学習支援活動

第17回 子ども美術館鑑賞教室 実施報告

日時
2015年10月17日(土)午前9時〜11時30分

会場
京都国立近代美術館 1階講堂、3階企画展示室、4階コレクション・ギャラリー

参加人数
43名

 当館4階のコレクション展と3階の「琳派イメージ」展を会場に、第17回子ども美術館鑑賞教室が開催されました。この教室は、京都市図画工作教育研究会の主催で平成11年度にスタートし、平成13年度からは当館を会場として実施しています。例年、展示内容に応じたプログラムが組まれていますが、今回は作品を「見ること」に重点を置き、いろいろな鑑賞の仕方を体験する内容となりました。

 当日は小学校3年生から6年生までの43名が参加しました。はじめに自己紹介をした後、国立美術館アートカードを使った『名探偵ゲーム』を行いました。グループ内で親を決め、親が作品を一点選んだら、他の人は「人は描かれていますか?」「明るい作品ですか?」などと質問をして、親が選んだ作品を推理します。ゲームを楽しみながら初めて会った友だちとも打ち解け、鑑賞活動の良いウォーミングアップになりました。

第17回 子ども美術館鑑賞教室  第17回 子ども美術館鑑賞教室

 緊張がほぐれたところで、グループごとにコレクション・ギャラリーへ向かいました。ここでは"立ちどまって鑑賞"がテーマです。ファシリテーターの先生があらかじめ選んだ作品の前で、みんなで話しながら鑑賞しました。動物を描いた水越松南の水墨画では、絵の中の登場人物になりきって演じてみたり、ドミニク・ゴンザレス=フォルステルのインスタレーションでは、好きな本をそれぞれが選び、作品や作者について思いを巡らせたりしました。

第17回 子ども美術館鑑賞教室  第17回 子ども美術館鑑賞教室

 続いて「琳派イメージ」展に移動しました。ここでのテーマは"歩いて鑑賞"です。展示作品に繰り返し現れる「植物」「動物」「流水紋」のモチーフが載ったワークシートを手に、それらを探し求めて展示室内を歩き回りました。さらに、ファシリテーターから質問が投げかけられます。「鶴は全部で何匹いるかな?」「この作品の中には小さな生き物がいるよ。どこでしょう?」「ススキが描かれているけど、季節はいつかな?」と問いかけられると、子どもたちはガラス越しに作品を一生懸命観察し、答えを見つけようとしていました。このようにして、「このモチーフ見つけた!」で鑑賞が終わることなく、装飾的な美しさや、モチーフの繰り返しや大胆な構図といったデザイン性が、琳派の作品に共通してみられる特徴であることに気付くこともできました。

第17回 子ども美術館鑑賞教室  第17回 子ども美術館鑑賞教室
第17回 子ども美術館鑑賞教室  第17回 子ども美術館鑑賞教室

 その後の自由鑑賞の時間では、ファシリテーターがいなくとも、子どもたちだけで見たい作品を探しに行き、お気に入りの作品の前でじっくり鑑賞する姿も見られました。今回の経験を通じて、鑑賞には決まった型はないということ、そして、色や形、描かれたモチーフや季節など、様々な視点から作品を見れば見るほど発見があり、鑑賞の楽しみや面白みが増すことを知ってもらえたのではないかと思います。これからも研究会の先生方と協力しながら、美術館でほんものの作品を鑑賞するこうした機会を多くの子どもたちに提供していきたいです。

(当館特定研究員 松山沙樹)



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