学習支援活動

京都府立福知山高校・附属中学校 鑑賞活動 実施報告


日時
2017年10月 午後1時〜2時10分

会場
京都国立近代美術館 4階コレクション・ギャラリー

参加人数
中学生2名、高校生19名、引率2名

 学習支援事業の一環で、京都府立福知山高等学校・附属中学校の生徒たちと一緒にコレクション展を鑑賞しました。これは、生徒たちに美術館での作品鑑賞を経験してもらいたいという要請を受けて3年前から実施しているものです。

京都府立福知山高校・附属中学校 鑑賞活動 2015年度の様子
2015年度の様子
京都府立福知山高校・附属中学校 鑑賞活動 2016年度の様子
2016年度の様子

 例年、教育普及スタッフと教員が事前に相談や準備をした上で当日に臨んでいます。今回は「対話を通して様々な見方に触れる」こと、「気になった作品について自分なりに考えを深める」ことを活動のねらいとし、当日は(1)全員で鑑賞する(2)生徒たち同士で鑑賞する(3)ひとりで静かに鑑賞するという3ステップで活動を進めることとしました。

(1) ファシリテーターと一緒に鑑賞 〜違いを知る〜

 まずは「現代の陶芸−ヨーロッパと日本」展(1970年)より」の展示で、いろいろな"曜日"のイメージに合う作品を選んで互いに発表しました。同じ「日曜日」でも"ピクニックに合いそう"ということで大きな陶皿を選ぶ生徒もいれば、"だらだらしている感じ"を想像して溶け出すような形の陶彫を選んだ生徒も。作品の向こうに思い描くイメージは一様ではないということを確認します。

京都府立福知山高校・附属中学校 鑑賞活動

(2) 生徒たち同士で対話しながら鑑賞

 続いて、森村泰昌《だぶらかし(マルセル)》と「キュレトリアル・スタディズ」の展示空間で、生徒だけで鑑賞を深めてもらいました。前者は、一つの顔に対して帽子が2つ、手は4本という作品。相談すればするほど"もやもや"が膨らんでいったようですが、「正解がない問い」に向き合うことは新鮮な経験だったようです。
 また後者では、デュシャンのレディメイドを見ながら「壁に映った影は作品と言って良いの?」「デュシャンはなんでこんな作品を作ったの?」と会話が弾んでいました。

京都府立福知山高校・附属中学校 鑑賞活動 京都府立福知山高校・附属中学校 鑑賞活動

(3) 一人で鑑賞

最後に15分ほど、活動を振り返りながら各自で自由鑑賞する時間としました。活動終了後のアンケートには、「(展示の仕方が)予想とまったく違っていたのでびっくりした反面、面白いなあと思いました。」「美術は、身の回りにいっぱいあって、自分が意識して見てみることで見えてくることもあるんだなと思いました。」とあり、美術館という場所や美術との関わり方に対するイメージが変わった生徒もいたようです。

 生徒たちが当館で鑑賞活動を行うのは年に一度きりですが、学校に戻ってから、美術史という分野に興味を持ったり、控えめだった生徒の発言が増えたり、部活動内でのコミュニケーションが活発になったりと、さまざまな変化のきっかけになっているようです。今年来館した生徒たちの中でも、この日の経験が今後のいろいろな場面で活きてくると嬉しいです。

(当館特定研究員 松山沙樹)



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