コレクション・ギャラリー

平成28年度 第1回コレクション展(計151点)

会期

2016(平成28)年3月24日(木)〜 5月29日(日)

前期:3月24日(木)〜 4月24日(日)
後期:4月26日(火)〜 5月29日(日)

概説

 今年度第1回目となるコレクション展では、季節の花々を描いた作品や、今年生誕ないし没後の記念の年を迎える三人の作家の作品など、様々なテーマのもとに展示作品を選んで紹介しています。

 コレクション・ギャラリー入口すぐの場所では、「薔薇を描く」というタイトルの通り、「薔薇」を描いた様々な作品を展示しています。薔薇といえば西洋のイメージが強い花の代表ですが、古くは「うまら」「うばら」と呼ばれて『万葉集』にも詠まれるほど、ノイバラの類は国内に自生していました。しかし現在のように薔薇が愛好されるようになるのは、西洋で品種改良された薔薇が輸入されるようになった明治以降のことです。それまで画題としてほとんど採り上げられることのなかった薔薇ですが、その造形的美しさは画家たちを魅了し、とりわけ静物画の画題として好んで描かれるようになりました。また長谷川潔の版画では、薔薇が「愛」や「美」を象徴しています。油彩画や版画、陶器など様々な媒体に表現された薔薇の魅力をご堪能下さい。

浅井忠《薔薇図》1902-07年
浅井忠《薔薇図》1902-07年

 続いて、「春の日本画」と題し、前期と後期の二度に分けて、日本画に描かれた春から晩春にいたる花々をご覧いただきます。前期展示には、上村松園《花ににぎわい》や菊池契月《朱唇》など、桜を中心とした春の情景を描いた作品を選びました。後期展示では、村上華岳や玉村方久斗そして石崎光瑤らが描く牡丹や藤の花、さらには菖蒲やつつじなど、多様な花々が皆様をお迎えします。

 日本画のセクションでは、さらに、「生誕120年記念 伊藤柏台特集」を行っています。伊藤柏台は1896(明治29)年に京都市中京区に生まれ、京都市立美術工芸学校ならびに絵画専門学校を卒業、その年の第2回国画創作協会展に《松並木》を選外出品しました。写実に徹した制作態度が評価されましたが、36歳で夭逝し、遺されたスケッチや写生画の多くが現在当館に所蔵されています。特に六角堂や太秦といった京都市中・郊外の写生画を、「京の街角―明治期の水彩画」と題した展示とあわせてご覧いただければ、柏台が追求した写実が、大正浪漫主義という時代を背景に、単なる情景描写に終わらないことがおわかりいただけることでしょう。

伊藤柏台《松並木》1919年
伊藤柏台《松並木》1919年

 工芸のセクションでは「木と竹の表情」と題し、当館所蔵の木・竹工作品から選りすぐりの作品をご紹介しています。特に近年の収蔵作品で、同じく今年が生誕120年となる竹内碧外の作品の数々に御注目下さい。福井県に生まれ、後に京都で学んだ碧外は、唐木細工を中心に古今の様々な木工芸技術に精通し、その知識を背景に精巧な作品の数々を制作しました。その真髄を、同時代の木・竹工作家の作品とともにお楽しみ下さい。

飯塚琅玕斎《花籠『富貴』》c. 1926
飯塚琅玕斎《花籠『富貴』》1926年頃

 加えて、今年没後50年となる小合友之助の作品を特集しています。1898(明治31)年に伊藤柏台と同じ京都市中京区に生まれた友之助は、都路華香に日本画を学んだ後、染色図案の刷新を図るべく、蝋染技術の研鑽を積んで染色家となり、文展・日展を中心に作品を発表するとともに、京都市立美術学校(現・京都市立芸術大学)で後進の指導にあたりました。精確な写生を基礎に、そこから草木や水そして空や大地の生気や運動を抽出して大胆にデフォルメした表現は、今もなお斬新さを失ってはいません。

 絵画における二次元性と三次元性の問題は、線遠近法が誕生した頃から現在に至るまで様々に議論されてきました。「○△□(まる さんかく しかく)」と題した展示では、三つの基本図形に注目して、近現代の画家たちがこの問題とどのように取り組んだかを検証します。

菅井汲《12気筒》1972年
菅井汲《12気筒》1972年

 当館コレクションには、作品だけではなく、作家たちの書簡のような関連資料も数多く含まれています。「それぞれのペーパー・ワーク 版画、手紙など」と題したコーナーでは、その資料の面白さの一端を、井田照一の「ペーパー・ワーク(紙を用いた仕事)」そのものを主題とした作品と一緒にご覧いただきます。

主なテーマ

  • ○△□(まる・さんかく・しかく)
  • 薔薇を描く
  • 春の日本画
  • 生誕120年記念 伊藤柏台特集
  • それぞれのペーパー・ワーク 版画、手紙など
  • 木と竹の表情
  • 京の街角――明治期の水彩画
  • 没後50年 小合友之助の染色
  • 常設屋外彫刻

展示作品


このページの先頭へ