入江波光展

 大正期の日本画壇において、国画創作協会は、後期印象派に強く影響されて自我の解放を主張した注目される動きである。その同人達が、土屋麦遷や村上華岳などのような強烈な個性や華麗な作風を誇るなかにあって、入江波光はきびしく抑制された描法によって、みるひとを内へ沈潜せしめるような深い情感を滲透せしめた画境を展開した。このグループの解散の後、彼は画壇と縁を切って、京都市立絵画専門学校の教師として後進の指導に当り、また法隆寺壁画模写に代表されるような古画研究に没頭したので、彼の作品は、特定のものを除き一般の鑑賞家の眼にふれる機会がとぼしかった。本展はこの特異な作家入江波光の代表作を網羅してその全貌をあきらかにしたものである。

会期
10月9日−11月7日(26日間)
入場者数
総数6,260人(1日平均241人)
出品目録
題名 制作年
葡萄に栗鼠 1909
捕鯨の図 1911
北野の裏の梅林
北野の裏の梅
海岬の図 1912
振袖火事 1913
松風村雨 1916
梅林
波切の図 c.1916
降魔 1918
ゆく春
晩鐘 c.1918
臨海の村 1919
波切風景
出船の図
みのる秋 c.1919
追羽子
彼岸 1920
散華
牝鶏
1920
舟遊び
晩鐘
彼岸 c.1920
妙音
天人 1921
初音
湖岸 1922
南欧小景−聖コスタンツア寺院
蒼林図 1923
爽秋
南欧小景
水汲み女
水汲みて帰るイタリーの女
牛の図
水を汲む 1926
杏咲く頃
くさむら
小春日
草園 c.1926
題名 制作年
秋晴 1927
摘草 1928
長閑
花売女
葡萄 1929
梅に小禽 1929
冬の谿
母鶏と雛 c.1929
風蓮白鷺 1930
遊魚 c.1930
遊鯉の図
遊鯉
梅に小禽
初音 c.1931
山を降る猿追 1932

題名 制作年
雨の烏骨鶏 1933
渓山晩帰
容堂和尚像
磯の魚 1934
松間の月
瀟湘八景
竹林雨後
朝暾
風雨竹林 c.1934
茶花宿禽 1935
松に月
急雨帰棹
筍に仔雀 c.1935
風雨渡舟 1936
しぐれ
青嵐
湖魚
遊鯉 c.1936
竹に虎 1937
満つる潮
月夜山水・春景山水
初音
朝暾
愛染明王
金剛童子
満つる潮 c.1937
松に鷹 1938
帰りくる舟
松籟
川えび
金剛童子
風浪漁舟 1939
獅子上菩薩

題名 制作年
文珠菩薩 1939
月山布袋
月下布袋
卯歳の戯
松に鷹 1940
菜果の図
如意輪観音
昇龍
早梅宿雀 1941
柚としめじ
不動尊
己歳の戯
不動 c.1941
不動立像
かける馬 1942
不動尊 1944
降三世明王
申風掃雲
羅漢 1945
牡丹にあやめ
二菩薩
塑像
護持力尊
聖観音 1946
菩薩拈華之図
拈華菩薩
童形太子 1947
初音 1948
模写・北野天神縁起 1929〜37
模写・一休禅師 1930
模写・信海筆不動
模写・法隆寺金堂6号壁阿弥陀浄土変 1940〜48
模写・法隆寺金堂8号壁文珠菩薩像(参考出品)
版画 1913
スケッチブック
絵葉書

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