学習支援活動

「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ
 『だいへんしん!山田正亮の絵画』 実施報告


日時
2017年3月18日(土)午後0時〜3時
    3月25日(土)午後0時〜3時
    4月 1日(土)午後0時〜3時

会場
京都国立近代美術館 1階ロビー

参加人数
3月18日:40名
3月25日:60名
4月1日:39名

 「わいわい」「にょきにょき」「ふわふわ」「ざわざわ」といった言葉から1つを選び、その言葉のイメージに合うように、山田正亮の絵画を印刷したカード(全10種類)を用いてオリジナルの作品を制作するワークショップを開催しました。山田正亮の作品を「解体」して組みかえることで、作家が好んだ色づかいを学んだり、具体的なモチーフや光景を想像しながら鑑賞する楽しさを知ったりして、抽象絵画に親しんでもらうことを目指しました。

「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』 「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』

 今回、美術館の無料ゾーンである1階ロビーを会場とし、壁面にワークショップのタイトルと参加者の作品を掲示し、開放的な空間作りを目指しました。また事前申込制ではなく当日の立ち寄り式とし、幅広い方々の参加を歓迎しました。学校で配布されたチラシを手にやって来る小学生もいれば、展覧会目的で来館し偶然にワークショップの存在を知ったという人、中には海外からの旅行者の参加もあり、会場は終始にぎわいました。

「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』 「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』

 このワークショップでは、各自が自由に発想を膨らませることができるよう次の点に配慮しました。まず言葉について、そこから思い浮かぶ色や形が人それぞれであるものを選びました。「この形を表現しよう」という"正解"を設けないことで、表現活動に苦手意識がある人でも「やってみよう」と思えるのではと考えたためです。そして制作方法については、誰もが気軽に取り組めるという観点から、紙をはさみや手で切って糊で貼り付ける「コラージュ」の技法を取り入れました。

 さらに、通常ワークショップでは講師と参加者の間に「教える側」「教わる側」という関係が生まれがちですが、今回はスタッフが参加者に適宜声をかけ、時には一緒に制作するなど、皆がリラックスした雰囲気の中で共に時間を過ごせるような場作りにも気を配りました。

「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』 「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』

 参加者は思い思いのペースで作品制作を楽しみます。「お母さん、これ『ふわふわ』に見えるかなあ?」と意見を聞きながら丁寧に紙を切ったり、1人で5つの言葉に挑戦してみたり。他の人の作品を鑑賞し、枠から飛び出るように紙を貼りつけた作品からアイデアを得た子は、くしゃくしゃと丸めたマスキングテープで立体的な作品を完成させていました。

「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』 「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』

 今回、春休み期間中の開催ということもあってか家族単位での参加が目立ち、家族向けのイベントに対するニーズの高さを知ることができました。最初は子どもの様子をそばで見守っていた保護者の方が途中から自分の作品を制作し始め、気づけば子どもたちと同じくらい夢中で取り組んでいた姿が印象に残っています。

 さらにアンケート結果から、参加者の96%が展覧会を鑑賞し、うち半数はワークショップ参加後に展示室に足を運んでいたことが分かりました。子どもにとっては「美術館って楽しい!」と、非日常的な環境に身体と心を慣らす良いウォーミングアップとして、そして「子どもと一緒に来館したいけど、周りに迷惑をかけないか心配で…」という大人の方の不安を和らげる役割も果たしていたのではないかと思います。

「endless 山田正亮の絵画」春休みワークショップ『だいへんしん!山田正亮の絵画』

 今後も、展覧会を出発点としたさまざまな取り組みを通して、美術作品や美術館を身近に感じられる機会を創出していきたいです。

(当館特定研究員 松山沙樹)


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