。

会期
9月16日−10月16日
入場者数
総数7,202人(1日平均266人)
出品目録
題名 材質・形状 制作年
伎芸天 絹本彩色・軸 1906
樊籠帖 絖本彩色・画帖 1910
鵜船 紙本墨画・軸 1912
青嵐図 紙本彩色・6曲1隻屏風 1913
宇治川 絹本彩色・軸 c.1914
宇治川の巻 〃・画巻3巻 1915
支那山水 〃・軸 c.1915
石峰寺 〃・〃
烟霞遊牛 〃・〃 c.1916
風神雷神 〃・4曲1双屏風 1917
南泉斬猫・狗子仏性 〃・6曲1双屏風 1918
嵯峨八景(愛宕暮雪・浜町夕照) 〃・〃 1919
長江鵜船 〃・〃
獅子猛進図 〃・軸 1921
祇園夜桜 〃・〃
前赤壁図 〃・〃 c.1921
果物籠 〃・〃
園中桃竹 〃・〃
達磨 〃・〃
寿老人 〃・〃
訶梨帝母 紙本彩色・〃 1922
作品 材質・形状 制作年
多佳良船 紙本彩色・軸 1923
春日野 絹本彩色・軸双幅 1924
菊慈童 〃・2曲1双屏風
奈良の鹿 紙本彩色・額 c.1925
碧泉遊鯉 絹本彩色・軸 1926
蘭亭曲水 〃・〃
四風帖 紙本墨画・扇面画帖
奈良の藤 紙本淡彩・軸 c.1926
文覚上人 絹本彩色・〃
菊慈童 〃・扇面軸
観自在菩薩 紙本鉛筆コンテ・軸
逍遙画帖 絹本彩色・画帖 1927
竹林七賢人 〃・軸
芳野春曙 〃・〃
十六阿羅漢 〃・〃
仙洞御所春雪 〃・〃
蓬莱仙境 〃・〃 c.1927
保津川下舟 〃・〃
吉野細雨 〃・〃
群仙聚会 〃・〃
作品 材質・形状 制作年
鷹ケ峰 絹本彩色・軸 c.1927
蘭亭流觴 〃・〃 1928
紙漉き 〃・2曲1双屏風
●馭盧島 〃・軸
蓬莱迎日 〃・〃 c.1928
蓬莱山 紙本彩色・〃
紙漉きの図 絹本彩色・〃
愛宕山麓図 〃・〃
石山春雪 〃・〃
秋奥大原女 〃・〃
兎道之暮雪 〃・〃
寂光院 紙本彩色・〃
梅花象鳥 絹本彩色・〃 1929
李白観瀑 〃・〃
二月堂秋 〃・〃 c.1929
帰去来 〃・〃
〃・〃
那智山 〃・〃 1930
聖地の華 絹本彩色・〃
雪中の鹿 〃・〃
歳寒三雅 紙本彩色・〃
春日神苑 〃・〃 c.1930
淀の漣 絹本彩色・〃
多武の峰 絹本彩色・〃
白鷺 〃・〃
保津川 紙本彩色・〃
京洛四季 〃・〃4幅対
富士山 〃・額
浦島 絹本彩色・軸2幅対 1931
白鷺 〃・〃
優曇鉢羅 紺紙金泥・画帖 1932
嵐峡雨罷 絹本彩色・軸
御室の桜 〃・2曲2双屏風
孔雀に菊 〃・軸 c.1932
孔雀 〃・〃
広沢春宵 〃・〃
淀の川瀬 〃・〃 1933
月下秋草 〃・〃 c.1933
鐘馗 〃・〃
三尾紅葉 〃・〃
老松宿鷹 紙本墨画・軸
安芸の宮島 紙本彩色・〃
厳島片時雨 〃・〃
三条大橋 絹本彩色・〃 1934
春の花籠 〃・〃
伝書鳩 〃・2曲1双屏風
作品 材質・形状 制作年
梅菜果 紙本彩色・軸 c.1934
梅林帰鶴 絹本彩色・〃
月ケ瀬梅渓 〃・〃
白鷺 紙本墨画・〃 1935
嵐山 絹本彩色・〃 c.1935
淡路島 〃・〃
保津鮎釣 〃・〃
刈田群雀 〃・〃
京洛四季扇面 紙本彩色・扇面額
石山秋月 絹本彩色・軸 1936
嵐山の春 〃・〃
彼岸桜 〃・〃
華頂山春宵 〃・〃
久能の富士 〃・〃
嵐峡雨罷 〃・〃
鵜鷺 〃・〃
洛西野宮 紙本彩色・〃
大威徳明王 絹本彩色・〃 c.1936
紫陽花 〃・〃

新聞雑誌関係記事
朝日 9.17、9.20(夕)
毎日 9.17、10.1(乾 由明)
京都 9.17
読売 9.27(中村義一)
三彩 11月号(鈴木健二)

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