コレクション・ギャラリー

平成28年度 第5回コレクション展(計125点)

会期

2016(平成28)年12月14日(水)〜 2017(平成29)年2月12日(日)

概説

 今回のコレクション展も、当館が所蔵する多彩な作品を、色々なテーマのもとにご紹介しています。加えて、3階企画展会場の「茶碗の中の宇宙:樂家一子相伝の芸術」展に関連する特集展示を行っています。

 「無限の宇宙―掌中を超えて」と題された特集展示では、樂焼の創始者である初代長次郎と当代である十五代樂吉左衞門の二つの茶碗を対峙させ、時空を超えた両者の交感を、高谷史郎による《Toposcan》とともに体感できる空間をつくることを試みました。さらに、この宇宙的交感への入口である「Entrance of Universe Loop」には、インドネシアの輪形石や吉原治良そして樂雅臣の作品などを展示し、そういった交感への希求が古今東西において普遍であることをつまびらかにします。会場に掲示した十五代樂吉左衞門氏のコメントとともに、茶碗から拡がる壮大な世界を感じていただけると幸いです。

 コレクション・ギャラリーを入ってすぐのエリアでは、芸術の概念を転換した重要な芸術運動であるダダが生まれて100年を記念する企画の第二弾として、ベルリン・ダダの重要なメンバーで、当時恋人であったラウル・ハウスマンとともにフォト・モンタージュという手法を発展させたハンナ・ヘッヒの作品を特集しています。当館は、マルセル・デュシャンの著名なレディメイド作品《泉》をはじめとして、数多くのダダ関連作品・資料を収蔵していますが、その発端となったのが、1974年の当館での個展開催に際し、ヘッヒ自身から寄贈された作品(《日本の夏》《小さな傘》)です。今回の展示では、ヘッヒの抽象的な初期水彩画から、晩年のフォト・モンタージュにいたるまでの作品を、ダダ関連資料とともにご紹介します。

ハンナ・ヘッヒ《円のあるドローイング》1922年
ハンナ・ヘッヒ《円のあるドローイング》1922年

 日本画のセクションでは、平成29年が「酉年」であることにちなみ、コレクションから鳥が描かれた様々な作品を選んで展示しています。花鳥画という言葉があるほど、日本画では様々な花や鳥が好んで描かれます。吉祥的な意味をもつ画題もありますが、それ以上に画家の関心は、鳥の華やかで繊細な羽毛の様子や緩急様々な動きに向けられているようです。孔雀を、鶏を、そして鴛鴦を見つめる画家の眼差しを探りながら、それぞれの鳥との対話をお楽しみ下さい。

今尾景年《老松孔雀図》1916年
今尾景年《老松孔雀図》1916年

 「光の中の宇宙」と題したコーナーでは、宮島達男の発光ダイオードを用いたインスタレーション作品《Slash》を中心とした展示を行っています。暗闇の中に規則的に設置されたLEDのデジタルカウンターには、赤と緑の光で1から9までの数字がランダムに映し出されます。決して「0」にはならないその数字の組み合わせは無限にあり、暗闇で点滅する数字を見つめる私たちを悠久の時空に誘ってくれます。その誘いは、ともに展示された野村仁やマックス・エルンストそしてアンセル・アダムスの作品からも感じとれることでしょう。

 工芸のセクションでは、「北欧の陶芸とテキスタイル」と「八木一夫:黒陶とブロンズ」と題した二つの展示を行っています。1960年代は、北欧のクラフト作家たちが、大きな注目を集めた時代です。民藝的な温かさと産業製品特有の簡素さや構成性を兼ね備えた彼らの作品は、世界中の賞を次々と受賞し、今日の「北欧デザイン」の名声の礎となりました。今回の展示では、コレクションから、特にその時代の作品を選んでご紹介しています。また前衛的陶芸家集団「走泥社」の創設メンバーである八木一夫は、生涯「茶わんや」と自称しつつ、その茶碗に必要な「用」を限りなく超越した作品を数多く制作しました。中でも、黒陶そしてブロンズによる作品は、その彫刻性において際立っています。二つの展示を通して、「工芸」がもつ多彩な側面をご覧下さい。

ヘッレ・アルパス 《大皿》1968年頃
ヘッレ・アルパス 《大皿》1968年頃

 また、洋画のセクションでは、「抽象絵画のパイオニア」と題して、1930年代以降具象と抽象の間を揺れ動きながら独自の作風を追求し続けた、吉原治良や村井正誠ら10名の画家たちの作品を展示しています。

主なテーマ

  • 特集展示:無限の宇宙 ―― 掌中を超えて
  • ハンナ・ヘッヒとダダ
  • ニワカニトリヅクシ ―― 酉年にちなんで
  • 光の中の宇宙
  • 北欧の陶芸とテキスタイル
  • 八木一夫:黒陶とブロンズ
  • 抽象絵画のパイオニア
  • 常設屋外彫刻

展示作品


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