学習支援活動

第18回 子ども美術鑑賞教室 実施報報告

日時
2016年11月12日(土)午前9時〜11時30分

会場
京都国立近代美術館 1階講堂、3階企画展示室、4階コレクション・ギャラリー

参加人数
小学3年生〜6年生 41名

 今年も、京都市図画工作教育研究会の主催による美術鑑賞教室を開催しました。この教室は、平成11年度にスタートし、平成13年度からは当館を会場に実施しています。例年、展示内容に応じたプログラムが組まれていますが、今年は昨年と同様「見ること」に重点を置き、多様な鑑賞方法にふれることを目指しました。

 はじめにアイスブレークとして、アートカードを用いてゲームを行いました。机上に広げたカードから2枚を選んでその共通点を発表し、グループの同意が得られればカードを手に入れられるというものです。

第18回 子ども美術鑑賞教室

 みんなの緊張が少しほぐれてきたところで、ファシリテーターの先生と一緒にコレクション・ギャラリーに移動しました。ここではまず「立ち止まって鑑賞」を行います。
 相笠昌義《日常の風景・地下鉄を待つ人》を鑑賞したグループは、暗い表情でホームに立つ人物が何をしているところか、自由に意見を出し合いました。「仕事で失敗した部下を上司が注意している」、「(絵の中には描かれていないけれど)長い階段を降りてくる人を、まだかまだかと待っている」など、後ろで見ている保護者が思わず笑ってしまうようなユニークな意見が次々と飛び出し、描かれている世界への想像が膨らみます。

第18回 子ども美術鑑賞教室

 また別のグループでは、ファシリテーターが「上から眺めるのとしゃがんで見るのとで、見え方がどんなふうに変わるかな」(熊井恭子《草莽の風》)、「遠くからだとキラキラした花火のように見えるね。でも近寄っていくと、人の顔がたくさん貼り付けられているのに気が付かない?」(横尾忠則《アダージュ 1958》)と鑑賞のコツを伝え、みんなで実践してみました。

第18回 子ども美術鑑賞教室 第18回 子ども美術鑑賞教室

続いて「メアリー・カサット展」の会場では「歩いて鑑賞」を行いました。印象派の画家メアリー・カサットの作品には、同じ画面の中に、丁寧に描き込まれた部分と荒いタッチで描かれた部分が混在しています。ここでは「近くから 遠くから ながめてみよう」と書かれたワークシートを手に出来るだけたくさんの作品を見ながら、カサットの表現の特徴を確認して回りました。

第18回 子ども美術鑑賞教室ワークシート

 その後の自由鑑賞の時間では、ファシリテーター無しでも鑑賞を楽しんでいました。中には、冒頭のアート・ゲームで覚えた方法をさっそく活かして「どちらの作品にも船が描かれている」と、隣りあう作品の共通点を発見した子もいました。
 今回参加した子どもたちは、作品へのアプローチには様々な方法があることを知り、さらに、作品や展覧会に合わせて鑑賞の仕方を変えることの有効性も感じ取ったのではないでしょうか。これから学校で友達の作品を見る時や展覧会に足を運んだ時などに、今回の経験を活かして自分なりの方法で鑑賞を楽しんでもらえればと思います。

(当館特定研究員 松山沙樹)



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