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教育普及・授業サポート 銅駝美術工芸高等学校 新入生美術入門研修 実施報告

日時:2018年4月17日(火)午前9時20分~13時00分
会場:京都国立近代美術館
参加人数:1年生90名、引率8名


 今年も、京都市立銅駝美術工芸高校の新入生たちが美術入門研修のために来館しました。
 絵を描くことやものづくりに関心が高い生徒さんたちですが、他の作家による作品と出会うことや、作品を守り伝える学芸員の存在、また美術館の社会的役割など、美術の世界をさまざまな角度から知ることで視野を広げてもらいたい。こうした学校側のニーズを受けて、例年、入学後の間もない時期に研修を行っています。

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 今年の研修では、冒頭、当館の歴史や「コレクション形成」「展示」「調査研究」「教育普及」といった美術館の機能について紹介しました。その後、美術館の施設見学、企画展「明治150年展 明治の日本画と工芸」鑑賞、コレクション展鑑賞を行いました。

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 毎年、先生方と相談しながら内容を検討していますが、今年度はロビーや展示室を巡りながら、槇文彦氏の設計による当館建築の見どころや、照明やキャプション、展示ケースなど、展覧会を成立させる様々な要素について紹介しました。

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 来場者に開かれたスペースでのツアーではありましたが、一般的にはあまり知られていない機能や工夫を伝えることで、作品を大切に守り、展示することで多くの人にその価値を伝えるという美術館の役割や学芸員の仕事について、身近に感じてもらえたのではないかと思います。本研修を通して得た新しい視点が、これから学校で美術について学んでいくなかで活かされてくると嬉しいです。

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 当館では、学校団体等の利用を受け入れる際、学習者のニーズにあわせて活動内容をそのつど組み立てることにしています。今回は、先生方からの「美術館の舞台裏を知ってほしい」「美術館は、作品を守り、伝える存在だと知ってほしい」という具体的な要望を踏まえて、講義やツアー内容に反映していきました。こうしたオーダーメイド方式でのプログラム作りは、より充実した美術館体験に繋がることはもちろんですが、我々スタッフが、利用者が美術館のどんなところに魅力を感じているのかを知る良い機会にもなっています。これからも学習支援活動を通して、利用者の方とともに美術館の新しい魅力や楽しみ方を探っていきたいと思います。

(当館特定研究員 松山沙樹)

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